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「自治会脱退トラブル 宇都宮で睨み合い 市は静観」(9月16日付け東京新聞【夕刊】)
宇都宮市で、住民が自治会を抜けた所、家の周りの街灯が外される等して、従来のサーヴィスが受けられなくなった。高齢で役員が務まらないと脱退する住民に対し、資金確保の為、脱退を食い止めたい自治会側。市は「住民同士の問題。」と積極的な介入を避けているが、此れで良いのか?
舞台は、約1,800人が加入する宇都宮市南部の「西川田東部自治会」。4月初め、1つの班で、纏めて8世帯が突然脱退した。輪番の「区長」を務められないというのが、共通の理由だった。
花見に防災訓練、敬老会と年間行事は約60件。副区長も含め、5~6年に一度は役が来る。脱退した女性は「行事が在ると、弁当を100個近く手渡ししたり、仕事が多過ぎる。」と嘆いた。
8世帯とも、世帯主の多くは70代。自らも高齢で、親の介護や障害の在る家族の面倒を看る家庭も。会費(年8千円)だけ支払う形はないか、将来、又、区長を引き受ける意思を示し乍ら、何度も話し合った。
別の区長が間に入り、自治会側と協議の場も設けたが、話は進まなかった。区長からは、「私より若いんだから、出来ない訳無い。」と迄言われた。
解決が見込めず、8世帯が脱退を申し出ると、自治会長名の通知が行き成り届いた。「脱退する意志が固いので在れば、防犯灯と塵ステーションを撤去してはどうかという意見で話が纏まりました。」。予告通り、近くの電柱から街灯5基が外され、分別収集する「塵ステーション」も、市に廃止が届けられた。
自治会長の男性(70歳)は、「(街灯の)取り外しは、役員会で決めた。」と、自ら撤去した事を認めた。塵も「塵出しの不便さを感じる事が、自治会入会の促進と脱退の抑止力になる。」と正当性を主張する。
市内の自治会には、市から補助金が出る。しかし、出費が多い中で、会員が減れば資金が不足する。「コミュニケーションを高める事は大事。将来、自治会がどうなって行くのかという問題。」とも言う。
東京等、自治会の加入率が低い自治体では、防犯灯の設置工事や電気料金を自治体が賄う事も在るが、宇都宮市では設置主体は自治会。塵ステーションを設置する際は、市の要領で自治会長の承諾が必要になっている。
全市民に加入を促す市は、地域活性化や防犯機能の向上に、自治会が役割を果たしているとする。唯、「任意団体なので、抜けるか抜けないかは、民と民の問題。」と静観するだけだ。
今の所、問題は平行線の儘。防犯上の不安も在り、8世帯は自費で新たな街灯を取り付けた。塵は特例で、同じ場所で回収を続けて貰っている。
全国的にも、役員が出来ないという理由で、自治会を脱退する動きは出ている。高齢者等に、免除規定を設けている自治会も在る。世帯数が減り、高齢化、単身化は進み、将来的に役職が出来ない人は増える。しかし、そういう人こそ、地域の見守りの対象者。排除するのでは無く、此れからは外に出る事が難しい住民を念頭にした自治会に変えて行くべきだ。
<街作りの研究が専門の陣内雄次・宇都宮大教授> 自治体は、自治会に行事の主催等、相当な数の御願いをしており、自治会長は仕事を熟すのに大変。市は自治会を使っておき乍ら、「任意団体なので。」と相談に乗らないのは狡い。自治会の問題には地域性が在り、1つの所で上手く行ったかからといって、別の自治会で出来るとは限らない。地域の困り事を聞いて行く、専門的な組織も必要。
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今回のニュースに関する私見を記す前に、2人の知人から聞いた話を書きたい。
1人目は、喜寿を超えた女性。昔から多趣味で、スポーツも含めた幾つかのサークルに加入していたのだが、古希を超えても役員を押し付けられる事が多かった。周りは殆ど遥かに年下で、彼女達は役員を務めるのに問題が在りそうでは無かったのだが、「○○さんはヴェテランだから、こういう事に慣れておられる筈。」と言われたのだとか。
「面倒な事は、誰かに押し付ける。」というスタンスが彼女達には在り在りで、「何で私が、此の年にもなって務めなければいけないのか。」と不満にも思ったけれど、「若い彼女達の機嫌を損ねたら、私みたいな高齢者は、サークルから追い出されてしまうだろう。」という思いも在り、仕方無しに延々と役員を引き受け続けて来たそうだ。
そしてもう1人だが、彼女が住む地域では、自治会に加入しない新参者が数人居るそうだ。何れも若い世帯で、高級外車を乗り回す等、生活が困窮している訳でも無いのに、何度も“自治会の意義”を説明しに行っても、「自治会に加入する意義が理解出来ない。自治会に依存する気も、助けて貰おうという気も全く無い。だから、自治会には加入しないし、自治会費も一切払わない。」と徹底拒否。
「拒否する事で払わずに済む金は、一切払わない。」という、“理不尽な給食費支払拒否”(生活が困窮しているとかいう理由ならば、其れは理解出来るのだが。)と似た構図。其の癖、塵ステーションは当たり前の様に使用し、自治会費で運営されているイヴェントには平然と参加し、用意された商品を持って帰るのだとか。「自治会費を払わず、好いとこ取りをするのはおかしい。」と指摘すると、「私達は此処の住民なのだから、使ったり参加したりするのは当然の権利だ!」と開き直るのだとか。「義務は一切負わず、権利許りを主張する輩の典型。」と言って良い。
知人2人の話を記したのは、「高齢者だからと言って、全部が全部役員等を拒否している訳では無い。」という事(「高齢は皆、どうしようもない。」的な、高齢者バッシングはどうかと思っているので。)と、「『拒否する事で払わずに済む金は、一切払わない。』という考え“だけ”から自治会に加入しないという、『義務は一切負わず、権利許りを主張する輩に関しては、自分も憤りを感じている。」事を理解して欲しかったからだ。
其れを踏まえた上で、今回のニュースに関しては、「8世帯の住民に対する自治会の遣り方は、可成り大人気無い。」というのが私見。元記事を読む限り、此の8世帯は「『役員を務めるのが面倒だから、自治会を退会する。』というのでは無く、『役員を務めるのが非常に難しい環境に在るので、自治会を退会せざるを得ない。』という事だと思われる。」からだ。「積極的に役員を務めたい。」という気持ちでは無いにせよ、「務めたくても務められない。」という気持ちに近いだろう。
又、「自治会費を払いません。」と主張しているなら未だしも、彼等は「自治会を退会しても、自治会費は支払う。」、「(務められない状況が改善されたら)将来、又、区長を引き受ける。」とも言っている訳で、そういった妥協案迄拒否されてしまうのは、余りに気の毒ではないだろうか?
或る区長は、「私より若いんだから、出来ない訳無い。」と言い放ったとか。其の人が置かれた環境は、人其れ其れ異なる。「年齢が若いから」という理由“だけ”で、「出来ない訳が無い。」と決め付けてしまうのは、どんなものか。
「『高齢者だから』という理由だけで、皆が自治会を退会しても良い。」と言っている訳では無い。「『退会して仕方無い。』と多くが思う状態ならば自治会を退会しても仕方無いし、(生活困窮者等は別にして)自治会費を払っているならば、仮令自治会に加入していなくても、塵ステーションを使用する等のサーヴィスは受けさせるべき。」と言いたいのだ。“単なる我が儘”と“拠所無い理由”とをごっちゃにしてはいけないと思う。
一般家庭での設置が義務付けられた際、自治会から火災報知器の購入案内が回って来ました。家電量販店等で購入するよりは割高で、「恐らく役員に、幾許かのキックバックが入るんだろうなあ。」とは思いつつ、「其れで在っても大した金額では無いし、高齢者が増えている此の地域では、態々家電量販店等に出向いて購入するのも大変という事での思い遣りも在るのだろうな。」と思ったりも。
此の程度の事なら「仕方無い。」と割り切れますが、Unknown様が書かれた様な事だと話は別。何事に於いても常に、自治会委員は問題意識を持って当たらないと駄目ですね。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。
此の記事を書いたのはもう4年前の事ですが、宇都宮市での自治会トラブルは未だ収束していないのですね。
宇都宮市がどうこうという訳では無く、一般的な話としてですが、自治会運営に関しては第三者では窺い知れない苦労も在ると思います。でも、少なからずの自治会費を支払っている人達が全くメリットを享受出来ていないとしたら、自治会費が適切に使われているか否かを含め、制度を検証する必要は在るでしょうね。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。
会合に招待されるわけでもなく、アパートの住人がスポーツや、盆踊りに参加するわけでもなく、ほとんど会合の食事代や、手当に消えていきます。一部のアパートはJRの駅に近いので、外国人が入居していますが、ゴミの問題でトラブルが有ったので、ごみステーションを作りました。最初は会費は取らない話だったのですが、そんな話知らないと言って請求されました。
さらに、威圧的な脅しもされました。自治会いらない。もう少し宇都宮市はしっかりしてください。非常に不愉快に思っている住人がいることを考えて。今はアパートはすべてゴミステーションを敷地内に作っています。他人も時々利用しています。
時代の移り変わりと共に、環境も当然変わって行く。変わって行く環境の中で、絶対に変えてはいけない物も在れば、変えて良い物も在る。其の折り合いをどう付けて行くかが大事。「全て変えろ!」というのも、又、「一切変えてはいけない!」というのも、どうかと思うんですよね。
昔から好きで自治会の仕切りをしている人達にとっては、「従来の決まりで全て上手く行っていたのだから、一切変える必要は無し。」
という考えなのかもしれないけれど、核家族化や少子高齢化等、今の日本は過去に無い程環境が変わっているので、変えるべき点は変えて行かないといけないと思います。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。
ただでさえ年間行事が多過ぎて、年配の方でも仕事をしている若い方でも、区長をやるのは相当な負担になっています。
ただし一回区長をやれば今の家の軒数でなら次の自分の番はほぼ回って来ません。
これが悪循環を生んでいる最もたる原因でもありますが。
会議では行事を減らそう(今回はやらなくてもよいのでは等も)という意見も出たことがありますが、現会長側(昔から好きで役員をやっている方々です、つまりは防犯灯やゴミステーションの撤去を強行した人達)の猛反発をくらい未だ叶わず仕舞いです、なので行事も負担もまったく減っておりません。
またニュースに取り上げられたことも封印されています。なので自治会内でこんなことがあったというの事自体知らない人も実は多いです。
当事者で無ければ見えない事情というのも在るし、記事から推測するしか無い訳ですが、どうしても自治会活動を行えない世帯が在って、其処が自治会と話し合いをして行く過程で、同様に活動出来ない事情を持つ世帯が、「内も同じ。」と名乗り出て、結果として「じゃあ、8世帯一緒に抜けましょう。」という話になったのかもしれませんね。
「自治会の活動に加わるのは非常に困難。でも、『抜ける。』と申し入れたら、『狡い。』だ『我が儘だ。』とバッシングされ、挙句に村八分遭ってしまう。だから言い出せない。」という世帯が、他に在る可能性も。こういうのは良くも悪くも“日本人的気質”と言いましょうか、“我慢してしまう気質”なのかもしれませんが。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。
本人達にしかわからないことなのだろうなぁと、考えてしまいますね。
年間60という行事も全部に参加するようなら、他の人からも苦情が来てもおかしくありません。行事の種類、例えば子ども達のとか、若い人だけとか、高齢者だけとかあっての60ではと推測されます。
国に頼る事が難しくなかった昨今、自治会の活動に参加し、互助的な面に頼るのは必要と思うけれど、其れにしても仰る様に「年間の行事数60」というのは多過ぎますね。此れが事実だとすると、月の行事数は平均5つとなり、毎週1つ以上になりますから。もっと絞りに絞って、必要不可欠な物だけにしていかないと、結局は参加する人が減ってしまうと思うし。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。
ネット世界に留まらず、一般社会でも、“一言言わずに居られない人”って居ますね。態々口にする必要が無い事でも、逐一口にする。其れも、人が不快に感じる様な類いの事だから、本当に質が悪い。
そういう輩に限って、ぷりな様も書かれている様に、何もしない。批判をするだけで、全てが終わったかの様に思っているのでしょうね。
この8世帯はやむを得ない理由であり、妥協案も示しているのだから、自治会側の対応は不当。高齢化・単身化が進んでいること、不景気で世帯収入も減っていること、仕事や介護に忙殺される家庭が増えていることを考えると、免除規定を設けたり、自治会の業務を削減して役員の負担を軽減したりすることも必要なのではないかと思います。
うちの父が今夏から1年間町内の行司長を務めることになり、先月早速町内のイベントのために奔走しました。偉そうなことを言うわりにいい加減な人、「こうしてほしい」と言っておきながら、いざ父が町内会でその意見を代弁して多数決を取る段になるとだんまりを決め込む人、快く協力してくれる人など、それまでも薄々感じていた各人の傾向が、行司長を務めたことでよりはっきりとわかるようになったと言っていました。
イベントはつつがなく終了したのですが、それまで暗黙の了解で行われていた悪しき慣習を止めさせたために、不服な人もいたようです。また、「誰々がこう言っている」と言って焚き付けようとする人もいまして、その人は自分自身も文句があるのでしょうが、それよりも焚き付けること自体が好きな人のようです。