ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「リミックス 神奈川県警少年捜査課」

2024年12月01日 | 書籍関連

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神奈川県警少年捜査課の高尾勇(たかお いさむ)と丸木正太(まるき しょうた)のに、旧知高校生・賀茂晶(かも あきら)が失踪したという報せが届く。賀茂は古代霊能者役小角呪術力を操る不思議な少年だった。賀茂は失踪前、半グレに追われていたと言う。高尾達が失踪の経緯を調べると、外国にルーツを持つ若者達と半グレ集団の間で、抗争が起きつつ在る事が判明する。事態軈てカルト的人気をる女性ヴォーカル・ミサキを巻き込んだ誘拐事件へと発展し・・・。
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今野敏氏は、「安積班シリーズ」や「『隠蔽捜査』シリーズ」等の警察小説十八番としているが、SF物やヴァイオレンス物、アクション物、伝奇物、オカルト物等も手掛ける、実に守備範囲の広い小説家だ。

今回読んだ小説「リミックス 神奈川県警少年捜査課」は、警察小説を"軸"にし乍ら霊能力といったオカルト系要素にヴァイオレンス風味を少し混ぜた風変り作風の「神奈川県警少年捜査課シリーズの第3弾に当たる

実際に事件の捜査に当たるのは神奈川県警少年捜査課の刑事・高尾と丸木だが、扱う事件がオカルト系の物の場合(と言って、作品は全てオカルト系の事件を扱っているのだが。)は、古代の霊能者・役小角が"時に"憑依する少年・加茂の力を借りる事に成る。普段は気弱で大人しい性格の加茂だが、役小角が憑依すると一変威厳に満ちた態度で、古代の不可思議な言葉を口にし、相手の姓名が判る場合には、其の姓名を口にする事で、相手を自由に操れるのだ。又、「元暴走族のリーダーの彼女だった。」という過去を持つ女性教師(加茂の担任)や警察も恐れる程の"悪"だった男子高校生(加茂の同級生で、彼のボディーガード役を任じている。)、若者に絶大な人気を誇るカリスマ・ヴォーカルだが霊能者でも在る女性等、個性的キャラクターが顔を揃えている。

オカルト系の話は決して嫌いでは無いのだけれど、「純粋にミステリーを楽しみたい。」という自分にとっては、「神奈川県警少年捜査課シリーズ」は微妙な作風で在る。"推理筋立て"としては破綻が無いのだが、オカルト系要素が加わっている事で、全体的に非現実的な感じがしてしまうので。

又、個性的なキャラクターが顔を揃えているのに、其の特徴が今一活かし切れていないというか、纏まりが無い感じが在る。今野氏の作品で、似た作風の「『ST 警視庁科学特捜班』シリーズ」の方は、上手く生かし切れているのに。

今回の作品、事件の動機自体が「うーん・・・。」という感じが在る。考えられない様な動機で事件が発生してしまう御時世なので、そういう動機での事件も在り得るのだろうけれど・・・。

総合評価は、星2.5個とする。


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