懐が寂しい事も在り、近年は本を購入するのでは無く、図書館で借りるケースが増加。唯、思い入れの深い作家の作品は購入しており、東野圭吾氏の作品はデビュー以降、全てを購入している。「総じて作品の質が高く、どっぷりと作品の世界に感情移入させられてしまう。」というのが東野作品をずっと手元に置いておきたい理由で、「理系テースト溢れる作風」というのも自分を魅了して止まない。
典型的な文系人間の自分。学生時代は理系科目が苦手で苦手で、試験の時期になると本当に憂鬱だった。しかし社会人になって以降、理系の情報に触れるのが好きになった。「試験の為に学ばなければいけなかった時」はあんなにも苦痛だったのに、「試験を離れて趣味で触れるようになってから」は、純粋に面白いと感じる様になったのだ。
今年に入ってから、読み始めた或る漫画が在る。加藤元浩氏が描く「Q.E.D. 証明終了」という作品が其れで、4年前にテレヴィ・ドラマ化された事も在り、御存知の方も結構居られるだろう。第1話が掲載されたのは16年前で、今日発売予定の新刊が「44巻」というから、人気作品と言って良いだろう。
「推理漫画」の此の作品を気に入ったのは、理系テースト溢れる作風だから。難解な公式や理論等が登場するのだけれど、文系人間の自分にも理解出来る様に噛み砕いて、でも冗長では無く簡潔に、説明されているのが良い。
先達て読んだ「39巻」には、「グランドツアー」という回が載っていた。「1977年に打ち上げられた無人宇宙探査機『ヴォイジャー1号』の通信部分を担当した(架空の)技術者達」というのが、此の回の登場人物。
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ヴォイジャー計画:アメリカ航空宇宙局(NASA)による太陽系の外惑星及び太陽系外の探査計画。2機の無人宇宙探査機「ヴォイジャー」を用いた探査計画で、「ヴォイジャー1号」は1977年9月5日に打ち上げられた。惑星配置の関係により「木星」、「土星」、「天王星」「海王星」を連続的に探査する事が可能だった機会を利用しての打ち上げ。1号&2号共に外惑星の鮮明な映像撮影に成功し、新衛星等多数の発見に貢献した。
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「木星の衛星の火山活動の撮影」も、「海王星の輪の存在の発見」も、1号&2号によってなのだとか。「スイングバイ航法」なる物も、「グランドツアー」の回で初めて知り、非常に勉強になった。
「1号&2号は、『異星人へのメッセージを記録したレコード』が搭載された事でも有名。」という趣旨の記述を目にした時、「“彼の絵”が描かれたレコードが搭載された宇宙探査機だったのか!」と懐かしい思いが。今からウン十年前、国語の教科書に「カール・セーガン氏の発案による、地球外生命へ向けたメッセージとして、人類や太陽系が描かれた絵。」というのが紹介されており、「全裸の男女の姿」が強く印象に残ったもの。
しかし調べてみた所、勘違いをしていた事が判明。全裸の男女の姿等はレコードでは無く、金属板に描かれていて、其れが搭載されたのは1972年3月2日に打ち上げられた宇宙探査機「パイオニア10号」だったのだ。
【「パイオニア10号」に取り付けられた金属板】
ヴォイジャー1号&2号に搭載されたレコードは「ヴォイジャーのゴールデン・レコード」と呼ばれる、全くの別物だった。
「凄いなあ!」と驚いてしまったのは、「36年前に打ち上げられたヴォイジャー1号が、未だに機能している。」という事実。「2012年6月18日現在、太陽から約180億kmの距離を時速約6万km超で飛行中。」と言う。同機は「有史以来、人類が一番遠くに飛ばした物。」で在り、其の記録を更新中。「2020年頃迄は、地球との通信を維持するのに充分な電力を供給出来ると期待されている。」というのだから、本当に凄い。
「光年」という概念を初めて知ったのは、確か小学生の頃だったでしょうか。光が1年掛けて進む距離が「1光年」という事で、「それならば、今自分が見ている星の輝きというのは、何年前に彼の星が発したものなのだろう?もしかしたら、もう彼の星は消滅してしまっている可能性も在るんだなあ。」と、宇宙の広大さに思いを馳せ、感動したものです。
あらゆる物の中に魂が存在している。所謂「アニミズム」の概念、我が国でも古くより強い物が在ると言われていますね。3年前、「はやぶさ」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%95_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F))の帰還に多くの国民が心を揺り動かされたのも、「単なる機械」という以上の物を、はやぶさに重ね合わせていたからだと思います。
機会が有ったら読んでみたいです
それと遠くに飛ばす話ですが何か星野之宣の2001夜物語に影響を受けた様な話が有った気が・・・
知的生命体と接触する為に人工頭脳のコンピュータ(?)を乗せた宇宙船が宇宙の彼方を目指してずんずん進んでいき50年後にあるプロジェクトの為に高性能な宇宙船が造られ宇宙飛行士や研究員を乗せて地球を出発して何と50年前に出発した宇宙船に追い付いてしまう話でした(50年前の計画に参加した女性がその宇宙船を見て涙を流すシーンが印象的でした)うる憶えだから間違いかも(^-^;
「Q.E.D. 証明終了」という作品が在るのは知っていたのですが、手に取ることは在りませんでした。「絵柄が好きな感じでは無かった。」という“食わず嫌い”からですが、4年前にテレヴィ・ドラマ化された際に見て面白く、「其の内、読んでみようかな。」と思ったのが、今年になって漸く実現したという次第です。
「昔の最新科学」と「現代の最新科学」を比較すれば、普通は「現代の最新科学」が優っているもの。でも、古代にとんでもなく進んだ文明が在ったならば、其の逆も在り得るのでしょうね。