「そんな時代になって来ているのか。」と驚かされる記事が、10月9日付けのlivedoor NEWSで取り上げられていた。2人の子供の母で在り、小学校講師でも在るさよえさん(@Girrafe24)がSNSに投稿した“御釣り”に関する話が紹介されているのだ。
小学校2年生の算数の授業で、教科書に記載されていた「48円のガムと32円の飴を買います。100円出すと、御釣りは幾ら?」という練習問題を、生徒達に解かせていた時の話。自分が同じ年代の頃も、良く出されていたタイプの問題だ。すると、或る生徒から「御釣りって何ですか?」と質問されたと言う。
「善く善く聞いたら、御釣りの概念が無い。PayPayで払う、ピッする・・・教科書も変わらなければならない時代!?否否、御釣りを知らないのは不味い?!驚く私。」とさよえさん。「キャッシュレス社会に向かいつつ在る中、現金を支払って御釣りを貰う。」という経験の無い子供が現れたという事か。
此の投稿に対してSNSでは、子供の現金離れに共感する保護者からのリプライが多く寄せられた。「敢えて小銭で買い物させてます!」、「御年玉の袋開けて、『紙が入ってた!』と言われゾっとした。」、「確かに“御金”触らせた事無いかも・・・。」といった声等だ。
「御年玉袋の中の紙幣を見て、『紙が入ってた!』と言った。」というのは、俄には信じられない話だ。幾らキャッシュレス社会に向かいつつ在るとはいえ、一度も紙幣を見た事が無いのだろうか?
以前にも書いたけれど、自分が子供の頃は普通に存在していた“レコード”や“カセット・テープ”、“TVのチャンネル”なんていう物も、今の子供達は知らなかったりする。だから、彼等に「レコードを掛ける。」、「カセット・テープを巻き戻す。」、「TVのチャンネルを回す。」という話をしても、どういう意味なのか判らなくてもおかしくない。在宅ワークが一般化したら、「通勤って何?」という質問が出て来るのだろうか。
まずは貴ブログの記事通算6,000件達成おめでとうございます。
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さて、今回記事の“紙幣を知らない子供”あるいは“お釣りを知らない子供”、私らの世代ではこれまで想像もしておりませんでしたが、考えてみれば確かにそんな時代が近づいているのを実感する事が多くなりました。
まず一つは、私自身ですら、紙幣を出して物を購入する事が少なくなっています。ほとんどの買い物はクレジットカードで買っていますし、スーパーで少額の食料品を買う時でも、ICOCAなどの交通系ICカードが使えますので。
特に最近は、例のコロナ騒動で、「お釣りの小銭にウイルスが付着しているかも知れないので、現金は使わない」という人が増えているという事もありそうです。今や自動販売機でもICカードが使えますので、よっぽどのことがない限り、現金所持は不要、という事が当たり前になって来ているように思います。
子供に関しては、これまでは“大人にならないとカードは持てない”という概念がありましたが、最近ではJRが「こども用ICOCAカード」を発行する事になったそうで、これは両親でも買い求める事が出来るそうです。
特に最近の親は潔癖な人が増えて、「子供が小銭を触るのは不潔」と考えてるようですから、これからは子供のお小遣いをお金でなく、ICカードを与え、例えば毎月千~2千円だけチャージして渡す、という事も一般的になるかも知れません。そうなれば、「紙幣もお釣りも知らない」という子供がどんどん増える事になるでしょうね。これからは算数の授業でも、「1,000円チャージされたICカードで48円のガムと32円の飴を買うと、カードの残高は幾ら?」といった練習問題を出す事になるかも知れませんね(笑)。
「海外では在宅ワークが広がっている様だけれど、封建的な我が国では、一般化する事なんか無いだろうな。」、昨年の段階で自分はそう思っていたし、同様の思いを持つ人は少なく無かったと思います。其れが、未曽有の感染症拡大により、我が国でも在宅ワークが進んでしまうのですから、世の中判らない物ですね。こういうシステムが一番導入されなさそうな銀行業でも、導入が決まったのですから。
キャッシュレスも同様で、自分の様な“現金派”はどんどん少数派になって行くのかも知れません。悪足搔きをしていた“ガラケー”も、遂にスマホに切り替えざるを得なかった様に。
世の中の流行り廃りのスピードが、自分が子供だった頃に比べると、概して速くなっている様に感じます。「流れに乗って行ける人は良いのだけれど、そうでは無い“難民”を如何に救い上げて行くか。」を、政府は今迄以上に真剣に考えて欲しいです。