バブル景気の頃、多くの人間が狂乱の中に居た。「必ず儲かる。」と様々な商品を客に売り込む金融機関は、「リスクを、きちんと説明する。」という当たり前の事を怠り、客は客で儲け話に血眼となって、「リスクを、自分自身で確認する。」という当たり前の事を矢張り怠った。当たり前の事が当たり前に成されなかった結果、バブルが弾けた途端に金融機関も客も大きな痛手を負う事に。殆どの金融機関は公的資金の注入で救われたが、客は大損を抱え、中には自殺に追い込まれる者も。変額保険が代表的な例だが、「騙された。」と金融機関を訴える客が続出し、当時は良く報道されていたものだった。根が小心者の自分故、元本保証の商品以外は原則的に手を出さなかったが、それでも会社の持ち株制度には加入していたので多少の損が。
*********************************
「狐」と署名された脅迫状が、帝都銀行の頭取宛に届けられた。「あほどもへ てんちゅー くだす」。具体的な要求は無いが、顧客情報漏洩、系列生保社員の襲撃と犯行はエスカレートする。狐の真意と正体は?
*********************************
元銀行員の作家・池井戸潤氏の短編小説5編が収録された「銀行狐」。上記した梗概は、標題にもなっている「銀行狐」に付いて。全てが銀行に関連する“事件”を扱った作品だが、バブル期に端を発する銀行と客の間のトラブルがテーマとなった物も含まれている。欲に目が眩み、当たり前の確認を怠った客も良くないが、客を“人”としてでは無く、“物”としてしか見ていなかった様な銀行はもっと悪質。
*********************************
「辞めようと思ったとき、愕然としたんです。銀行に十年近く勤めていて、給料以外何も得たものがなかったじゃないかって。社宅を出て、スーツを着なくなったら、私がかつて帝都銀行に勤めていた証など何もない。帝都の元行員だったという経歴を証明するものすらないんです。辞めた瞬間過去になる-。それが銀行というところですよ。私だって自分なりに頑張ってきたつもりです。それなのに一体自分の十年間は何だったのかと悩みましたよ。せめて自分がそこで生きてきたという証が欲しい。そう思いました。」
*********************************
「銀行狐」の中で、元行員の男性が口にした言葉。勤め先を辞めた後、同様の思いを持つ人は少なくない気もするが、銀行員の場合は一層なのかもしれない。元銀行員の池井戸氏が記した文章だけに、強く印象に残った。
一般人だと中々知り得ない、銀行の内状が判って面白い。ネタバレになってしまうので具体的には書けないけれど、「ローンカウンター」という短編では、“文字通り”銀行の裏側が描かれており、「へー、そうなんだ。」と興味深い内容。
面白い作品集では在るのだが、「池井戸作品は矢張り、短編小説よりも長編小説の方が読み応えが在るなあ。」という思いは否めない。総合評価は、星3つ。
金利変動が激しすぎても困るし
下がっても困る。
高騰、インフレデフレが来ても困る。
まず、中小企業をたすけてあげないと。
最近はATM破壊事件がないのは
せめてもの救い。
震災による不況もいまだに続いてますから
銀行もますます貸し渋りなんてことは
言ってられなくなるでしょう。
外国にも支店はある銀行多いですが
外国がGDP国民総生産が安定していて
景気が良くても
たとえそういう外国の国があっても
セブン銀行やシティバンクや外資系金融機関がどんなに良い、すばらしい
サービスをしてくれても
バブル崩壊からずーっと
いわれ続けてることですが。
日本が家計ジリ貧で消費税増税可決で
震災不況で困窮している現状、状態では
また、いまだに我々が想像してる異常に
赤字続きでは
若者や多くの共働き夫婦や
他の労働者たちや子どもたちは
ますます日本に不信感を抱くだけのような
気がします。
ネーム・ヴァリューが在るというだけで、放漫経営の大企業を積極的に救済する一方、真っ当に頑張っている中小企業は見放す。物作りで高い評価を得て来た我が国が傾いて来た理由の1つに、そういった理不尽さが在る様に感じます。
「法案に然り気無く文言を加える事で、本来とは違う方向にも持って行ける様にする。」というのは官僚の常套手段ですが、「社会保障・税一体改革法案」でも、「本来は福祉にしか当てない筈の消費税増税が、公共事業に充てる事が可能な文言が加えられていた。」と報道されていますね。自公民揃っての、国民に対する背信行為と言えましょう。色々御為倒しを並べ立てるも、結局は公共事業乱発で政治家や官僚、そして一部の企業の懐を潤させる事しか眼中に無い。