ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「任侠病院」

2012年01月27日 | 書籍関連

You Tubeに又、懐かしい動画がアップされていた。1983年に流れていた「エメロンクリームシャンプーとリンスのCM」(動画)が其れで、今は亡き“小森のおばちゃま”(「エンゼル体操」【動画】を踊っていた元祖ムキムキマンコスチュームをデザインする等、本当に異才な人だった。)がナレーションを務めているのも懐かしいが、大好きだった曲「ふりむかないで」が流れているのが堪らなく懐かしい。

 

「1971年に新宿で振り向いて貰った女性に、12年後の1983年に再び振り向いて貰う。」というコンセプトのCM内容だが、12年という月日の長さを感じる。TVのドキュメンタリー番組でも「同一人物の○年後を追う」的な企画は目にするけれど、自分もそうだが此の手の番組を見ている人達は、取り上げられた人の変化に“自分の来し方”を重ね合せ、感慨浸る物なのだろう。

 

1971年当時は20歳前後だったとすれば、此の女性は現在60歳前後という事になる。今は、どんな感じになっているのだろうか?

 

閑話休題

  

*********************************

日村誠司が代貸を務める「阿岐本(あきもと)組」は、東京下町で長年ちっぽけな所帯を持っている。堅気に迷惑を掛けない正統派ヤクザで在ったが、地元新住民の間から暴力団追放運動が起こって来た。

 

そんな、組長の阿岐本雄蔵が、潰れ掛けた病院の監事となって再建を引き受ける事になった。暗い雰囲気の院内、出入り業者のバックには関西大物組織の影も在る。

 

再建先と地元、難題を2つ抱え込んだ阿岐本組。病院の理事もさせられた日村は、組の最大の危機を乗り切れるのか?

*********************************

 

今野敏氏と言えば「警察小説名手」というイメージを持っている方も居ろうが、警察小説の他にも「SF小説」、「ヴァイオレンス小説」、「伝奇小説」、「オカルト小節」等々、様々な分野を書き上げる“守備範囲の広い作家”の1人で在る。

 

経営難に陥った組織をヤクザが再建するという「任侠シリーズ」も其の1つで、「倒産寸前の出版社」及び「経営難に陥った私立高校」を再建した阿岐本組が次に関わる事になったのは「潰れ掛けた病院」。「任侠シリーズ」は未読だったが、此のは第3弾の「任侠病院」を読む事にした。

 

代貸を務める日村が心配性で在る一方、組長の阿岐本は能天気場当たり主義の様に感じられるが、ストーリーを追うに連れて阿岐本が“昼行燈”を装っている事が判って来る。阿岐本には「見識の深さ」、「人を見る眼」、「深謀遠慮さ」が備わっているのだが、其れを認識してはいるものの“先”が見えない不安から、日村がぶつぶつと呟く独り言の数々が笑える。

 

病院が抱える問題点というのも然りげ無く描かれており、そういった事柄に余り詳しくない人達にとっては興味深い事だろう。

 

総合評価は星3つ


コメント    この記事についてブログを書く
« 要求が過ぎるのでは? | トップ | 老け役 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。