ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

野球中継の流れる日常

2007年08月21日 | 其の他
個人的には笑いのポイントを全く見出せないのだが、最近やたらとTV番組に出まくっている御笑いタレントの小島よしお大先生。「その彼が”伝説の企画”『熱湯コマーシャル』(動画)に登場したものの、半端では無い”絡み辛さ”&”空気の読めなさ加減”を曝け出して”暴走”しまくった挙句熱湯風呂が実は熱くなかった事がモロ判りのリアクションを取ってしまい、スタジオ内の空気をドン引きさせ、ダチョウ倶楽部のアニさん達をマジでムッとさせてしまった。」(動画*1)等、今年”も”「24時間テレビ 『愛は地球を救う』」は色々ハプニングが在った様だ。まあ別にそんな事はどうでも良いのだが、この番組が終わると「夏ももう直ぐ終わりだなあ。」と感じる。これで高校野球の優勝校が決まり、海岸での海水浴客の数が疎らになると本格的に夏の終わりという気がして、やや感傷的になってしまうのは毎年の事。別に夏という季節が特に好きという訳では無いが、季節の変わり目は理屈抜きに寂しさを感じさせてしまうものなのかもしれない。

閑話休題。はしれんたろう様のブログ「はし れんたろうの雑記帳」では、今年が「ウルトラセブン」放送開始から40周年という事も在り、セブン全49話(第12話の「遊星より愛をこめて」が諸事情で欠番&再放送不可となっている為、実質的には残りの48話が対象という事になろうが。)から御自身が選ばれたベスト10を発表中。昨日の段階では「僕の好きなウルトラセブン(1)」、「僕の好きなウルトラセブン(2)」、そして「僕の好きなウルトラセブン(3)」と3本の記事がアップされており、3位から10位迄が発表済み。ウルトラ・シリーズの中でも扱っているテーマの重さや実験的な演出が多かった事から、「ウルトラセブン」は大人の鑑賞にも堪え得る別格的な存在として捉えられている。どの作品も印象的なので、はしれんたろう様もさぞかしベスト10を絞り込むのに苦慮された事だろう。

「僕の好きなウルトラセブン(3)」では3位の「円盤が来た」(第45話)と4位の「狙われた街」(第8話)が紹介されているが、両作品を監督されたのはその独創的な演出で熱狂的なファンを持つ実相寺昭雄氏。この2作品も実に印象的で、今でも一つ一つのシーンを頭に思い浮かべる事が出来る程。そして実際に幾つかの場面を思い浮かべていた所、面白い共通点に気付いたのだった。

「円盤が来た」では当時”天才子役”と呼ばれていた高野浩幸氏が”謎の少年”を演じており、町工場で働く青年・フクシン君がその少年の家を訪問するシーンが登場する。彼の家に入ると同時に聞こえて来るのが、ラジオの野球中継の音。又、「狙われた街」ではモロボシ・ダン隊員(森次晃嗣氏)と友里アンヌ隊員(ひし美ゆり子さん)が怪しい男の後を追跡し、その男が入っていった古びたアパートにダン一人が潜入するシーンが登場する。外でダンを待つアンヌの不安げな表情が映し出され、そして近くの家からだろうか風に乗って聞こえて来るのはやはりラジオの野球中継の音声だった。

思えば或る時代迄のドラマや映画では、日常風景の一つとして野球中継が流されている演出がしばしば見られたもの。卓袱台に置かれた晩酌用の酒をちびりちびりと飲み乍らラジオやTVの野球中継を見聞し、「、ホームラン打ってくれよ!!」と叫ぶオヤジが居たし、卓袱台がテーブルに変わってもその光景は余り変わらなかった。プロ野球人気、否、ハッキリ言えばジャイアンツの人気に陰りが見え始めた頃からだろうか、日常風景の中で野球中継が流されているという演出が消え始め、最近では絶滅状態に在ると言っても良いだろう。(昨夏に公開された映画「日本沈没」の中では、居酒屋のシーンでTVの野球中継がチラッと映り込んでいたが、これもこの映画の製作にTBSが噛んでいた為、無理無理に子会社のベイスターズの試合中継を入れ込んだという事情が在ったと思う。)

今後は日常風景の一つとして、嘗ての野球中継に代わってサッカー中継が流される演出が出て来る(増えて来る)のだろうか?酒をちびりちびりと飲み乍ら、くだを巻きつつ視聴するのは、サッカー中継よりも野球中継が非常に似つかわしいと思うのだが・・・。

*1 タイミングによっては、当該動画が消去されているケースも在り得る。その際にはYou Tubeで「小島よしお」と検索すれば、別の方がアップされた動画を発見出来るかも。

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11 コメント

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なくなっていいんですよ。熱湯リアクション芸なんて (tak_123)
2007-08-21 01:56:08
ダチョウ倶楽部のリアクション芸って嫌いだったからこういうアナーキーなタレントとの絡みはおもしろかったです。熱湯ナンチャラが熱湯だといいつつ熱湯でないならいわゆる「ヤラセ」だし、これを演出といってしまうのは番組制作側のご都合主義というもの。
リアクション芸なんて軽薄なテレビ向け芸の最たるもの。それでメシ喰っているタレント含めてなくなってもいいんじゃないの?
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野球中継 (ハムぞー)
2007-08-21 07:21:43
茶の間の描写
(そもそも「茶の間」という語も絶滅危惧種では)に
「野球中継を見るオヤジ」は欠かせなかったと思いますが、
今や関西では、地上波での巨人戦は殆どなく、
CSで見るほかはないようです。
(その分スンちゃん入団で、ソウルで中継がされているようです。しかし今年は調子がよくないのでやってるかどうか・・)

テレビ中継が減ることにより、「家で巨人戦を見るオヤジ」が典型的な日本の風景だった頃は過ぎたようです。
球場へ足を運ぶファンの数は全体に増えているのですから、それを踏まえて各球団とりわけ視聴者の一番減った巨人の今後の戦略が求められていますが、どうも幹部は心底判っていないように思われます・・・


もっとも中継を見ていた典型である中年男性が
昔と違い忙しいというのが根本と思うのですが・・
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明日は子供とナイター観戦です (マヌケ)
2007-08-21 12:43:13
残業中に上司から注意を受けているサラリーマンがクロマティーの特大ホームランで、思わずガッツポーズをとり、「よっしゃあ!」と口にしたところ、定規で頭をぶったたかれました。 私と同期入社の新人サラリーマン時代の話です。 仕事上のミスで、注意を受けている最中にもナイター中継に気を取られてはチラチラと画面に目をやっていたのでその様子を見ていた私もはらはらしていました。 出張先の広島では市内をタクシーで移動中、ナイター中継の音量があまりにも大きく、少しボリュームを絞ってくれませんかと、運転手さんにお願いしたところ、本当にほんのちょっとしか音量を下げてくれず、再度お願いしたところ、車が止まりました。 お得意先に阪神タイガース私設応援団の支部長という方がおられまして、今から甲子園だからと商談途中でその方は大きな荷物を抱えて姿を消しました。 プロ野球に熱い思いを傾けるオヤジたちがあの頃はたくさんいましたね。 それに仕事中でも野球中継を見たりできるおおらかな空気がまだありました。 相撲好きの上司がいる部署では夕方は必ず見ていましたし、そういえば高校野球で賭けたりとかしていました。 すみません、うちの会社が少し常識をはずれているだけだったのかもしれません。 
うちは大きなマンション群ですのでサッカーの大きな大会でゴールが決まったりするとあちこちから同時に大歓声が重なったりして思わず、バルコニーに出ると同じような人と目が合ってガッツポーズをとったりすることもあります。 野球でもこの間のワールドカップでは同じようなことがありました。 ただ、普段の野球中継ではそういうのがなくなってしまいましたね。 そういえば冒頭の彼は少年時代から熱烈な巨人ファンの野球少年で、息子さんを少年野球チームに入れたのですが、あまりに熱心に指導しすぎたせいか、息子さんは野球が嫌になってしまい、今は卓球部に所属しているということで、少しさびしげでした。     
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>マヌケ様 (giants-55)
2007-08-21 13:59:22
書き込み有難う御座いました。

マヌケ様の書き込みを拝読していて、「そうだったなあ。」という思いが。昔、と言ってもほんの十数年前の事ですが、当時勤めていた会社でも流石に生中継をラジオで聞いてはいなかった様ですが、電話サービスで試合状況を確認しては同僚にコッソリ教えてくれる人が居ましたね。プロ野球だけでは無く、高校野球の試合でもです(笑)。又、残業時間にラジオ中継を聞きながら仕事をしている人も居たし、良くも悪くも大らかな時代がそれ程昔では無い頃に在ったんですよね。リストラという名目でバッサバッサと首を切った結果、一人の人間が背負わされる業務量が格段に重くなり、そういった余裕すらも無い乾いた環境になったのでしょう。

自分等が子供の頃は男の子ならば殆どが野球をやっていたものですが、従兄弟の子供達がサッカーやバスケットボールに興じていて誰も野球をやっていない様に、子供の世界でも野球をやる人間が少なくなっているみたいですね。寂しい事です。

明日のナイター観戦、心行く迄楽しんで来て下さい。
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地方によっては (Spa supernova)
2007-08-21 16:09:50
「中日ー巨人」とか「阪神ー巨人」であれば高視聴率が見込めますので放送があります。

>子供達

自分の住んでいる地域ではわりと野球をやっている男の子(近年は女の子もいますね)はそれなりにいます。工場づとめのお父さんはホワイトカラーよりも子供に触れ合う機会が多いのかもしれません。ホワイトカラーが圧倒的で母子密着(別の意味では孤立)型の家庭が多い地域だと母親の好みが反映してサッカーやバスケットとなるのかもしれません。あと、単に小さいボールを扱う野球は球技の中でも難しい部類なのは確かだと思います。
あと聞いた話では子供の運動能力低下やスポーツ離れが地域の子供スポーツ団のようなものに影響を及ぼしていて、特に敬遠され団員が集まらないのは柔道や剣道だそうです。指導者の方々の苦労はたえないようで、野球やサッカー、ミニバスケット等から分けてもらいたいと常に内心思っているそうです。
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>Spa supernova様 (giants-55)
2007-08-21 17:36:56
書き込み有難う御座いました。

「昔、地方を旅した際、宿泊先の旅館で野球中継を見ていた所、『この中継は一部地域を除いて、放送を続けさせて貰います。』というアナウンスが在り、『一部地域の人が可哀想だなあ。』と笑っていたが、いきなり中継が打ち切られ、実はその場所も”一部地域”だった事が判り愕然とした。」という話を知人から聞いた事が在りますが、そういった一部地域の人達の気持ちが判る様な昨今の中継し無さぶり(苦笑)。

高校野球が相変わらず人気を維持している状況ですから、野球をする子供達の人数が減ったとはいえ、他のスポーツからすると未だ絶対数は多いのでしょうし、恵まれた環境には在るのでしょうね。唯、野球は買い揃える用具類の値段が結構しますし、スペースや人数の確保の問題も在りますので、地域や状況によっては誰もが容易に出来るというスポーツでは無いのかも。

剣道が敬遠されるというのは、何となく判る気がします。自分も子供の頃に剣道をしていましたが、籠手や面に染み込んだ汗の強烈な匂いや、鼻が痒くなっても面をしていると掻けない苛々感等、あれで嫌になってしまう子供達も多いのではないでしょうか(笑)。
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リアクション芸人の芸がわからない人が21世紀にもいる驚き (破壊王子)
2007-08-21 22:57:50
プロレス観て「八百長だろ」といってたくせにいざ「総合格闘技」が勃興してきたら「残酷だ」っていってた馬鹿な友人がいたのを思い出した。もう20年あってないや。
アタシはこういう一見正論だが、実はただの好みを言うを奴嫌う。リアクション芸の究極は「お笑いウルトラクイズ」だがあれほど「One for all and all for one」な世界はないからだ。わからない奴がいるなら、かわいそうだと思うけれど強要はしない。「良識好き」なんぞに楽しみを渡したくないしねー。そういえば小島某って某有名私大出だそうだし。

まあ、アタシは良識ある健全な市民なんかには死んでもなりたくないし、友人にもなりたくないからねー。
24時間テレビで問題にするなら「感動の押し付け」で苛めを助長するような演出があったが、それには気がつかない良識派ってなんなんでしょ(笑)むりやり飛び降りを強要する方が罪深いのにね。
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拙ブログをご紹介していただき (れんたろう)
2007-08-22 00:22:21
誠にありがとうございました。

「ウルトラセブン」は「遠い遠い未来の物語」のはずなのに、そこに描かれているのは昭和40年代の世界でした。

フルハシ隊員のお母さんが登場する「北へ還れ」(このタイトルも秀逸)の中では、お母さんがホテルで相撲中継を見ているシーンがあり、そこで
「柏戸の勝ち」
とアナウンサーが言っているのが聞き取れます。

僕にとっても、初めてリアルタイムで見たウルトラ・シリーズだった「帰ってきたウルトラマン」は、舞台を近未来ではなく、「現在」と設定したそうです。登場人物の表記もカタカナ(近未来SFのお約束)ではなく、「郷英樹」と漢字の表記になり、怪獣が出現するのも住宅街や学校やマンション等、テレビを見ている子供たちにとっての「リアルな風景」になっていました。

本文に書き忘れましたが、ウルトラ・シリーズというのは、昭和40年代という時代の貴重な映像記録になっていると思います。もし、僕に子供がいたら、一緒にビデオを見せていたでしょうね。自分の子供の頃、世の中はこんな風だったよと教えるために。
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そういえば (青空百景)
2007-08-22 11:36:20
「北の国から」で、主人公の純が恋人の実家を訪ねるものの、野球中継に見入っている相手に殆ど何も言えずじまいの物凄く気まずい訪問、というシーンがあったのを思い出しました。
で、この中継がどういう訳か、当時はまだ珍しかったパ・リーグの試合で、しかもファイターズだったのです(笑)。
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ナイターな夏の風物でしたが (マヌケ)
2007-08-23 18:20:42
ドラマや映画の効果音というのがありますね。 窓を開くと、どこからともなく流れてくるピアノ、ヘリコプター、サイレン、犬の遠吠え、鳥、雑踏、風や雨音、野球中継・・・時間や季節、場所や環境を説明したり、台詞のないシーンで人物の感情や心理状態を説明したり、暑さ寒さを強調したり、怖さやイライラを煽ったり、爽やかさを誘ったり、・・・野球中継の音声が聴こえて来ると季節感を感じますし、何よりビールが欲しくなります。 
余談ですが、独身時代から通う山本園というコテコテの焼肉屋がありまして、ここのいい年した大将がいつも野球中継に夢中で、ややこしい注文や追加注文すると、チェッと舌打ちされたりします。 でもって、お茶をお願いすると夏は冷えたペットボトルごと、冬はストーブの上に置いたままのグランドに水撒きするようなデカイやかんごとテーブルに持ってくるのです。 ナイター観戦を邪魔されるのがいやなのでセルフサービスなのです。 そこから数十メートル離れたユキ食堂の大将は客によって巨人ファンになったり中日ファンになったりと、その場でいいように会話の調子を合わせるものですから、山本園の大将からはコウモリと呼ばれています。 カウンターで巨人ファンと阪神ファンが鉢合わせすると、しゃべってることが矛盾してきておもしろいですが、ハラハラします。 どちらもHPで紹介されているようなお店ではありませんで、壁に作りつけた棚の上にアナログのテレビが置いてあります。 画面にサランラップを貼り付けて、店よりもテレビ画面の汚れには気を使っているようです。 時代のちょっと前まではナイター、ビール、焼肉やレバニラ炒め定食という感じでしたね。  
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