愚か者達

ここ数日、「愚か者！」と叫びたくなるニュースに多く出くわした。この所、穏やかな記事が続いていたので、久々に吼えたいと思う。

①　イラクの愚か者
又しても、イラクで日本人が人質となった。今年４月に、３人の日本人が同様に人質となった際、「自己責任」という言葉の下、この３人及びその家族達は猛バッシングに晒された。確かに、何が起こってもおかしくない地に自ら赴いたのであるから、自業自得と言われても仕方ない部分は有った。でも、個人的には、彼等はボランティアだったり、カメラマンという仕事で赴いたという面もあるので、”国民総リンチ”の様な過度な批判には嫌悪感を抱いていた。＊１
しかし、今回の場合は、明確な意思を持って赴いたのではなく、完全に物見遊山感覚で赴いたとしか思えない。ビデオ映像の中で彼は、「済みませんでした。又、日本へ戻りたいです。」と言っているが（「小泉”さん”」という呼び掛けもどうなんだろうか？自分の両親の事を公の場で紹介する際、「お父さん」、「お母さん」と良い歳して呼んでいる人間がまま居るが、あれと同じ幼さを感じてしまった。自分の仕出かした事の重大性や、成人としての常識からすれば、あそこは「小泉首相」とすべきだったと思うのだが・・・。）、イラクに向かうのを止められた際に、「大丈夫ですよ。どうしても行きたいんだ。」と言い放ったからには、それなりの覚悟を決めていたんだろ！と言われても仕方ないだろう。邦人保護は、日本国の責務であるから、人質救出には最善を尽くすべきだと思うが、不測の事態が起こっても、全く同情の余地がない愚か者だ。

②　地震の陰で跋扈する愚か者達
今回の新潟地震の悲惨さには、心が痛い。昨日も、潰された車内から発見された親子の生死が報道されていたが、母親の死を理解出来ずに、看護士に向かって「お母さん！」と呼び掛けた幼子の言葉には涙が止まらなかった。亡くなった方の御冥福と、逸早い復興を祈念するばかりである。
こんな未曾有の大災害の陰で、跋扈している愚か者達が居る。地震の直後から、ＮＨＫ教育テレビ等では「安否情報」を流し続けていたが、この情報を悪用して”震災オレオレ詐欺”を企んだ輩や、安否情報に有名人の名前等を使っておふざけ情報を載せる輩が多発したのだ。ＮＨＫサイドも緊急事態なので、逐一寄せられた情報の真偽を確認する事はなかったろうから、それを不埒な連中が悪用したのだろう。人の生き死にが関わる大災害で、この様な下衆な事を行なって恥ずかしくないのだろうか？愉快犯という言葉で片付けられない行状だと思う。もし、自分の最愛の身内が大災害に巻き込まれた際、同様の状況に直面しても平気で居られるのだろうか。

③　政界の愚か者ファミリー
石原慎太郎東京都都知事の資金管理団体が、昨秋の衆院選挙に出馬した三男宏高氏の資金管理団体に２千万円寄付していた事が明らかとなった。この金額は、宏高氏の資金管理団体収入の約２／３を占めているのだとか。政治資金収支報告書に記載されているという事で、別に犯罪性を云々する訳ではないが、過ぎた親馬鹿さを感じる。
長男の伸晃氏が代表を務める自民党東京都第八選挙区支部には、政治資金規正法違反罪で前会長が起訴された日本歯科医師連盟から１千万円の献金を受けていたし、彼自身の資金管理団体でも、献金やパーティー券購入で計４百万円が寄付されている。「道路公団民営化問題」を巡って、責任者であるにも拘らず、小泉首相ばりの無責任さと無能さを露呈した彼だが、兄弟揃って「ごっつぁん体質」なのだろうか。
親である石原慎太郎氏もその酷さにかけては負けていない。以前からずっと疑問なのが、何故に彼を支持する声が多いのか？という事。彼が国会議員時代に成し遂げた事は何が有るのだろうか？「自分の気に食わない事（中国（人）や思想的な部分）に対して、口汚く罵倒を繰り返していた。」が、”言いっ放し”なだけでその後に何かをしたという話はとんと聞かなかった。プライベートの用件で、自衛隊のヘリを使用して問題になる等、「人に異常に厳しく、己には異常に甘い」という典型的な人だった。
都知事になって以降も、その身勝手さは全く変わっていない。色々声高にぶち上げるが、実際に遂行されたのは「カラス駆除」と「治安強化」位だろう。この２点も蓋を開けてみれば何と言う事はない。カラス駆除は、本人が昔ゴルフをしていた際にカラスに襲われた事への意趣返し、治安強化も人を抑制するのが大好きなお方故のチョイスと言えなくもないからだ。「声が大きく、ズバズバ物を言う」が、自分自身は身勝手で問題行動が多いという人物が、チヤホヤされる昨今の風潮はどうかと思う。

④　勘違いしている愚か者
このブログでも何度か書いているので、御存知の方も少なくはないと思うが、自分は星野仙一氏が大嫌い（笑）。別段、自分がジャイアンツ・ファンだから彼が嫌いと言うのではない。ジャイアンツがして来た事で、不条理な事や身勝手な事には嫌悪感を覚えるし、その都度批判をして来た。ナベツネもその意味で嫌いである。何故、星野氏が嫌いかと言えば、言行不一致が度を過ぎているからだ。口汚く批判する行為を、自らが平然と行なうという身勝手さがどうにも受け入れられない。人を魅了する部分が有るのは否定しないが、上記した石原都知事と同じく、実像ではなく作り上げられた虚像を感じてしまう。
先日、一場投手に対してタイガースも裏金を渡していた事が明らかとなったが、タイガースのシニア・ディレクター（ＳＤ）を務める星野氏の責任を問う声も上がった。しかし、アンチ星野である自分だが、今回の件に星野氏が直接関わっていたという証拠が無い以上、星野氏がＳＤ職を辞任する必要は全く無いと思ったし、その考えは今も変わっていない。唯、ジャイアンツが一場投手に裏金を渡していた事が明らかになった際、何時もの如く口汚く罵っていたし、タイガースの然るべきポジションに在る人なので、それなりの謝罪はするだろうと思っていた。
ところが、彼の口から出たのは、「辞任したタイガース幹部の引き留めと”金満ドラフト”改革」への意気込みだけ。報道された範囲では、謝罪の一言も見当たらなかった。
球界の”拝金主義”を改めるのは自分も大賛成だが、ドラゴンズ監督時代を含めて、ジャイアンツに負けず劣らず金をばら撒いて来た彼が、その様な発言をするのは「天を仰いで唾する」事に思えて仕方ないのだが・・・。

＊１　この３人には同情的な気持ちをも持っていたが、帰国後に請求された航空運賃等を支払っていないという事実を知り、呆れ返ってしまった。曰く、「外務省が、自分達に関する嘘の報道をしたので、それに対する抗議だ。」とも言っているらしいが、払うべきものも払わずに、こういう主張をするのはとんだ御門違い。こういう事を続けていると、彼等が掲げていたイラク訪問の正当性が白々しく感じて来る。又、あの当時、「自己責任」を旗印に彼等を罵倒しまくっていた国会議員達も、その後に噴出した「国民年金未納問題」が有ってか、今回は静観の構え。国民年金未納は、自己責任以前の”義務の放棄”なので、幾ら厚顔無恥な方々とはいえ、流石に今回は恥ずかしくて言えないのだろう（笑）。