中島みゆきさんの名曲「時代」【歌】の中に、「そんな時代も在ったねと♪」という歌詞が在るけれど、「今の感覚や常識では信じられなかったり、理解出来なかったりする事柄でも、『其れが当たり前で在り、別に不思議でも何でも無い、そんな時代が在った。」りもする。
「“廃墟”等、変わった場所を旅する。」というコンセプトで、YouTubeに動画をアップされている“のぶりん”氏。内容が興味深くて、良く見させて貰っているのだが、11月26日には「廃タイヤを燃やした熱でバナナを育てていたヤバ過ぎるバナナ園。借金5億で社長は夜逃げして建物は放置」【動画】という内容で、「千葉県山武郡横芝光町の廃墟化した植物テーマ・パーク『横芝バナナ園』【動画】」を取り上げていた。「元々は洋蘭や薔薇等の生花を栽培し、結構儲かっていた様だが、其処を釣り堀や室内パークゴルフ場等が併設されている植物テーマ・パーク『横芝バナナ園』として1980年代後半位に改装&開園したものの、1997年位に閉園したのではないかとされている。」とか。約5億円の債務を抱え、社長は夜逃げしたそうだが、「本来のビジネスを手堅く続けていれば良かったのに、バブル景気に踊らされて事業を拡大して大失敗という典型。」の様な感じがする。
で、此の動画の中で、次の会話がされている。
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のぶりん氏:「廃タイヤを燃やした熱でバナナに適した環境を作るっていう発想がヤバいから。」。
しょうくん氏:「相当ヤバいよね。マジで本当にバブル時代のヤバい企業みたいな印象在るな。」。
(中略)
しょうくん氏:「だって、タイヤ燃やしとったってヤバいからね。」。
のぶりん氏:「そんなん何時かさ、禁止になるの判らんかな?判らんか。」。
しょうくん氏:「其の時はダイオキシンとか、そういうの無かったんかな?」。
のぶりん氏:「松尾鉱山【動画】みたいな感じですか?」。
しょうくん氏:「そうそうそう。未だ何も規制されて無くてさ。」。
のぶりん氏:「何か言ってましたもんね。昔、小学校で塵を燃やしてたって。彼が環境汚染になるから、禁止になったんですよね。」。
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子供の頃、「塵の分別」なんて無かったし、「車の運転時のシート・ベルト着用義務やバイク運転時のヘルメット着用義務」なんかも無かった。喫煙者は所構わず煙草を吸い、当たり前の様に道端等にポイ捨てする人も珍しく無かった。野外での塵焼却も当たり前の様に行われていて、学校では焼却炉で、そして一般家庭でもドラム缶の中で燃やしていたりした。
都心に住んでいた頃、借地という事も在り、結構広い庭が在った。庭の端には古びたドラム缶が置かれ、其の中で定期的に塵を燃やしていたっけ。普通に住宅地だったので、当然周りは住居が並ぶ。そんな環境でも、モクモクと白煙を上げさせ乍ら、塵を燃やす事が出来る時代が在ったのだ。
専門家は別にして、一般人の間に「ダイオキシン」なんて概念は無かったし、「野外で塵を燃やす事が、如何に環境を汚染するか。」なんて事に思いを馳せもしなかった。今の若い人達からすると、全く理解出来ない世界だろうが。
お寺の庭なんかでも、あちこちで落ち葉を燃やしていましたね。
童謡唱歌の「たきび」では、
♪かきねのかきねのまがりかど
たきびだたきびだおちばたき
あたろうか あたろうよ
きたかぜぴいぷうふいている♪
と唄われ、たき火はごく普通の日常風景でした。音楽の教科書にも挿絵入りで載ってましたね。
今では本当に、たき火もドラム缶で塵を燃やす事も見かけなくなりましたね。
確かに、タイヤやプラスチックやビニールを燃やせばダイオキシンが発生するので、禁止にするのは理解出来ます。
でも、落ち葉や木切れや紙などは家庭でドラム缶なりたき火で燃やしてもいいんじゃないかと個人的には思ってます。ゴミ収集で出しても、結局焼却場で燃やされ、煙を排出するわけですから。家庭で燃やせば、その分収集するゴミの量は減るわけですからね。
自治体では、家庭でのゴミ焼却は法律で禁止している所も多いようですが、一部の自治体では、原則禁止とするものの、「たき火など日常生活の焼却で軽微なもの」は例外として認めているようです。 ↓
https://www.city.kyotanabe.lg.jp/faq/faq_detail.php?frmId=81
昔はたき火をしてると、近所の人も集まって暖を取ったり、そこから世間話になったりと、近所同士のコミュニケーションの場にもなっていました。
現代では人との繋がりが疎遠になって来た事も、そうした風習がなくなった一因かも知れません。たき火をすると、クレームつけられる事もあるかも。寂しい気がしますね。
昔は家庭の庭で、普通に塵を焼いていましたよね。ダイオキシンの問題だけでは無く、「火事の危険性や煙で洗濯物等が汚れる。」といった事から、家庭での塵焼きは禁止されて行ったのでしょうが、仰る様に「ダイオキシンを排出する様な塵は焼かない。」等の徹底をし、近所迷惑を避ける方策を取れば、家庭での塵焼きは色んな意味で有益だと自分も思います。
でも、「五月蠅いから。」という理由だけで、風鈴や盆踊りに嫌悪感を示す人が居る御時世ですので、中々難しいのでしょうね。
今ふっと思ったのですが、我が家もそうでしたが、塵を焼く彼の馬鹿でかいドラム缶って、何処からゲットしたのだろうか?運び込むのも結構大変そうだし、昔は何とも思っていなかったけれど・・・。
ドラム缶は、油槽所や給油所などへ燃料油などを搬送する為に使われますが、私の記憶では、使用済の空のドラム缶が給油所の敷地に山積みされていて、頼めば安価または無料で分けてもらってた事もあったようです。事業所側も処分する費用が助かりますからね。
また、スクラップ等が投棄されているゴミ捨て場にも捨てられていたように思います。
運ぶのはトラックに載せる事も出来ますが、斜めに傾けてゴロゴロ転がしても移動できましたね。
ゴミ焼却だけでなく、昔の映画などで、ドラム缶を野外風呂として使っていたシーンもありました。多分終戦後、バラック建ての家なんかでも、風呂として使ってたんじゃないかと思います。
矢張りそういう場所からですよね。でも、其れらしい場所が近所に在った記憶が無く、「何処から持って来たんだろう?」と思った次第です。恐らくは幾許か支払って、運んで来て貰ったのでしょう。
“ドラム缶風呂”、昔、ドラマ等で見掛けましたねえ。五右衛門風呂の様に、床に(熱さ避けの)板か何かを置いたのでしょうね。