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「ホームレス平均63歳に 進む高齢化」(4月28日付け東京新聞[夕刊])
厚生労働省が昨年11月に実施したホームレスの全国実態調査で、平均年齢が調査を始めた2003年以来、過去最高の63.6歳となった事が判った。前回2016年調査では、61.5歳だった。路上生活が10年以上続いている人が4割を占め、高齢化と長期化が浮き彫りとなった。
実態調査は略5年に1度実施しており、新型コロナウイルス禍では初めて。東京23区や政令指定都市等で1,169人に面接した。
年代別では70歳以上が、前回調査の19.7%から34.4%に増加。60歳以上が、7割を占めた。新型コロナの影響で路上生活を始めた人が、6.3%居た。
厚労省は26日、今年1月に実施したホームレスの人数等を把握する全国調査の結果も発表。3,448人で、2003年の調査開始以来、最も少なかった。
都道府県別では、大阪が最多の966人。次いで東京770人、神奈川536人だった。東京23区と政令市で、8割弱を占めた。
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「前回2016年調査では『61.5歳』だったホームレスの平均年齢が、5年後の昨年行った調査では『63.6歳』と過去最高になった。」という事だが、見方を変えれば「5年間全く変わらない環境で在れば、『61.5歳+5歳=66.5歳』になっていてもおかしくないのに、『2.1歳』の伸びで済んだ。」とも言える。
又、「ホームレスの人数は、2003年の調査開始以来、最も少ない3,448人だった。」というのも、「行政側が一般の目に触れない様な形で、ホームレスを“隔離”したので無ければ。」、悪い兆候では無いとも言える。
だが、ホームレスの平均年齢が過去最高の「63.6歳」になったという事実は間違い無く在る訳で、「69歳以上が7割を占めた。」という事も併せて、深刻な状況で在るのは確かだ。
過去に何度か書いているけれど、「老若男女を問わず、“好んで”自堕落な生活を送っている人間に対して、国等が救いの手を差し伸べる必要は無いが、必死で頑張っているのにかすかすの生活しか送れない人間に対しては、国等が救いの手を差し伸べる必要が在る。」と、自分は考えている。
ホームレスの中にも色々在ろうから、好んで自堕落な生活を送っている人は例外だけれど、そうじゃ無い人達には救いの手を差し伸べるべきだし、“一過性に過ぎない金銭の散蒔き”で茶を濁すのでは無く、無駄を徹底的に無くした上(「無駄を徹底的に無くす。」という考えを、すっかり忘れてしまった人間が多くはないか?)で、抜本的な対策を打って欲しい。