映画「猿の惑星/キングダム」を観て来た。
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今から300年後、絶対的支配を目論む猿達は、巨大な帝国“キングダム“を築こうとしていた。一方、退化した人類は、丸で野生動物の様な存在になっており、そんな世界で生きる若い猿ノア(オーウェン・ティーグ氏)は、或る人間の女性メイ(フレイヤ・アーランさん)と出会う。人間の中で「誰よりも賢い。」とされる彼女は、猿達から狙われていた。彼女と行動を共にする内に、ノアは誕生しつつ在るキングダムに、違和感を抱き始める。
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7年前の記事「SF映画ベスト10」で書いた様に、自分が最も好きなSF映画は「猿の惑星」(1968年)だ。猿の惑星はシリーズ物で、「猿の惑星」以降に「続・猿の惑星」(1970年)、「新・猿の惑星」(1971年)、「猿の惑星・征服」(1972年)、「最後の猿の惑星」(1973年)、「PLANET OF THE APES 猿の惑星」(2001年)、「猿の惑星:創世記」(2011年)[総合評価:星3.5個]、「猿の惑星:新世紀」(2014年)[総合評価:星4つ]、そして「猿の惑星:聖戦記」(2017年)が“映画として”公開されて来た。「猿の惑星:聖戦記」だけは見ていないが、他の作品は全部見ている。
「猿の惑星」から「最後の猿の惑星」迄を“猿の惑星シリーズ20世紀版”と呼ぶならば、「PLANET OF THE APES 猿の惑星」以降は“猿の惑星シリーズ21世紀版”となる。“猿の惑星シリーズ20世紀版”に限定すると、第1弾の「猿の惑星」は実に衝撃的な内容で、名作と呼べる作品だったが、第2弾以降は駄作とは言わない迄も、今一感は否めなかった。
“猿の惑星シリーズ20世紀版”は、猿の特殊メイクが斬新だった。技術的には“猿の惑星シリーズ21世紀版”の方が遥かに優れているのだけれど、“作品を始めて見た時の衝撃度”で言えば、“猿の惑星シリーズ20世紀版”の方が遥かに勝っていたと思う。技術的な面のみならず、「猿が人間狩りをしたり、猿同士が戦う設定は、『人間が面白半分に動物狩りを行ったり、人間同士が戦争している現実。』をアイロニカルに描いた物だし、最後の最後に画面に映し出された光景に戦慄させられた。」りと、内容面でも素晴らしかったので。
で、今回の「猿の惑星/キングダム」も、映像的には素晴らしかった。猿による人間狩りや猿同士の戦いも描かれていたし、考えさせられる内容では在った。
でも、全体的に冗長さが感じられ、物足りなさが在ったのは事実だ。続きが気になる最後の場面には、期待感が湧かなかった訳では無いが・・・。
人間と猿は、互いに判り合えるのだろうか?ノアとメイの関係性を見ていると、判り合えそうで、根っこの部分では完全に判り合えていない感じがする。同じ人間同士ですら判り合えずに、戦争が世の中から無くならない現実を考えると、人間と猿も完全に判り合える事は無いのかも知れない。
総合評価は、星3つとする。