ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ」

2022年10月22日 | 書籍関連

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東京から新横浜へと向かう新幹線移植心臓を運んでいたコーディネーター襲撃され、臓器が奪われる。更に、同様の事件が天医会総合病院でも発生し、警察は捜査に乗り出した。心臓、肝臓腎臓。生命のリレー最中踏み躙られる死者達の遺志一体誰が、何の目的で?

非道の犯行を前に、天久鷹央(あめく たかお)真相解明に動くが、其の動機思いも寄らぬ物だった・・・。
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現役医師でも在る小説家知念実希人氏には「天久鷹央の推理カルテ・シリーズ」というのが在り、今回読んだ「生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ」は、其の第13弾となる。「怜悧頭脳厖大な知識を持っているが、コミュニケーション能力が極めて低く、要らぬ軋轢を生み捲っている変人女医・天久鷹央。」がシャーロック・ホームズ役、そして内科医見習いの小鳥遊優(たかなし ゆう)ジョン・H・ワトソン役という設定。そして、小鳥遊の天敵で在り、彼が所属する統括診断部で臨床研修中の研修医鴻ノ池舞(こうのいけ まい)というトリオが、どたばた喜劇繰り広げつつ、不可解な謎を解いて行くという展開。

今回の「生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ」は、「移植の為、ドナー(提供者)からレシピエント(受給者)の下に移送中の臓器が、何者かによって次々と略奪される。」という、実に猟奇的な事件が対象。誰が、何の目的で、臓器を略奪したのか?

現役の医師が著しているだけに、医療に関する記述が興味深い。移植や人工透析に関して或る程度の知識が在る積りだったが、知らない事実は勉強になった。

自分には無関係な出来事、特に“”が関わる様な出来事には、正直ぴんと来る物が無い。そういう対象に強い思いを寄せる人が居る事は、頭で理解していてもだ。なので、今回の犯行動機に関しては、「うーん・・・。」という思いが。正確に言えば、理解不能なのは、“最初に明らかとなる犯行動機”に付いて。“2番目に明らかとなる犯行動機”に付いては、とても不快な思いは在るものの、「そういう犯行動機も在るのだろうな。」と納得出来なくは無い。

天久鷹央や鴻ノ池舞の様な人物と、実際に関わらなければならなくなったら、非常に厄介だなあ。」と、此のシリーズを読んでいて毎回思うけれど、今回も同様。猛獣2人を、“猛獣使い”の小鳥遊優がコントロールし様と奮闘するが、結局は彼女達に搦め捕られてしまうのは“御約束”。

ストーリー的には面白いが、現実味を感じられない設定。物語として割り切って読めば良いのだろうが・・・。

総合評価は、星3.5個とする。


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