亡き父は、ヘヴィー・スモーカーの部類だった。自分が幼い頃、父が月に1度位の割合で部下の人達を家に招き、客間で麻雀を行っていたが、飲食物を其の部屋に運んで行くと、室内が紫煙で濛々としており、本当に嫌だった。
又、車で家族旅行する事が多かったのだけれど、車内で父が煙草を吸う際、窓を開けていても紫煙が後部座席に流れ込んで来て、気分が悪くなった事も何度か在る。
そんな自分なので、父が灰皿に捨てた煙草の吸殻を興味本位で1度だけ吸った事は在るけれど(気分が悪くなって、直ぐに吸うのを止めた。)、以降は全く吸っていない。
今では考えられないけれど、昔は“年齢確認”なんてする事無く、煙草を買う事が出来た。小学生の頃、父から頼まれて近所の煙草屋に、煙草を買いに行った事も何度か在ったし。父が好きだった煙草は「チェリー」という銘柄で、此の煙草の販売終了が8年前に発表された際は、寂しい思いがしたもの。
週刊新潮(8月8日号)に、「[廃止]ゴールデンバット、わかば、エコーに、何故今後の差?」という記事が載っていた。「此の3銘柄の煙草が10月以降、在庫の販売を最後に廃止される。」というのは知っていたが、具体的な“裏事情”は知らなかったので、興味深い内容だった。
JTによると、「今年9月末の旧三級品特別煙草税率撤廃により、大幅に値上げせざるを得ないから。」というのが、3銘柄の廃止の理由とか。
非喫煙者なので、「旧三級品特別煙草って何?」と疑問を持ったのだが、記事によると次の説明がされていた。
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「嘗て、品質の余り良く無い葉煙草で製造されていた煙草は三級品と呼ばれ、税率が低く設定されていました。其の名残でゴールデンバット等の大衆煙草は旧三級品として扱われていたものの、其の軽減期間が9月末で終了するのです。」。
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ゴールデンバット、わかば、そしてエコーの3銘柄は、全て販売開始から50年以上経過している。なので、JTには「廃止は寂しい。」、「廃止は困る。」という“愛好者”からの声が届いていると言う。
JTによると、「3銘柄の廃止に伴い、『わかば』と『エコー』に付いては、従来の吸い応えや味わいを変えずに、紙巻き煙草からリトル・シガー、葉巻タイプで9月中旬から発売予定。又、『ゴールデンバット』は、今年の2月から葉巻タイプで販売されている。」との事。
但し、葉巻タイプのゴールデンバットは北海道限定販売で、全国での販売は未定なのだそうだ。「ゴールデンバットは、他の2銘柄よりマーケットが小さいから。」というのが理由。北海道在住“以外”のゴールデンバット愛好者にとっては、嘸や辛い話に違い無い。
中卒で就職し定時制高校に通った環境もあってか、周りにタバコを吸う年長者が多く、18歳ごろに興味本位で吸いはじめ、38歳で禁煙するまで約20年間の喫煙歴があります。
初めて吸ったのは「ピース」、それから「いこい」「しんせい」「わかば」など数銘柄を経て「セブンスター」に落ち着きました。
定番以外にも菊の紋の入ったいわゆる「恩賜タバコ」や外国銘柄、葉巻など興味を惹かれて吸うことがありましたが、「ゴールデンバット」も一度だけ口にしたことがあります。
しかし、今まで売られ続けていたんですねえ、びっくりです。
禁煙して30数年、今ではタバコの臭いが苦痛で、喫煙者がそばにいると、その場から即離れるようにしています。
実に身勝手なものですね(苦笑)。
嘗ての悠々遊様は、喫煙者だったのですね。38歳で禁煙されてから、ずっと吸っておられないというのは、其の意思の強さに感服です。知人にも“元喫煙者”というのが何人か居りまして、禁煙してからもうウン十年経つのですが、其れでも「吸いたいという気持ちが、100%無くなった訳では無い。」と言っています。
煙草が苦手な自分ですが、悠々遊様の書かれた銘柄は全て知っております。文学作品にも銘柄が登場する等、“味わいを感じさせるネーミング”ですね。