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吉見駿(よしみ しゅん)は、空想好きな中学生。祖父から受け継いだ「能力」によって、見たい風景を「見る」事が出来る。小学生の時の親友・久坂真夜(くさか まや)の葬儀の帰り道、駿は河川敷で幽霊となった彼女に再会する。川で溺死した真夜は、死の瞬間の謎の為に河川敷の、半径20mの範囲に捕らわれてしまったと言う。塾からの帰宅途中、河川敷を自転車で走っていた真夜は、川の方から「助けて!」という叫び声を耳にした。少女が溺れている事に気付いた彼女が川に入った其の時、木の枝を踏んだ様な音と共に、意識を失ったと言う。「能力」の為か、自分だけが真夜の姿を見る事が出来ると知った駿は、仲間と共に、彼女の死の真相を探って行く。溺れていた少女を捜して行く中で、町の不良・郷原辰哉(ごうはら たつや)の関わりが見えて来るが・・・。
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逸木裕氏の小説「空想クラブ」を読了。「『普通の人には見えない物を見る事が出来る。』という能力を祖父から受け継いだ吉見駿が、其の能力を使って親友の死の真相を突き止める。」というストーリーなのだが、16日の記事「アルテミス協定」の中でも取り上げた様に、宇宙に関する記述が結構在り、そういう意味でも興味深い。
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「その地球は、太陽系の中にある。地球上の生物が生きていられるのは、太陽が熱や光をくれるから、私は神様は信じてないけど、我々の命を握ってるって意味では、太陽は神様みたいなものかもしれない。その直径は、地球の109倍。」。と言われても、大きさが上手く想像できない。まだまだ行くよという感じで、真夜は続ける。「でも、そんな神の化身だって、天の川銀河全体では塵みたいなちっぽけな存在なの。さっき言ったシリウスは、太陽の1.7倍。プロキオンは2.1倍、ベテルギウスは千倍。」。「千倍?」。「そんな恒星が、天の川銀河の中には2千億個くらいある。」。どんどん膨らんでいく数にクラクラとする。だが真夜はまだ止まらない。「このくらい大きな銀河が、宇宙にはいくつあると思う?」。「さあ・・・1万個くらい?」。「いま言われているのは、2兆個。」。「えっ?兆?」。「しかも、この宇宙の外には、別の宇宙があるって説もある。そこまで行くと、もう観測する方法すらない。宇宙がほかに、百兆個あってもね。それを考えたらアンドロメダ銀河なんてすぐそこでしょ?」。
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宇宙の話は本当に壮大で、浪漫を感じてしまう。宇宙からすれば我々人類なんて、其れこそ塵みたいな存在だ。
「幽霊が見える。」という変わった設定に引き込まれ、どんどん読み進んでしまったが、真夜の死の真相という点では、「そんな事だったの!?」と拍子抜けしてしまった。不良・郷原があっさりと心変わりしてしまった点や、物足りなさを感じてしまう結末等、読み終えてみると「うーん・・・。」という思いに。
総合評価は、星3つとする。
記事内容とは全く関係ないんですが、文中の一節?に、今朝Twitterで見かけた記事が重なり、思わずコメントして今いました(笑)。
https://twitter.com/inmudoornews/status/1317350605057187842
もうとっくにご存じだったかもしれませんが、フェイクニュースでないとしたら、全く何を考えている政権やら・・・。
イムドアニュースというのは、どうやらフェイクニュース専門のアカウントのようですね。
危うく引っかかるところでした(苦笑)。
「神戸港」は「こうべこう」と読み、「こうべみなと」と読む人は恐らく居ないでしょう。大分昔、「NHKのニュース番組でアナウンサーが、『オマーン港』を『オマーンみなと』と無理無理に発声していた。」というネット上の書き込みを目にして、此方で取り上げた事が在ります。「此の場合、『港』を『こう』と発生してしまうと、『放送禁止用語だ!』と批判される事を恐れての苦肉の策だな。」と思い、ニヤッと笑ってしまった訳ですが、後から判ったのは、全くのデマだったという事。
近年、実に巧妙な形でフェイク・ニュー久が垂れ流されており、今回のパターンも加藤官房長官の映像を使う等、本当に巧妙ですね。