ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

こりゃ駄目だ

2012年02月04日 | 其の他

先達て放送された「探偵!ナイトスクープ」(動画)の中に、「切羽詰った餃子店!?」という物が在った。「大好物は餃子。餃子で有名な栃木県宇都宮市では、多くの餃子専門店が大繁盛しているのを見て、餃子専門店の開業を思い立った。3年前に会社を辞めて餃子専門店を開業したが、現実は厳しく、毎月の売り上げは家賃と材料費に消え、家族を養うどころでは無い。最近では妻も夜勤のパートを始めた。此のでは店を畳まなければいけない。餃子の味には自信が在るが、何故繁盛しないのか。其処で、近所の方に私の店の評判を聞いて欲しい。改善すべき点や、どうすれば繁盛する店になるのか等、アドヴァイスして欲しい。」という京都府在住の男性(54歳)からの依頼に、探偵の竹山隆範氏が応えるという内容。竹山氏が表現していたが、当該店の外観は「『此の店は凄い流行っているんですよ。』と言われたら、『嗚呼、そうなんですか。』と普通に言いそうな雰囲気も在る。」感じだったが・・・。

 

30年近く前に初めて足を運び、10数年前位ちょこちょこ食べに行っていた豚カツ屋が在る。御気に入りだった此の店から足が遠退いた理由は、サクサクっとしていた豚カツが、或る時期からベチョッとした感じに変わってしまったから。此の変化は料理人が変わった事に起因するのだが、興味深いのはサクサクした豚カツを出していた頃の料理人は「サッパリした、非常に陽気な人。」だったのに対し、ベチョッとした豚カツを出す料理人は「客前でグチグチと文句を口にする等、サッパリしていない人。」という点。

 

以前、妹が2人居る知人が話していたのだけれど、「同じ揚げ物を作っても、男勝りな妹が作るとカラッとした仕上がりなのに、何方かと言えば引っ込み思案な妹の方が作ると、何故かべチャッとした仕上がりになる事が多い。」と。全部が全部という訳では無いだろうけれど、料理人の性格が料理に反映される事って、結構在りそうな気がする。

 

話を「探偵!ナイトスクープ」に戻すが、此の番組では以前にも「客が全く来ない食堂」というのを取り上げていた。矢張り竹山氏が探偵として訪問したのだが(其れも2回!)、兎に角店主のおばちゃんに遣る気が全く感じられず、「客が来ないのも当然だ。」と思わざるを得ない酷さ。今回のケースはどうかと言えば、のおばちゃん店主程露骨ではないものの、遣る気が見ている側に伝わって来なかった。

 

遣る気を内に秘め、周りには其れが伝わって来ない人というのも当然居る。自分が彼に遣る気を感じなかったのは、「安直さ」と「研究心の無さ」から。幾ら餃子が大好きだからと言って、餃子専門店を立ち上げるのに、其のの修行期間が「1週間」というのは、余りにも商売を舐めてはいないか?餃子の品数は多いけれど、其の多くが余所から仕入れているというのも含め、店主の安直な考えが透けて見えてしまう。

 

又、客が来ないなら来ないで、「何故来ないのか?」を徹底的に分析し、客が望む商品を開発する研究心が無ければいけないだろう。「何故来ないのか?」許りに頭が行き、肝心な分析&開発を疎かにしていた様に感じられた。(以前の記事「“素人料理”を平然と出す店」でも記したが、流行らない店というのは分析&開発が出来ていないケースが多い。)

 

1週間修行した店の店主が“弟子”の窮状を救う為、態々来店してくれたのだが、“師匠”が店に入って来てもボーっと椅子に座った儘だった店主。師弟関係”という観点からのみならず、“客商売”という観点からも、座った儘で人を迎えるというのは無いだろう。厳しい言い方になってしまうが、こういった細かい所から変えて行かないと、TV番組で取り上げられた事で一時的に客足が伸びても、遠からずじり貧になってしまうに違いない。


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8 コメント

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料理は正直 (雫石鉄也)
2012-02-04 16:57:51
料理は正直です。
私は料理が趣味で、土曜日曜は料理してます。
好きだから喜々としてやってますが、時にはイライラしながら料理することがあります。
そんな時は、確実に味にあらわれますね。私の料理を食べる家族に見抜かれます。
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「家事」と「業務」 (ぷりな)
2012-02-04 19:12:42
さっぱりした気性の人が作る揚げ物はカリッと仕上がり、ウェットな気性の人の揚げ物はベタッと仕上がるというのは「物事にメリハリをつけられるかどうか」を反映しているのではないかと思います。さっぱりした気性の人は、丁寧にやる必要のある部分と、適当で良い部分とを区別するのがうまく、ウェットな気性の人は、どの工程も中途半端に丁寧に中途半端に適当にやってしまうのでしょう。ちなみに、私の場合は、石橋をたたいて渡る性格ゆえか、火を通し過ぎてカラッとし過ぎてしまいます。さっぱりした人が作る揚げ物が東南アジア美人だとすると、私のは南洋美人です(笑)

「家事」として行う料理と「業務」として行う料理は違います。家事であれば提供する相手は数人、作る回数は1日3度で、時間もコストも、その家庭で許される範囲内で好きなようにかけられます。これが「業務」となると、家庭料理以上のクオリティと効率との両立を、毎回・毎日・長期間にわたって維持・向上させていかなくてはなりません。

うちの実家は異業種から転身した飲食店で、開業するにあたって親が行った修業は約1か月でした。その分野の食材と器具を扱うメーカーの研修施設に泊まり込みで1週間修業、自分の店の設備を使って、講師の方に来ていただいての修業が1週間、残り2週間は、教えをもとに数をこなしてクオリティのばらつきを少なくしたり、地域の人の指向に合わせるために試食を頼んだりといったことをしていました。そして、「開店してから何年立とうと、新たに学んだり改善したりすべきことは、その都度出てくる」と彼らは言っています。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2012-02-04 23:25:23
書き込み有り難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰います。

1980年代、深夜番組の料理コーナーで有名になった料理研究家・結城貢氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E5%9F%8E%E8%B2%A2)。「料理は愛情!」というのが彼の決め言葉でしたが、此れは結構的を射ていると思っています。自分だけの為に作る料理だと、どうしても手抜きになってしまい勝ち。でも愛する人の為に作る料理だと、「どうしたら美味しくなるか。」等と色々試行錯誤する事で、美味しさが増して行く。

心に潤いが無い時に作った料理は、そうで無い時と比べると味に偏りが出てしまったりするし、或る意味面白いですよね。
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>ぷりな様 (giants-55)
2012-02-04 23:34:23
書き込み有り難う御座いました。

「麻雀を一緒にすると、其れ其れの性格が面白い様に判る。」と言いますよね。「大きな上がり手許りを狙う人。」、「小さな上がり手でも、兎に角コツコツ勝つ事を狙う人。」、「臨機応変に対応する人。」等々。料理も、作り手の性格が結構反映される様に感じます。手際の良い人が料理を作ると、料理を作り終えた段階で全てが片付いていたりするし。(料理を作り乍ら、同時に片付けもしている。)

どんな仕事でも同じですが、向上心が無いと必ず行き詰まりますね。例え何れだけ「美味しい。」と評判の店でも、好評さに安住していたら飽きられてしまう。と言って、何でもかんでも手を広げてしまうと、店の「売り」がぼやけてしまって、此れ又客は離れてしまう。其のバランスが、難しくは在りますが。

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ナイトスクープらしからぬ? (マラソン・マン)
2012-02-13 12:46:26
紹介された話は未見でしたが、「ナイトスクープ」には、これまでも根拠の無い自信をふりかざす人が登場する系譜がありました。40歳過ぎて、ボクシングの五輪代表を目指すというボクシング観戦歴30年以上のおじさんとか、自分で編み出した二刀流の剣法?で剣道の師範にチャレンジしようとする人とか。

この餃子屋のおじさん、少し前なら「愛の貧乏脱出作戦」に出るべきだったと思いますね。ナイトスクープ向きじゃなかったのでは、と思いました。文面を読む限り、この店主のおじさん、少しも笑えませんから。前述のボクサー志望のおじさんなど爆笑ネタでした。(五輪のボクシングの参加資格は35歳未満、というのがオチでした。)

余談ですが、僕は「ナイトスクープ」には「芸人再生工場」という側面もあると思っています。竹山氏にしても、松村邦洋氏も、たむらけんじ氏もこの番組の探偵となって以来、僕にとっては「好感度」が上がっています。ルー大柴氏も、

「ナイトスクープのおかげで、人気が浮上した」と語っていました。(あの、「名作」として名高い「ルー大柴そっくりにお爺ちゃん」のおかげです。)
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>マラソン・マン様 (giants-55)
2012-02-13 13:52:19
書き込み有り難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰います。

今から10数年前になりますが、出張先の大阪で「探偵!ナイトスクープ」なる番組を初めて見ました。局長が未だ上岡龍太郎氏の頃です。どういう内容だったかは忘れてしまいましたが、兎に角「御馬鹿な依頼を、探偵達が真剣に応えている。」というのがツボに嵌り、「関東圏でも放送して欲しいな。」と思ったもの。そして暫く前から関東圏でも“再放送”される様になり、録画予約して見続けている次第です。

馬鹿馬鹿しくて笑える依頼が在る一方で、見ていて滂沱してしまう依頼が在ったりと、メリハリの在る番組構成。滂沱してしまう依頼と言えば、マラソン・マン様が書かれている「亡き御爺ちゃんがそっくりだったので、是非ルー大柴氏に会いたい。」という依頼もそうですが(自分も此の依頼で、彼への好感度が上がりました。)、「亡き父親にそっくりの(スワローズの)飯田哲也選手と、弟をキャッチボールさせて上げたい。」(http://blog.goo.ne.jp/uraraka-umeko/e/978aed6edf918812ace7304f9f435308)という依頼も泣きました。18歳の兄が依頼した物で、「彼は父親とキャッチ―ボールをした事が思い出として残っているけれど、亡くなった時に4歳と幼かった弟は其の思い出が無い。だから、そっくりな飯田選手とキャッチボールをする事で、思い出作りをさせて上げたい。」という内容だったのですが、お父さんの形見だったスポーツウェアを着用して現れた飯田選手に、兄弟のみならず母親も涙していたのに貰い泣き。
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Unknown (コロコロ)
2016-04-08 00:02:48
はじめまして、探偵ナイトスクープを見て、その後どうなっているのか気になって、今日、食べログを見たんですが、閉店されてました。
何時閉店されたのかは分かりませんが、残念です。
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>コロコロ様 (giants-55)
2016-04-08 01:45:59
初めまして。書き込み有難う御座いました。

紹介されていた店、潰れたんですね。放送された内容が“遣らせ”で無かったなら、申し訳無いけれど「潰れて当然。」という感じでしたので、「矢張りなあ。」という思いが。

今の御時勢、飲食店を営む場合、「旨い。」、「安い。」、そして「他の店とは違った売りが在る。」に加え、客を魅了する別の何かが無いと、大勢のハートを掴むのは難しい。

今後とも、何卒宜しく御願い致します。
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