ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

ナベツネ・ファンではない、一人のジャイアンツ・ファンとして

2005年06月23日 | スポーツ関連
ここ1週間程、どう記事にしたら良いものか迷っている事柄が在った。そもそもは、issie様の「広島とオリックス、横浜とヤクルト合併か」という記事が発端だった。スポーツ・ジャーナリストの二宮清純氏のコラムに書かれていた話が元になっており、これはナベツネこと渡邉恒雄氏がジャイアンツの代表取締役会長就任が内定した際に、その側近から二宮氏が聞いた話だという。噂レベルの話と言えなくもなく、又、真偽の程も定かではない。しかし、「ジャイアンツのする事は何でも全て悪!」と斬り捨て、現実を直視する事無く理想論ばかりを教条主義者の如く繰り返す玉木某の様な輩は論外だが、冷静に是是非を述べる二宮氏の”まともさ”には以前から信頼感を置いており(ジャイアンツ批判も的を射たものが多い。)、そんな彼が書いた話だからこそ信憑性は高いのではないかと思った。

ナベツネよ、ハカイダーになれ!」でも触れた様に、ナベツネの会長就任に関しては不快感を覚えるものの、あくまでもジャイアンツ内の人事で在り、又、その就任を阻む法的根拠がない事から不可避な事態と捉えていた。そして、あれ程迄に世間の猛反発を食らって一旦は球界から身を引いた身であるので、「最早、愚かしい事は成さないだろう。寧ろ、彼の”劇薬性”を野球ファンが利用して、遅々として進まない球界改革を一気に加速化させるのも在りではないか。」と敢えて思い込もうとしていた。*1

しかし、今回の話を目にしてから自分の思いは動きつつある。もし本当に「4球団を合併して2球団にしよう。」とナベツネが暗躍しているのだとしたら、ナベツネは球界から即刻立ち去り、未来永劫近付かないで貰いたい。そして、ジャイアンツ・ファンを表明している以上、その責務として自分の”今の”思いを旗幟鮮明にする必要性を感じ、めたか様の「【巨人ファン限定参加企画】アンチナベツネ巨人ファン宣言!」に、ナベツネ・ファンではない、一人のジャイアンツ・ファンとしての意見を表明させて戴こうと思った次第だ。

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①ナベツネの球界復帰を反対するに到った訳
ナベツネに付いては、過去何度か記事にして来た。「ナベツネが好きか?嫌いか?」という選択肢で言えば、絶対的に嫌いな存在である。しかし、だからと言って昨年の合併騒動の際に巻き起こったナベツネ・バッシングには違和感を持ち続けていた。「ナベツネ(他のオーナー連中も含め。)=悪、選手達=正義」という単純な図式は必ずしも正しいとは思えず、ナベツネ・バッシングに走り過ぎるのは、真の問題点から目を遠ざけてしまうだけではないか、選手達にも反省すべき点が在るのではないかと感じていたからだ。選手達への過剰な肩入れは、後々ファンには「失望」という形で、そして選手達には「逆風」という形で表出するのではないかという懸念が在った。そして、合併が決まった後に始まった井川投手上原投手のメジャー行きを巡るゴタゴタ劇に、多くのファンが怒りと失望を禁じ得なかったのは、正にその表れではなかった様に思う。

近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併に付いても、自分は積極的に反対の意思を表明していなかった。近鉄バファローズの年間赤字額(2003年度)が約40億円と莫大な額である以上、合併という選択肢を絶対的にタブー視するのはどうかと思ったからだ。(近鉄バファローズ・ファンに対して、非常に配慮の無い見解で在った事は反省している。)

しかし、今回の合併に関しては納得がいかない。「ベイスターズ(約10億円)、スワローズ(約5億円)、ブルーウェーブ(不明)」の3球団は確かに赤字経営(2003年度)だが、親会社の規模と近鉄バファローズが抱えていた約40億円という赤字額を考え合わせると、直ちに合併しないと立ち行かなくなる状況と迄は(主観的に過ぎるかもしれないが)思えない。ましてやカープに到っては、8千万円の黒字を出しているのだ。それに、野球人気を盛り上げて行く為にはローカリズムが必要と思えるのに、中国地方に唯一本拠地を置くカープが消滅する可能性を秘めているというのは、全く以って逆行しているのではないか。

そして何よりも自分が反対する理由は、昨年のゴタゴタを経て新しい体制で球界改革元年を迎えた今年、抜本的に改める必要が在る問題点(ドラフト制度、年俸の高騰化、引退後を踏まえた選手教育等々。)が山積している中で、何故敢えて合併という話を持ち出して来るのか理解出来ないからだ。小泉政権が削減すべき無駄に全く手を付けず、増税等でその場凌ぎを図ってばかりいるのと同じ安直さを感じる。あれだけ世間を騒がせたのだからこそ、諸問題を抜本的に解決する事に注力すべき。様々な策を講じた上でそれでも駄目だったというので在れば未だしも、そうでない段階での合併話推進では、多くのプロ野球ファンの賛意を取り付けるのは無理だろう。
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②ナベツネの何処が嫌いか?ナベツネの何処が駄目か?
嫌いなナベツネでは在るが評価出来る部分も在る。それは、他球団のオーナーの多くが御飾りに過ぎない存在であるのに対して、野球の事を良く勉強しているという事。この事だけは評価に値する。

しかし、ナベツネの嫌いな所(駄目な所)は、この知識を球界全体を改善するというベクトルではなく、ジャイアンツの利益だけの為、否、自身の権力保持の為に恣意的に”悪用”する事が多かった事に在る。これは絶対的に許す事が出来なかった。当然の事だが、プロ野球チームは公共の存在で在って、個人の玩具でも権力闘争の具でも無い。
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③アフター・ナベツネのビジョンは?
何かおかしいぞプロ野球!」でも触れたが、名前や過去の実績にのみ依存したかの様な選手起用は止めるべき。チンタラ走りに見られる様な無気力プレーを見せるベテランは排除し、未熟なれども必死に食らい付いて行く若手の将来性に期待を賭けて欲しい。

又、信賞必罰を徹底させる。これは選手だけではなく、首脳陣やフロントにも厳然と行なうべき。コネ採用とも思える無能コーチを生み出さない為にも、又、外国人選手の獲得で何度も同じ失敗を繰り返しているフロントを戒める為に必須だと考える。

そして、出来得る限り生え抜きを育成して行くチームになって欲しい。トレード等の補強を全く否定する訳ではない。手薄な部分を補強するのは”企業”として当然だし、何等恥じる事は無いと思っている。寧ろ、ジャイアンツの金銭補強を口汚く罵りながら、自身がサラッと大枚叩いて大補強している様な御仁こそ恥を知って欲しいし、非難されて然るべきだと思う。ジャイアンツが問題なのは、長期的ヴィジョンも糞も無く、長距離砲で在れば誰でも良いとばかりに同じポジションに選手を重複させる様な愚かさと(移籍選手及びその選手が在籍していたチームのファンに対する)非礼さだ。生え抜き育成に注力し、どうしても補えない部分に関しては”最低限の”補強を行なう。そういったまともなチームになって欲しい。

これ等の事柄を徹底する前段階に、今や読売グループの天下り先と化してしまったジャイアンツを完全独立させる事が不可欠なのは言う迄もない。
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④最後に
再度繰り返すが、ナベツネは球界にとって決して好ましい存在ではない。でも、彼一人を責め立てた所で、球界が抱える諸問題が解決する訳でもない。ナベツネの球界復帰に反意を表明したものの、自分を含めたファンも球界を盛り立てて行くを負っている事を再認識すべき。

非常に面白かった交流戦だが、今シーズンの公式戦と交流戦の観客動員数を、各球団のホームゲーム18試合分で比較した場合、球界全体としては約6万人の増加となったものの、セ・リーグはジャイアンツとカープ(各々約5千人のプラス。)以外は大幅なダウン。スワローズに到っては約10万人減という状況。交流戦導入がセ・リーグのチームに痛みを生じさせる事は予想していたし、球界全体の事を考えると已むを得ない事では在るのだろうが、セ・リーグ全体で約23億円の減収というのは厳しいものが在るのも事実。

今季、球場での観戦実績が一度だけの自分が言うのもおこがましい話だが、野球ファンを任じ球界に意見する以上は、”出来得る限り”球場での観戦を心掛けるべき。”外野”から意見しているだけでは駄目だと思う。
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*1 ナベツネの球界復帰に際し、彼の劇薬性を敢えて利用するという記事を書いた所、「『ナベツネ幻想』に囚われている。」という御意見を頂戴した。ナベツネに球界改革を委ねる事が幻想というので在れば、それは理解出来る。自分も虚しさを感じつつ、一縷の望みを抱いてあの記事を書いたからだ(笑)。しかし、「彼の影響力を、そこ迄期待するのは幻想に過ぎない。」という事で在れば、それはNoだと自分は思う。良きにつけ悪しきにつけ(悪しき部分が殆どだが。)、彼の影響力は否定出来ないと言わざるを得ない。

読売グループ、もっと突き詰めて言えば、読売新聞内に於ける彼の影響力は絶対だろう。彼に意見出来る者等は居ないのではないだろうか。と言うよりも、読売新聞という組織自体がずっとこの様な「物言えない、硬直化した」存在なのだろう。

以前、元読売新聞の社員だった某大物評論家氏が「世の中に女性の嫉妬心程執拗で陰湿なモノは無いと言われているが、それは嘘だと断言出来る。読売新聞内での派閥抗争や足の引っ張り合いの凄さは、男の嫉妬心の根深さをこれでもかと言う程に思い知らせてくれた。」と書いていた。本筋とは離れてしまうので、ここでは詳細に触れないが、「正力松太郎」や「務台光雄」、「正力亨」といったキーワードを辿れば、嫉妬心&猜疑心が渦巻き、権力者に服従しなければ生きていけない組織の実態を窺い知る事が出来ると思う。

そして、読売グループを離れてもナベツネの影響力は小さくない。その事は、彼が球界を離れた10ヶ月の間、その言動を逐一報じていた間抜けなマスメディアの姿からも証明出来るだろう。又、今回彼が復帰する事に対して、野球ファンの間から多くの反意が示されている事も、その影響力が少なくないのを心の何処かで感じているからではないだろうか。
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23 コメント

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どうもありがとうございます (めたか)
2005-06-23 01:56:12
参加どうもありがとうございます。



えっと、

書いておられる内容については

ほぼ100%同意します。

確かに「ナベツネだけ」を問題するのは

問題の矮小化なんですよね。

ただ

ちょっと戦略的に考えている部分があります。



やっぱり「アンチナベツネ」って分かり易いんですよね。

それだけに

「広く共感を集める事ができる」のではって

考えているんですよ。

「難しいもの」って、あまり広まらないって思うので。

また

「巨人ファン以外」がアンチナベツネを言っても

意味はないって思うんですけど

「巨人ファン」があんちナベツネを表明するのは

効力はあるって思っていまして。

だから「巨人ファン限定企画」にしています。



もう1つは

「ナベツネの独断的な言動から巨人(ファン)を守るため」

という意味合いも、あるんですよ。

私たちもナベツネには批判的なんだよ

って表明しておくことで

彼の独善的な言動について、

巨人ファンに批判が向かないようにする

そんな「護符」の意味合いも、できるって考えています。





最後に。

「ナベツネ幻想」についてですが

確かに「彼の影響力」は、とても大きいです!

私が「幻想」と言ってるのは

そういう事ではなくて

「ナベツネ氏が優秀だ」って事、なんです。

確かに、彼はその影響力をフルに使って

「巨人にのみ有利な事」をたくさんしました、

けれど

それで「巨人が本当に強く/良くなったか?」

と言われれば、私はノーと思うからです。
返信する
Unknown (餅きなこ)
2005-06-23 22:10:16
 ほんとに2球団になっちゃうんですか?いろんな球団があるから、みんなが選べるのに!プンプン!!人はいろいろいるんだがら球団もいろいろいなきゃって感じね!

 ほんとにファンのことを考えたり、ファンの意見を聞くようなことをしないと野球ってほんとダメになっちゃいそうです。

 きなこ、たまに野球場に行くのね、あの雰囲気スキよ!ビールを飲みながらつまみを食べて、試合を見る!至福の時間ね!
返信する
ども (drop)
2005-06-23 22:34:56
TBありがとうございました



2球団合併の噂ありますね・・・

こんなわけの分からない合併したら、本当にプロ野球人気は下がっていく一方。なんのプラスになりd¥のでしょうかね
返信する
Unknown (モカ(肉球を太陽に))
2005-06-23 23:08:19
はじめまして。

TBさせていただきました。



ナベツネは権力を使うならもっと別のことに使って欲しいです。

他球団とそのファンを悲しませる事は、ひいては巨人を憎む人を増やすだけだと思います。

自ブログのコメント欄に書いたエピソードですが、

こないだ初めて会った人たちと、野球談義に花が咲いた時、巨人ファンの方が、「俺巨人ファンなんだよ、ごめん」と謝っておられました。

ほんの少し前なら。「俺、巨人ファン!」「えー!ムカつくー巨人ファンかよ!」と笑って言い合える関係だったのに、今はそういうのも難しくなってきてる気がします。



私は今回の噂を、噂であってほしいと思っています。



怖いのは、去年はファンも世論も一丸となって断固阻止できましたが、

ナベツネ氏周辺が去年と同じ過ちは犯さないで用意周到に立ち回ること、

また、野球に興味のない一般の方々の世論が、二年連続二度目ともなると、目新しい話題ではなくなり、そう簡単には野球ファン側の後押しにはなってくれないこと。1リーグに賛成するコメンテーターの数も増えるでしょうし、世論はそっちにつくかもしれません。



だから、これは噂で終わって欲しい。

心の底から願ってます。

返信する
巨人の“歴史的危機”を作ったヒト (higu)
2005-06-24 00:36:11
今年のジャイアンツは元気がありません。その為視聴率が低迷しています。ただし……。ジャイアンツが首位を快走していたらなんの問題もなかったのでしょうか……。



正直に申しますと90年代。私はジャイアンツが優勝した年は「面白くありませんでした」

本当にgiants-55さんやジャイアンツファンの方には申しわけありません。しかし巨人が優勝する度に「またか」と“しらけていた”自分が存在していました。



読売ジャイアンツ。多くの人々から愛されている球団。しかしこれほど多くの人々から憎まれている球団を私は他に知りません。

アンチ・ジャイアンツは古くからあったようですが最近のは「ヘイト・ジャイアンツ」とでも名づけたくなる程その怨念は激しいような気がします。

そしてジャイアンツがそこまで恨まれるようになってしまった原因から渡辺氏を外すことは絶対にできないと思います。



90年代。巨人は次々と大型補強をしました。それ自体は悪くありません。

しかし私は「ジャイアンツの金銭補強を口汚く罵りながら

自身がサラッと大枚叩いて大補強している様な御仁」とジャイアンツ・フロントを比較した場合、両者の間には決定的違いがあるように思います。



90年代ジャイアンツが犯した“最大の過ち”。それは「理解に苦しむ」補強をどんどん行い、他球団のファンはおろか一般の人々までにも反感を買ってしまったことではないでしょうか。



大型補強自体は責められるべきものではありません。だから私は某タテジマ球団元監督が行った補強は責めません。

しかし巨人が90年代に行った補強。それは責められても仕方がない、と考えます。

あまりにもやり方が「まずく」、あまりにも「行き当たりばったり」だからです。

“あの人”の主張は少々問題に思いますが、はたまた全て間違っているとも思えません。



仮にナベツネ氏が引退してもジャイアンツはすぐには変わらないのではないでしょうか、残念ながら。

それは今のオーナーが自由獲得枠を“遮二無二”残そうとしていることから窺えるかと……。





合併の件はまさに「またか」ですね。この手の話(特にカープ)は何度も取りざたされてきました。

思えば草創期のカープが球団消滅(樽募金によって救われましたが)の危機に陥った時もジャイアンツ・オーナー正力氏がイニシアチブを取っていました。

当然、当時と現在では状況や背景が全く異なりますし。正力氏と渡辺氏(昨年の話です)は同じ「球団削減」を目指していましたがその“理念”は雲泥の差がありました。



ですがそのこと(正力氏の件)が未だにカープファンの一部の間に禍根として残り、反巨人感情の下地になっているようにも思えます。

カープファンにとってジャイアンツ(範囲は人それぞれですが)は「怨敵」とされがちです。



今回のことでまたアンチ・ジャイアンツが生産されるのでしょうか……。

そのことでgiants-55さんやジャイアンツファンの方々が悲しい思いをされないか、気がかりです。
返信する
>higu様 (giants-55)
2005-06-24 02:47:39
書き込み有難うございました。



アンチ・ジャイアンツからヘイト・ジャイアンツへと流れが変わって行ったのは、ナベツネが前面に出て来る以前、思うに江川投手のゴリ押し入団が起点だった様に思います。法的には問題無いとしても、道義的な部分に於いて、ジャイアンツ・ファンである自分でも納得出来ないものが在りました。ナベツネの登場で、ヘイト・ジャイアンツの流れが一気に加速したのは事実だと思います。



ジャイアンツの補強が、理解に苦しむものばかりで在ったのも事実でしょう。何よりも、ジャイアンツ・ファンである自分が、一番それを感じているからです(笑)。長期的ヴィジョンが全く感じられず、選手の”飼い殺し”を平気で行なう遣り方は、自分も許せません。この事で、他チームのファンの怒りを買ってしまったのは完全にジャイアンツに非が在ると思います。



カープというチームは、12球団の中で独自性の強い存在だと思っています。その評価は人によって異なるでしょうが、「血と涙にまみれた」という言葉がピッタリ来る猛練習。生え抜き主義と独自の外国人育成システム等々。これ程迄にハッキリとしたチーム・カラーを持ったカープを消滅させるというのは、どうしても許せません。



又、チーム合併に名前が挙がっている他の3球団に付いても、ここ数年の間に親会社が変わったり、合併したばかりのチームで在り、正に今、より良き方向を暗中模索している状態。それなのに、今、敢えて合併を論じる必要が本当に在るのか?という思いです。



以前にも書きましたが、野球は1チームだけでは出来ません。「ジャイアンツだけ美味しい思いが出来れば良い。」とナベツネを含めた読売グループ上層部が未だ思っているので在れば、それは大きな誤り。他チームのファンのみならず、肝心のジャイアンツ・ファンもプロ野球に見切りを付ける事になるだけです。



P.S. H氏の発言で今も強く脳裏に焼き付いているものが在ります。「ジャイアンツは、他チームが”精魂込めて育て上げた”選手を、札束ちらつかせて掻っ攫っている。”金で優勝買って”嬉しいんか!」というもの。この発言自体は、自分も納得出来るんです。他チームが一生懸命育成した選手を金で掻っ攫うのは、(江川問題と同様に)法的には問題ないにしても道義的にどうかと思う部分が心の何処かに在るからです。



しかし、この発言をした人物が、その直ぐ後にカープが精魂込めて育成した4番打者を、正に金を積み上げて掻っ攫ったのはどうかと。ジャイアンツ・ファンという立場からだけではなく、ああいった”奇麗事”を並べ立てた直後の彼の”変節”は、カープ・ファンに対する冒涜にも思えたのです。



欺瞞性及び利権に纏わるブラックな話がしばしば見え隠れする所が、どうしてもH氏を好きになれない由縁なんですよね(^o^;;;。
返信する
私的にですが (五味 隆志)
2005-06-24 03:13:40
確かに渡辺氏だけを悪に仕立てれば済むような問題ではないですね。

一場選手への裏金は阪神や横浜も同罪(横浜ファンとしても忸怩たる思い)、

FAはかつての選手会も積極的に動いていた(そもそもそれを年俸闘争などに利用する選手も毎年のようにいます)、

年俸の高騰は巨人だけではない(むしろ昨年オフにある程度見直した巨人は進歩した方)、

大補強にしても然り(昨年の横浜なら佐々木投手を獲得して抑え予定だったギャラード投手のモチベーションを下げた事)

渡辺氏の強権的な態度は確かに問題ですが、他球団の責任者にしてもそれまでの付和雷同から旗色が変われば責任を巨人のみに押し付けて「反巨人」では都合の良さを感じます。



また、一部のファンの態度も問題だと思います。

昨年の横浜スタジアムでのベイスターズの最終戦を観に行った時に感じたのですが、

試合前のスピードガンコンテストでの読売新聞や日本テレビの社員に対してのブーイングや、

「倒せ読売」のような応援は気持ちの良いものではありません。

選手や末端職員にまでそれ程の罪があるのでしょうか。私はそうは思いません。

こういう逆差別的な見方も世間の野球へのイメージをダウンさせる要因でしょう

(昨年物議を醸したフレッシュオールスターでの岩舘選手への野次にしても然り)。



少し俎上に上っている元監督についてですが、補強に関する巨人批判については私も疑問を抱いています。

そもそも同氏は名古屋軍時代から大補強に積極的でしたし、

その頃も含めて獲得に動いた選手、実際に獲得した選手の全てが的を射た補強だとは思いませんでした

(一例として、抜群の投手力で優勝に導いたにも関わらず当時FA宣言した工藤投手の獲得に動いた6年前の中日時代)。

あとはアリアス選手の放出覚悟でペタジーニ選手や中村紀選手の獲得に動いた事、

金本選手にしても、その一方で桧山選手を一塁にコンバートし、坪井選手を放出しました。

逆に巨人の大補強の全てが的外れという訳ではなく(落合氏、工藤投手、メイ投手は納得でした)、

それでも巨人なら一方的に批判するという姿勢には私も疑問符です。



別に巨人を庇うつもりはありません。

巨人に関して言えば今日までの衰退の元凶は渡辺オーナー時代の的外れな補強の数々である事は疑いの無いところでしょう。



渡辺氏によれば今の巨人は「歴史的危機」という事ですが、正直「何を今更」という思いです。

人気面にせよ実力面にせよ、この程度の低迷なら第二次長嶋政権以降何度もありました。

実績重視、チームバランス度外視の大型補強、打つだけのつまらない野球、外国人補強の失敗とその繰り返し。

何も今始まった事ではありません。

「歴史的危機」を指摘するならその頃からの無反省の歴史こそを指すべきです。



私は別に巨人を嫌ってはいないし、強くなって欲しいとも思います。

ただ渡辺氏が巨人に復帰して、過去の失敗を省みずにかつてと同じような事を繰り返すつもりなら、

巨人の歴史的危機は今後も続く事でしょう。
返信する
>五味隆志様 (giants-55)
2005-06-24 18:28:31
書き込み有難うございました。



ジャイアンツ71年の歴史に於いて、特にこの30年程の間にジャイアンツが成して来た事は、その功罪を問われれば残念ながら罪の方が大きいでしょう。トレードを含めた補強も、全てが誤りだったとは言いませんが、総合的に考えた場合、ヴィジョンの無さとその場凌ぎの御粗末さは否めず、その事を以ってしてジャイアンツというチームが世間の非難を浴びるも仕方ないでしょう。又、公人たるナベツネが、自身の責任に於いて成した愚かな言動に付いて、非難を浴びる事も同様に当然だと思っています。



でも、どうしても納得行かないのが、同じ様な事をしている(としか思えない)人物が、”悪”の存在であるナベツネの対立軸として”正義”の存在として祭り上げられている事。H氏の過去の言動からは、ナベツネに極めて近いモノを感じてしまうのです。



又、彼がナベツネやジャイアンツを罵倒しているのは未だ仕方ないと思えるものの、問題なのは”間接的に”ジャイアンツ・ファンをも罵倒した発言が過去何度か在った事。この事で非常に傷付いたジャイアンツ・ファンは少なくなかったと思いますし、又、絶対的多数ではないと信じていますが、「H氏マンセー!」と盲信する一部のファンが、彼の発言に乗せられてジャイアンツ・”ファン”のバッシングに走った事も。これって、虐めの構図に近いものを感じます。



第二次大戦前、経済的&社会的に荒廃したドイツで、正義の存在として圧倒的な国民の支持を集め台頭したナチスドイツ。あの時のヒットラーは、正義の存在だったのではないでしょうか。そして、その結果は・・・。



自分が言いたいのは、ナベツネもジャイアンツも誤った事をしたら、ジャイアンツ・ファンも含め多くの野球ファンは糾弾すべきであると。しかし、その他の人物や組織が成した愚行に対しても、同じスタンスで是是非をきちんと指摘し、糾弾すべきではないかと。そうしないと、ナベツネが球界から消えた後に、第二のナベツネが現れるだけではないかと思うのです。
返信する
非常に逆説的なのですが (p)
2005-06-25 03:03:16
12球団の中で継続して「企業努力」をしてきたのは唯一巨人軍(ナベツネ)だけだったということです。ただその方向が「常勝巨人軍、とそのための球界・制度」と「長嶋」だったわけですが。他の球団はほとんど「企業努力」すらしてません。ただ巨人軍におんぶしてもらう、というのが彼らの戦略だったわけですから。



だから「ナベツネバッシング」というのが「企業努力」の有無そのものに対してであれば場違いだと思います。一方そのバッシングが「企業戦略の方向性」ということであれば納得いくと思います。「常勝巨人軍」を生み出すための「球界・制度」ということであればそれはもはや真剣勝負の場(あるいは戦争の代替物)である「スポーツ」では無いからです。(実際には彼の言動に対する感情的反発がほとんどなのでしょうが)。



私が本当に疑問に思うのは、プロ野球という大きな会社の社長達が、「企業戦略」という思考方法すら持ちえていない、という事実です。そういった人達が、プロ野球の現状、強み、短所、競争相手、ターゲットカスタマー、経済状況、そして目指すもの、といったものをまず定義し直すといった、「企業戦略論」の教科書の1ページめに書いてあるようなことをプロ野球という産業に全く応用していないことに驚きを覚えます。そして昨年からこのプロ野球のごたごたを見てきてそういった観点からの議論がほとんどなされていない(少なくともマスコミからの提議は無い)ということに深い失望を覚えています。長くなり失礼いたしました。

返信する
>p様 (giants-55)
2005-06-25 13:33:33
書き込み有難うございました。



以前にも書いた事が在るのですが、一企業として”投資”を怠ってはいけないと思っています。資金的には決して潤沢とは言えないカープの場合、綿密な調査を行なった上で”コストパフォーマンス”の良い外国人選手を補強したり、独自に育成機関を設ける等の工夫には本当に頭が下がる思いです。ジャイアンツの場合は金に飽かして補強しまくっている訳ですが、「ファンの為」と」口先では言いながら、補強を全く怠っているチームよりは評価出来ると思っています。



唯、問題なのは何度も書いていますが、「長期的ヴィジョンの無い場当たり的な補強」で在り、「他チームのファンを蔑ろにした遣り方」をしている事。そして、「投資額に見合ったアウトプットが無い」というコストパフォーマンスの悪さに在ると思います。その意味では、p様が御指摘されている「企業戦略の方向性」がバッシングの対象になっているというのは、その通りですね。



”志”を忘れた多くのマスメディアに、発展性の在る何かを求めるのは虚しいだけでしょう。彼等は、単純に「正義v.s.悪」という構図を作り上げ、視聴率(or売り上げ)アップを図る事しか考えていませんので。だからこそ、某都知事”如き”に「お前らブンヤは・・・」等と罵られてしまうんですよね。もっと、社会の公器としての自覚を持って貰いたいものです。



これからも宜しく御願い致します。
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