2年前の記事「独裁者 Part1&Part2」で記した様に、“独裁者”と呼ばれる人物が“堕ちて行く経緯”を、リアル・タイムで何度も目にして来た。絶対的な権力を有し、自分の意に沿わない人々を虫螻の如く惨殺し続けて来た独裁者が、権力の座を追われ、自身の命が危うくなると、形振り構わずに命乞いする光景は、醜悪以外の何物でも無い。
ルーマニアの初代大統領で、1989年に起こったルーマニア革命で妻のエレナ・チャウシェスクと共に公開処刑されたニコラエ・チャウシェスクも、そんな独裁者の1人だった。24年間に亘る独裁政権下、彼によって惨殺された国民は6万人以上という話も在る。又、彼が推し進めて来た政策によって発生し、今も国民を苦しめている事柄も結構在る。此方に詳細が記されているが、多くの子供達をエイズ感染させてしまったり、ストリート・チルドレンの激増等がそう。
週刊新潮(9月19日号)に載っていた記事で、“チャウシェスクの負の遺産”を更に知った。
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「ルーマニアを悩ます“チャウシェスクの野犬”」(週刊新潮【9月19日号】)
野良犬と言えば、嘗て日本でも少なからず居たものだが、ルーマニアの其れは、もう次元が違うので在る。外務省関係者が言う。「外務省のホームページでも注意を呼び掛けていますが、首都ブカレストには6万とも20万とも言われる数の野犬が居ます。勿論、狂犬病も在って、今年は年初から約6,000人が噛まれています。」。
人口約190万の街で20万の野犬とは、最早尋常では無いが、過去には2006年、日本人が足を噛まれて、出血多量で亡くなる事件も起こっている。そして、此の9月2日には・・・。
「市内の公園で4歳の男の子が5頭の犬に数百ヶ所を噛まれ、貪られる様に殺されたのです。此の事件を機に、今、ルーマニアでは野犬駆除の機運が急速に高まっています。」(同)。
バセスク大統領は即座に「去勢だけでは犬の牙を抜く事は出来ない。」と積極駆除の方針を表明。だが、彼の国、此処に到る迄事態を放置するだけ在って、動物愛護の声も根強く、処分の是非は住民投票で問われる。それにしても、何故こんな事態になったのか。事は共産党時代、彼のチャウシェスク元大統領の施策に遡る。
「1945年迄王国で、ブカレストは小パリと呼ばれる程、立派な建築を誇った。でも1980年代、チャウシェスクの都市化政策で、多くが壊され、アパートになってしまった。アパートで飼えない犬が街に放たれ、増えたのが現況です。」(同)。
ドラキュラ伯爵の故郷で、共産党の“負の遺産”が今も人を噛み続けている。
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何等責任の無い犬達が駆除されるというのは、非常に心が痛む話だ。でも、「発症すれば、略100%死に到る。」と言われる恐ろしい人獣共通感染症の狂犬病だけに、野犬の駆除も止むを得ない事なのだろうが・・・。
凄い体験をされたのですね。何事も無く、幸いでした。今と比べると格段に情報に触れられる機会が少なかった時代の事、実際に足を運んでみてから、「何だ!?」という経験をされた方は少なく無かった事でしょう。
唯、マヌケ様も記されています様に、情報に触れる機会が多い今でも、全ての情報に触れられる訳では無い。先達てトルコのカッパドキアで殺傷された女子大生2人も、英語が堪能で、且つ現地情報には其れなりに精通していたと言われていますし、「触れた情報だけに頼らず、『此処は、日本とは違うんだ。』という意識を持ち続ける事。」は重要なんでしょうね。
当ブログを立ち上げた当初、「ワンコへの注射は必要か?」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/ef0f1732f88a7310095fa92f4748034a)という記事を書きました。獣医になるべく勉強している人達と話した際、「犬に対する予防接種の中には、結構強い物が多く、接種を受けた事で体調を崩したり、最悪の場合、死に到ってしまう犬も居る。狂犬病の予防接種は法律で定められているけれど、日本では狂犬病が絶滅して久しく、本音を言えば予防接種の類いはしない方が良いと思っている。」という話を何度か聞きました。「日本では絶滅しても、海外では未だ存在している。法律で定められているし、悩ましい話だなあ。」という事を書いた訳ですが、近年は中東やアジア圏でも狂犬病が社会問題化していると聞きますし、日本も対岸の火事では無いけれど・・・。