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東京中央銀行営業第2部次長の半沢直樹(はんざわ なおき)は、巨額損失を出した老舗ホテル「伊勢島ホテル」の再建を押し付けられる。御負けに、近々、金融庁検査が入るという噂が。金融庁には、史上最強の“ボス・キャラ”が、手薬練引いて待ち構えている。
一方、出向先で執拗ないびりに遭う近藤直弼(こんどう なおすけ)。又、精神のバランスを崩してしまうのか・・・。
空前絶後の貧乏籤を引いた男達。其の外れ籤を当りに変えるのは自分次第。絶対に負けられない男達の闘いの結末は!?
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池井戸潤氏の小説「オレたち花のバブル組」は、バブル期に花形業種の銀行に入行した半沢直樹を主人公に据えた作品。バブルが弾けて以降、銀行の威信は失墜の一途で、半沢達、所謂「バブル組」は厳しい状況に置かれ続けている。
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「オレたちバブル入行組は、ずっと経済のトンネルの中を走行してきた地下鉄組なんだ。」。渡真利のセリフに熱がこもる。「だけどそれはオレたちのせいじゃない。バブル時代、見境のないイケイケドンドンの経営戦略で銀行を迷走させた奴ら-いわゆる“団塊の世代”の奴らにそもそも原因がある。学生時代は、全共闘だ革命だとほざきながら、結局資本主義に屈して会社に入った途端、考えることはやめちまった腰抜けどもよ。奴らのアホな戦略のせいで銀行は不況の長いトンネルにすっぽりと入っちまったっていうのに、ろくに責任もとらないどころか、ぬけぬけと巨額の退職金なんかもらってやがる。オレたちはポストも出世も奪われていまだ汲々としたままだっていうのにな。」。
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前作「オレたちバブル入行組」で“行外の敵”のみならず、“行内の敵”とも闘った半沢。今回も厳しい闘いを強いられるのだが、金融庁の“ボス・キャラ”こと黒崎駿一(くろさき しゅんいち)のキャラクターが秀逸。オネエ言葉でねちねちと、相手の“急所”を的確に突いて来る、実に嫌なキャラクターだから。
相手がどんな人間でも、「不正義」と考えれば怯む事無く、徹底的に立ち向かって行くのが半沢。其のスタイルは、今回の作品でも全く変わっていない。
「『オレたちバブル入行組』、そして『オレたち花のバブル組』の魅力が何処に在るのか?」を考えた時、其れは「多くの人が、舞の海関の相撲に魅了されたのと同じ部分に在るのではないか。」という答えが導き出された。「体躯の小さい舞の海関が巨漢力士に立ち向かい、何度も土俵際迄追い詰められるも、其の度に様々な“技”を繰り出しては、窮地を脱する。そんな彼も“絶体絶命の大ピンチ”に追い込まれ、誰もが『流石に、もう無理だ。」と諦めた刹那、“予想もしなかった大技”を舞の海関が繰り出し、相手を土俵外に打っ遣って勝利を収める。」、そんな姿に爽快感を覚えた人は少なくなかったと思うが、「オレたちシリーズ」では同様の爽快感が得られるのだ。半沢と其の“仲間達”との連携プレーも見事。
ネタバレになってしまうが、精神のバランスを崩してしまった過去を持つ近藤が、出向先で“嘗ての自分”を取り戻して行く過程に心が打たれる。仲間で在る半沢を裏切ってしまう場面も在るのだが、そんな彼を見守る半沢の優しさにもジーンとさせられる。
総合評価は、星4.5個。
相当嘆いていると思うんです。
リーマンショック
インフレデフレの波の激しさ
モノの価格高騰、消費税増税
東日本大震災による不況の波
リストラ、派遣切り、格差社会
非正規雇用の給与の問題
これらはいまだに解決していないのが現状です。
あと、同じ釜の飯を食うと、いう関係も
薄れている、通じなくなってますよね。
仲間たちとの連携プレーなんて皆無と、いうか無きに等しいのがいまの会社社会ですし
いまの社会全体がそうなってるのが
現状ですから。
節電は原発事故の影響ですから
仕方ないでしょうがだからといって
給与格差はあまりにもひどすぎる。
もう少し働く人々の雇用や給与、収入の保障を良くしてはくれないものか。
最低限、いや最低限よりもう少し高めにしてね。
生活保護が若者に多いのは現状とはいえ
あまりにも情けないです。
また、なんで売れてるお笑い芸人や公務員が
生活保護受ける必要や理由があるのか。
もう、能力給や給与格差は勘弁してほしい。
あと、これ以上の公務員の待遇、厚遇は
いい加減にしてほしい。
自分を含めて一生懸命働いている人々の苦労を
政府や官僚や役人や財界、経済界の人たちは
何だと思っているのか。
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「東電幹部 発注先のバカ高スマートメーター製造企業に天下り」(週刊ポスト2012年7月13日号)
東京電力をはじめ、各電力会社が「節電の切り札」として喧伝、マスコミがこぞってもてはやすスマートメーター。企業や家庭にある電気メーターがデジタル表示化され、電力会社との通信ができるようになるものだ。時間ごとに電気使用量が表示され、ボタンひとつで前日や前週との比較もできる。端末が発信したデータをもとに、電力会社はきめ細かな需要予測を立てることも可能となる。
だが、東電が導入しようとしているスマートメーターは“バカ高”なのだ。東電は、1台あたりの調達単価を、2012年度3万円、2013年度1.6万円、2014年度1.2万円と見込んでいる。欧米のメーター単価は1万円程度だから明らかに高い。
東電の筆頭株主である東京都は、6月27日に開かれた株主総会で、「国際標準品の活用を促進するなど設備投資に競争原理を導入」せよ、との株主提案を行なった。とりわけ、スマートメーターについては「コスト削減と利便性の面から情報開示の徹底」が不可欠とした。しかし、この提案は「反対多数」によりあっさりと否決された。
東電がバカ高なスマートメーターにこだわる理由は何か。鍵は、株主総会で承認された役員人事にある。
6月27日の株主総会をもって退任した高津浩明・前常務は、翌28日、「東光電気」という一部上場企業の社長に就任した。東光電気は一般にはさほど知られていない会社だが、実は電気メーター製造大手で、スマートメーター発注先の最有力候補なのである。
東光電気は46%を東電が出資するグループ企業で、高津氏のほか、東電の前電力流通本部副本部長も今回の人事で取締役に就任した。同社では2009年に東芝と東光東芝メーターシステムズという合弁企業をつくり、すでにスマートメーターの生産準備を始めている。
しかも社長に天下った高津氏は、東電でスマートメーターの説明を担ってきた人物である。
高津氏は、料金値上げの際にテレビ各局に番組出演し、説明行脚を行なった。前出の電気料金審査専門委員会にも出席し、スマートメーターについてこう説明している。(5月29日)
「2012年度は1台3万円、本格導入が始まる2013年度以降は量産効果により徐々に単価を落とす。」
そう東電代表として説明していた高津氏が、翌月には発注先の企業に天下りしているのだから、出来レースとみられても仕方ない。
東光電気は今回の人事について、「経営の若返り等を考えた中での適切な人事で、誤解を招く面もあるのかもしれませんが、今回の人事に合わせて、東電関係の事業になにがしかの影響を与えるということはありません」と答えている。
電気メーターはこれまで、この東光メーターを含む大手4社による寡占市場だった。このうち、最大手の大崎電気工業にも東電OBの天下り役員がいる。
東電天下りの実態を調査している猪瀬直樹・東京都副知事は、こう憤る。
「有価証券報告書を調べると、東電の子会社は168社あり、他に関連会社も97社ある。子会社の役員のうち、東電OBが110人、加えて現役の部長クラスが60人も出向していた(昨年10月時点)。さらに出資していなくても天下りを受け入れている“ゼロ連結会社”のうち、東京電力配電工事協力会のグループ11社だけで売上高が900億円。取引先はほとんどが東電です。要するに、東電本体では金がないと値上げ申請をしておいて、子会社に利益をため込んでいるわけです。」
その一角が、このスマートメーター利権なのだ。
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「公務員バッシング」や「警察官バッシング」、「教師バッシング」、「医師バッシング」等々、「特定の対象を、何でも彼んでもバッシングすれば良い。」という世の中の風潮は好きじゃないけれど、東電の“上層部”には憤りを感じる事が多いです。
可成り以前に仕事でアジアに行った際、日本で言う所の「ETCシステム」が実にシンプルで、且つ半端じゃない安さで提供されていました。しかし日本の場合は、ETCを管轄している組織に国交省やら経産省やらの官僚が大量に天下りしている事も在り、「如何に安価に、国民に供するか。」では無く、「国民に対して如何に高く、そして長期に亘って金銭を巻き上げられるか。」という観点でシステムが構築されているとしか思えない。今回のスマートメーターも然り。本当に腹立たしいです。
自分の世代はコロコロ変わる「受験制度」に泣かされたものですが、「就職活動」に関しては比較的楽でした。団塊の世代も“良い目に遭った部分”も在れば、“損した部分”も在った筈ですし、長い目で見たらトントンなのかもしれません。