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「ホームレス襲撃 見過ごしてはならない」(8月21日付け東京新聞【朝刊】の社説より)
ホームレスへの襲撃は、弱者を標的にした卑劣な暴力だ。其の数の多い東京では、約4割の野宿者が襲われた経験を持つ。痛み、屈辱は誰も同じ筈だ。警察や行政当局は、対策に動くべきだ。
東京・上野公園の周辺で暮らしていた60代の男性が此の夏、自ら命を絶った。2年前から此の男性に炊き出しを続けていたヴォランティアの石崎克雄さん(67歳)は、男性が亡くなる前日に知らない若者に金属バットで殴られ、頭から血を流しているのを見た。
男性は此の半年間に何度か通行人に殴られたり、自転車を投げ付けられていた。「疲れた。」と話した翌朝、駅前で亡くなった。
哀し過ぎる。石崎さんは一度暴行の現場を目撃したが、犯人は逃げてしまった。男性を死に追い詰めた事を悔やんでいる。
都内では1995年以降、野宿をしているというだけで襲われ、少なくとも10人が犠牲になった。2005年には墨田区で、高校生に暴行され死亡する事件も起きた。
民間支援団体の調べでは、東京都内の駅や公園等で寝泊まりする野宿者の4割が暴力を振るわれた経験を持つ。台東や新宿等10数ヶ所で暮らす約350人から聞き取った、貴重なデータで在る。
集団で石を投げられる。鉄パイプで殴られる。花火を打ち込まれる。暴行された後に、「死ね。」と言われた人も居る。
見過ごせない犯罪だ。警察は団体の問題提起を受け止め、刑事事件として捜査すべきだ。行政も野宿者が危険に遭わない様、生活再建や支援に、もっと動くべきだ。
加害者には、若者や子供が目立つと言う。
ホームレスなら襲っても良い。社会から追い出して良い。そんな心が在るなら、間違いだ。
一方的に襲われて、どんなに怖いか。悔しいか。我が身に引き寄せて考えたい。
墨田区で、小中学生が野宿者に付いて学び始めている。地元の支援団体の協力で、野宿者を教室に招いて、境遇を語って貰ったりしている。自分と異なる立場の人を知り、子供は一歩ずつ偏見や差別を乗り越えて行くのではないか。
加害者も又、社会の何処かで傷付けられ、爪弾きにされている人達かもしれない。地域の人々の無関心が、弱者排除の連鎖を生み易い。もう目を瞑るのは止めたい。
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「社会的弱者やマイノリティーな立場の人達を、嬉々として甚振る輩。」というのは昔から居たが、近年は其の数が増えて来ている様に感じる。特に安倍政権(2012年~)になって以降、そういう輩が激増している気が。
「(ホームレス暴行の)加害者には、若者や子供が目立つと言う。」と、元記事は記している。確かに直接的な加害者は若者や子供が目立つのだろうけれど、彼等を間接的に“後押し”しているのは大人達なのではないか?「多様性を一切認めず、自分とは少しでも異なる存在を力尽くで排除し様とする。其の際、全く無根拠な“特権”を排除の理由に掲げ、自身の正当性を口にする。」、そんな大人が近年は目立つ。
国民の代表たる政治家に、そういうアホが多い(自身に反対する人達を無根拠に“左翼”と決め付けたり、“信者達”を煽り立てて反対する人達に嫌がらせ攻撃をさせて黙らせたりしている人間が首相なのだから・・・。)のでは、若者や子供が感化されてしまうのも止むを得ないのかもしれないが、全く嫌な御時世で在る。