何度も利用しているビュッフェ・スタイルの店を約1ヶ月振りに訪れたのだが、入り口に加え、店内にも何ヶ所か消毒用エタノールのスプレーが置かれ、尚且つ次亜塩素酸水と思われる消毒水が噴霧器からずっと吐き出されていたのには驚いた。店員は全員マスクを着用し、客が食事を取り終えてテーブルを離れる度、テーブルに消毒用エタノールを吹き掛けては消毒。約1ヶ月前には見られなかった光景。
新型コロナウイルス流行の影響だが、街中には到る所に消毒用エタノールのスプレー等が置かれ、通りがかった人の殆どが足を止めては、手を消毒している。こんな事、少なくとも昨年は見られなかった。
自分の幼少期、愛知県の片田舎に住んでいたウン十年前の事だが、日本の衛生事情は、今じゃ考えられない程劣悪だった。家の中に時折現れる鼠を退治すべくピンク色&粒状の殺鼠剤が、又、夏には大量の蠅が発生する事から、側溝に撒いて蛆を殺す液体(強い匂いがする透明な液体で、水に混じると真っ白に変わった。)が、町内会から配布されたもの。塵が放り込まれた川は透明感を失い、強烈な悪臭を放っていたし、大気汚染も社会問題となっていた。
そんな時代だったから、当時の人達は今程、衛生面に気持ちが向いていなかった様に思う。少なくとも当時の子供達は無頓着で、「5秒ルール(地域によっては「3秒ルール」)」というのが広く使われる様になったのは、此の頃からではなかったか。「道端にチョコレートやクッキー等の食べ物を落としても、5秒(又は3秒)以内に拾い上げて食べれば、衛生的に全く問題無い。」という迷信だ。
自分も食べ様としたチョコレートを道端に落としてしまい、慌てて拾い上げて食べた事が在る。「口に入れていた飴玉を道端に落としてしまい、慌てて拾い上げて舐め始めたものの、飴玉が落ちた直ぐ脇に黒い塊が在ったので『何だろう?』と思って良く見たら、正体は犬の糞で在る事が判り、『おえっ!』と慌てて飴玉を吐き出した同級生。」というのも、実際に見た事が在る。今じゃあ、考えられない話だ。
話を元に戻すが、こんなにも衛生面が厳しい年って、過去には無かった。“戦後で最も衛生面が厳しかった年”と後世の人達は、「2020年」を振り返るに違い無い。