異論&反論が在るのは承知の上で書くが、「犬や猫をペットで飼う場合には、飼う前に其の家族全員が、自身の属する都道府県に在る殺処分施設を必ず見学する事。」を法律で義務付けて欲しいと思っている。見学をしなければ、犬や猫を飼えない様にすべきではないかと。
此方の情報によると、2007年度に国内で殺処分された犬&猫の数は310,457匹に上るそうだ。1日当たり約850匹の犬&猫が、炭酸ガスによって悶え苦しみ乍ら窒息死させられている現実。
「子供達にせがまれて犬を飼ったけれど、子供達が飽きてしまい、手放す事にした。XX日迄に里親が見付からなければ、殺処分施設に送らざるを得ない。」とさらっと書けてしまう大人や、「『野良犬の子犬を見付けて、此処に持ち込んだら小遣いになる。』と大人達から言われたから、子犬を連れて来た。早く御金を下さい。」と何の躊躇も無く子犬を殺処分施設に持ち込んでしまう子供等、生き物の命を余りに軽んじている人間が増加している様に感じる。だからこそ、殺処分施設で「殺されて行く犬&猫の姿」を確り目にし、「飼う事の覚悟」を心に刻んで欲しいのだ。
「そんな残酷なシーンを目にしたら、トラウマを抱える事になってしまう。」という反対意見も在るだろう。特に子供が目にしたら、そういった危険性が在るのは判っている。でも、(全部が全部とは言わないが)余りに無責任な飼い主により、数多の犬や猫が殺処分されている現実が厳然と在り、ペットとして飼う以上は、其の現実から目を背けてはいけないし、其処迄の覚悟が無ければ、ペットとして飼ってはいけないと思う。
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「漫画家の中沢啓治さん死去 『はだしのゲン』作者」(12月25日、朝日新聞)
自分の被爆体験を元にした漫画「はだしのゲン」で知られ、原爆の恐ろしさを伝え続けた漫画家・中沢啓治(なかざわ・けいじ)さんが19日、肺癌の為、広島市内の病院で死去した。73歳だった。21日に家族葬を執り行った。
広島市出身。6歳の時、爆心地から1.3kmの同市内の国民学校前で被爆。父と姉、弟を失い、直後に生まれた妹も間も無く亡くなった。中学卒業後、漫画家を志して上京。1963年のデビュー当初は原爆体験を秘していたが、1966年の母の死への憤りを切っ掛けに、初めて原爆を題材にした作品「黒い雨にうたれて」を1968年に発表した。
1973年に、週刊少年ジャンプ(集英社)に連載を始めた自伝的作品「はだしのゲン」は、絵本等も含めて1千万部を超すベスト・セラーになり、18ヶ国語に翻訳された。今年度からは、広島市の平和教育の教材に使われている。
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5年前の記事「はだしのゲン」で詳しく書いたけれど、小学生の低学年時、学校の図書館に置かれていたのを手にしたのが、「はだしのゲン」との最初の出会い。「(原爆が放った高熱で)焼け爛れた皮膚が手足から垂れ下がり、(爆風で飛び散った)ガラス片等が全身に突き刺さった儘、ゾンビの如く彷徨う被爆者達の姿。」、「膿んだ傷口から湧いた蛆を、箸で一匹ずつ取り除くシーン。」、「原爆症を発症し、大量の吐血を繰り返した挙句、亡くなって行く被爆者の姿。」等々、リアルな絵に慄然とさせられた。「彼のリアルな絵は、本当に怖かった。」と口にする、同年代の人間は多い。
「はだしのゲン」を語る上で外せないのは、「ギギギ・・・。」という擬音だ。此方にも紹介されているが、耐え難い苦しみの中で、登場人物達が口にする擬音が「ギギギ・・・。」。原爆により倒壊した家屋の下敷きとなり、火に包まれて“燃えて行く”ゲンの家族が口にしていたのが、脳裏に焼き付いている。「戦争って、本当に残酷だ・・・。」と幼心に思ったし、今でも其の気持ちは変わらない。
近年、「気に食わない国とは戦争をし、皆殺しにすれば良い。」といった、戦争をゲーム感覚で語る人が結構見受けられる。中には冗談として言っている人も居るとは思うけれど、「自分自身が、戦地に送られる可能性」や「戦地では数多の人間が殺されたり、手足が吹き飛ばされたりする。」といった“現実”を全く頭で理解していない様な輩が多そうな事に、途轍も無い危うさを感じたりする。
毎夏と言って良い程、アニメ「火垂るの墓」がTVで放送される等、戦争に付いて考えさせられる番組が放送されない訳では無いけれど、「はだしのゲン」からすると、「戦争の現実に、慄然とさせられる。」というのが無い様に思う。上で書いた「殺処分施設見学」同様に、「そんなのを見せたら、子供達にトラウマを与えてしまう。」という反対論も在るのだろうが、「戦争の現実」をきちんと認識させるというのは、非常に大事な事だと思うのだ。
5年前にドラマ化された「はだしのゲン」には可成りの反響が在ったと聞くが、何故か其の再放送は直前になって中止となり、以降自分が知る限りでは再放送されていない。「はだしのゲン」は過去に実写化もされていて、衛星放送では何度か放送されているのを見掛けたが、地上波に関して言えば、少なくとも近年は放送されていないと思う。「怖い現実は、見せない方が良い。」というのが理由だとしたら、何か違う気がするのだが・・・。