ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼」

2015年12月17日 | 書籍関連

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神奈川県警劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。巻島史彦(まきしま ふみひこ)警視は、誘拐事件の捜査を任された。和菓子メーカー「ミナト堂」の社長・水岡勝俊(みずおか かつとし)と息子・祐太(ゆうた)が拉致監禁され、後日、社長のみが解放される。社長と協力して捜査態勢を敷く巻島だったが、裏では犯人側のの計画が進行していた。

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戦後日本で発生した身代金目的の誘拐事件”の内、未解決なのは8件だが、身代金奪取に成功したケースは全く無いのだとか。勿論、事件自体が表沙汰になっていないケース等も在るだろうから、成功例が在るかもしれないが、其れにしても誘拐事件は“割に合わない犯罪”と言える。

 

「そんな誘拐を巧妙な策で、ビジネスにし様と目論む男達。」を描いたのが、小説犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼」(著者:雫井脩介氏)だ。此の作品は、2004年の「週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」で1位2005年「このミステリーがすごい!【国内編】」で8位に選ばれた「犯人に告ぐ」の続編。

 

警察、犯人、被害者家族と、其れ其れが複雑な事情を抱え、互いに騙し合う。特に警察と犯人は知略巡らし、犯行の遂行or防止に努めるのだが、結果的には“偶然”が、そんな知略に勝ってしまうのが何とも皮肉。

 

犯罪は、決して許される物では無い。でも、本人の意思とは無関係に、次々と悪い方向へと環境が変わって行き、そして悪事手を染める事になった犯人というのには、同情する気持ちが在ったりもする。そんな犯人の屈折した心情が、行間から伝わって来る。

 

前半の引き込まれる様な展開からすると、後半は少々物足りなさが在る。でも、“真の犯人”と巻島との決着が付かなかった事から、次作を期待してしまう自分が居る

 

総合評価は、星3.5個


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