先日、「不動産リースバック」という記事を書いた所、悠々遊様から書き込みを頂戴した。悠々遊様は天体観測を趣味とされているのだが、余り使わなくなった天文機材を最近、処分されたそうだ。以前はインターネット・オークションを利用して売却されていたのだが、手間を掛けるのが億劫となった事から、時偶利用していた天文機材専門の中古ショップに見積もりを依頼し、買取金額に納得出来たので、其の店に売却。そして、後日、其の中古ショップが運営するインターネット・ショップを悠々遊様が覗かれた所、悠々遊様が売却された物が、買い取り値の3倍位の値で販売されており、其の殆どが既に売り切れになっていたそうだ。「自身が判断した以上に物の状態が良く、又、其れ等のニーズが在ったという事なのでしょう。」、「良心的な中古ショップと目されている其の店でさえそうなのですから、近くの不用品買い取り店だったら、どんな買い取り金額が付けられたのか?」と悠々遊様。買い取り値に納得された上で売却されたとはいえ、非常に複雑な思いだった事は想像するに難く無い。「直ぐに売れない場合、保管料が発生する。」等、店の側の事情も在るのだろうけれど、買い取り値の3倍近くの売値が付けられていたとなると、売却する際に疑心暗鬼になってしまう。
4年前の記事「懐かしい“昭和の玩具”」で書いたけれど、悠々遊様とは逆の経験をした事が在る。今から24年位前だったと思うが、任天堂発売の携帯型液晶ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」を6台売却した時の事。1980年に発売開始となり、非常に人気となったゲーム&ウオッチ。自分が所有していた6台は、入れてあった箱や説明書も無く、幾つか傷が付いている様な代物だった。値段は覚えていないが、子供が小遣いを貯めれば、変える程度の物だったと思う。当時、インターネット・オークション等が一般的では無かった(と思われる)時代なので、インターネット上の「売りますor買いますコーナー」みたいな所に、状態を正直に書いた上で売りに出した。状態が状態なので、「1台数千円程度で売れれば良いな。」といった思いだったのだが・・・。
驚く事に、直ぐに10人程の方から「買い取りたい!」という連絡を戴いた。皆さんが想像を超える高値での買い取りを希望される中、一番熱心だった方は「6台全部で、15万円でどうでしょうか?」という申し入れが。余りにも高額だったので、「入れてあった箱や説明書は無いし、幾つか傷も付いていますよ。其れでも良いのでしょうか?」と連絡した所、「全く構わない。」と。「本当に良いのかなあ?」という申し訳無い思いは在ったが、其の方はきちんと15万円を振り込んでくれたのだった。
又、同じ位の時期だったと思うが、子供の頃より収集していた記念切手の一部を、ゲーム&ウオッチと同様の形で売却した事が在る。大昔なら話は別だが、当時は既に“記念切手の買い取り額が大暴落していた時代”だったので、「切手カタログに記されている様な高い買い取り額は期待出来ない。額面よりも高い値段で買い取って貰えれば、御の字という感じだろうな。」と思っていたら、何と「記念切手カタログに記されている買い取り値で購入したい。」という方からの連絡が在った。何度か連絡を取り合い、実際に会って、手渡しで売却したのだが、其の方からは「欲しい記念切手が纏めて購入出来たので、本当に有り難かった。」と御礼迄された。「記念切手の買い取り価格は大暴落しており、もっと安く購入出来る可能性が在ると思いますが・・・。」と何度か説明したとはいえ、何か申し訳無い思いが。
そんな良い話許りでは無く、悠々遊様と同じ様な経験も在る。9年位前だったと思うが、母が断捨離の一貫で、近くの不用品買取店(全国的に展開している有名なチェーン店)に、着なくなった洋服を売却した際の話。超高額では無いけれど、母としては結構奮発して購入した洋服20点程。状態は悪く無く、加えて全部をクリーニングに出した上で、其の店に訪問。高額買い取りは期待していなかったとはいえ、「古い物ですから、全部で300円で買い取りますが、どうしますか?」と言われた時には、余りの安値に愕然としてしまった。とは言え、「態々車で持って来たし、持ち帰るの面倒。余りの安値は腹が立つけれど、どうせ着ない物だし、仕方無いか。」と売却。以降、忘れた頃に、其の店からは「不要になった洋服等在りませんか?」と電話が掛かって来る。「安く買い取れて、高く売れるのだから、とても有り難い人だ。」と思われているのだろう。勿論、「在りません。」とだけ言って、母は電話を切っている様だが。
20年位前だったが、押し入れの奥に仕舞い込まれた儘の古物の一部を処分した。其の多くは掛軸で、ほったらかし状態だったので、何れも状態は良い物では無かった。だが、亡き父親が「中には、3つセットで100万円位の物が在る。」とずっと言っていたので、所有していた全ての掛軸、確か15幅位在ったと記憶しているが、近くの骨董品店に持って行き、買い取り金額を出して貰った。「全部で約5万円。」と言われ愕然としたが、状態は良く無く、持っていても悪くなって行くだけなので、売却を決断。「3つセットで100万円位。」という話が正しく無かった可能性も在るし、安く買い叩かれた可能性も。真相は闇の中だ。
以前ヤフオクを利用していたころ処分した天文機材では、概ね自分の予想より高値で落札されることが多く、「ほんとにその値段でいいの?」と思うこともしばしばありましたが、メールでのやり取りや品物が相手に無事届いて好評価を付けてもらうまでが、煩雑で面倒になってきました。歳ですかねえ(苦笑)。
古物商にとっては売れるまでのリスクも含めての買い取り額になるので、いくら高額買取とは言っても、そこは売り手との認識に差が出るのは仕方のないこと・・・とは分かっているのですがねえ。
不要になったものの処分としては、
1,同じ趣味の身近な人に譲る
2,ヤフオクやメルカリなどを利用する
3,専門の古物商を利用する
4,近くの古物商を利用する
5,手間をかけず廃棄する
という順番に考えるのが良いんでしょうね。
そうそう、もうひとつ、必要とされるところに寄付する、という手もありました。
新聞記事で朝鮮初級・中級学校が資金難で図書の購入に困っていて、京都女子大学のゼミで本の寄付を募り、必要とされるものを届けていると知り、小説や画集、漫画本など読まなくなって久しいものを50冊ばかり寄付することにしました。
ブックオフに持ち込んでもたいした値がつかないのはわかっていたので、少しでも役に立つならと。
大分前の話になりますが、蔵書をどっさり処分しました。「母子家庭で育ったものの、周りの方々の親切によって、劣等感等も持つ事無く成長出来た自分。」ですので、当初は児童書を中心に、児童養護施設に寄付する事を考えたのですが、調べれば調べる程、踏まなければいけない手続きが結構在り、最終的に有名な中古本買い取り業者に買い取って貰いました。チェーン店系列で、本の価値を鑑定するのでは無く、「一山幾ら」という感じで買い取るスタイル故、二束三文で買い取られましたが・・・。
そういう意味では、悠々遊様が寄付されたというのは、凄く良い事だし、同時に「もっと簡単に寄付出来るシステムが、全国的に構築されたらなあ。」という思いが在ります。恐らく自分の様に、「寄付したいけど、手続きが煩雑なので断念した。」という人が居るだろうから。