************************************************
少年ドラマ・シリーズ:1972年から1983年に掛けて、NHKで放送された、主に小・中学生向けのTVドラマ・シリーズ。1972年の「タイム・トラベラー」【動画】から1983年の「だから青春 泣き虫甲子園」迄、全99作品。1972年1月の放送開始から1973年3月迄は毎週土曜18時枠、1973年度から1975年度は月曜から水曜日、1976年度と1977年度は月曜から木曜日の18時枠の帯番組として放送され、1978年度から1983年度迄は特番として、断続的に放送された。 SF、ミステリー、コメディー、海外作品等、多種多様な内容の作品が取り上げられた。
************************************************
18年前の記事「新八犬伝フォーエバー」で書いた様に、子供の頃、NHKのTV人形劇「新八犬伝」【動画】を夢中になって見ていた。1973年4月2日から1975年3月28日に掛けて、平日の18時30分~45分に放送されていた。そして当時、其の直前に同じNHKで放送されていたのが少年ドラマ・シリーズ。此の少年ドラマ・シリーズも何作か見ており、第1作「タイム・トラベラー」、第9作「続 タイム・トラベラー」【音声】、第25作「夕ばえ作戦」【写真】、第29作「まぼろしのペンフレンド」、第54作「なぞの転校生」【動画】、第63作「明日への追跡」【動画】、第75作「未来からの挑戦」【動画】、第87作「その町を消せ!」【動画】、第90作「七瀬ふたたび」【動画】といったSFが、特に好きだった。(筒井康隆氏、石山透氏、光瀬龍氏、眉村卓氏といった錚々たる作家の原作が使われているのだから、何と豪華な事か。)又、第52作「長くつ下のピッピ」【動画】や第81作「孤島の秘密」【音声】といった海外ドラマも面白かったっけ。
「新八犬伝フォーエバー」の中でも書いたが、1970年代位迄は収録テープが非常に高価だった事から、「TV局では殆どの番組に関し、放送し終えたら、其の収録テープを順次重ね撮り(上書き)する。」という状況だった。詰まり、当時の番組で映像が残っているのは、とても稀有なのだ。
少年ドラマ・シリーズも例外では無く、NHKに映像が残っている作品は少なかった。其処でNHKは「NHK番組発掘プロジェクト」を立ち上げ、「手元に古い番組の映像が残っていないか?」と広く呼び掛けた所、少年ドラマ・シリーズに関しては部分的に見られる物も含めると、「全99作品中、32作品が入手出来た。」と言う。
“発掘”された作品の1つ、第86作「蜃気楼博士」【音声】が先日、NHK BSプレミアムの番組「プレミアムカフェ」で、全12回が一挙再放送された。1978年1月9日から同月26日に掛けて放送された此の番組、自分は見た事が無いのだけれど、都筑道夫氏の原作を使ったミステリー。
「都築氏のミステリーが原作。」というだけでも興味が惹かれるのに、“蜃気楼博士”と呼ばれる主役の久保寺俊作を演じているのが俳優・井上昭文氏だというのだから、見ない訳にはいかない。時代劇の悪役として有名な彼だが、個人的には「ハレンチ学園」の丸ゴシ先生役【動画】や「愛の戦士レインボーマン」のダイバ・ダッタ役【動画】等、子供向け番組でのエキセントリックな役が印象深い。(彼と汐路章氏が非常に似て感じるのは、自分だけだろうか?)「脇役専門といった感じの彼が、主役を張った作品。」というだけでも、非常に貴重だ。
【井上昭文氏】
【丸ゴシ先生(井上昭文氏)】
【ダイバ・ダッタ(井上昭文氏)】
【汐路章氏】
ミステリーとしては突っ込み所が在る内容だったが、井上氏の演技が光る、面白い作品だった。又、今から44年も前の作品という事で、“時代”を感じる場面や台詞が結構在ったのも興味深かった。番組の最後に登場したゲストも指摘していたが、「(スマホなんて無い時代なので)固定電話が、当たり前の様に使われていた。」、「矢鱈と喫煙シーンが登場する。」といった物。そして、刑事が同僚に言った「犯行現場に凶器を残すなんて、頓馬(とんま)な犯人ですねえ。」といった台詞が、とても印象に残った。「頓馬なんて言葉聞いたの、久し振りだ。思えば、すっかり死語だもんなあ。」と感じたので。
1980年から1981年に掛けて放送されたTVアニメに「タイムパトロール隊オタスケマン」というのが在る。じっくりと見た事は無かったので、内容は知らないのだけれど、何故か其のED曲は覚えている。「アーウー・オジャママン」【動画】というタイトルなのだが、其の出出しは「トンマのマントに誘われて 悪い事してるでしょ(アーウー)♪」という物。という事は、「少なくとも此の時代(41~42年前)には、頓馬という言葉が普通に使われていた。」訳だ。
うわ~懐かしいものを思い出しました(笑)。
私が思い出したのは1959年から1960年ころにTV放送されていた「頓馬天狗」のほう。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%93%E9%A6%AC%E5%A4%A9%E7%8B%97
鞍馬天狗をもじったコメディ時代劇で、大村崑氏が主役でした。番組スポンサーが大塚製薬で、大村崑氏とはそのころからのCMコンビになるんですねえ。
今となっては内容の方はほとんど覚えていませんが、主題歌の方は今でも覚えていて口ずさめますよ(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=Z9cEicQQ46I
いやあ、懐かしい。
大村崑氏と言えば、オロナミンCのCMと「どてらい男」の支配人・岡田弥太郎役辺りが、自分の中では最も古い記憶。
とは言え、「頓馬天狗」の事は情報として知っており、決め台詞の「姓は尾呂内、名は南公。」というのも、「当たり前だのクラッカー。」同様、有名ですね。