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「都知事選、小池氏が当選確実 増田・鳥越両氏等破る」(7月31日、朝日新聞)
東京都知事選は31日投票され、元防衛相の小池百合子氏(64歳)が初当選を確実にした。元総務相の増田寛也氏(64歳)=自民、公明、日本のこころを大切にする党推薦=、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76歳)=民進、共産、社民、生活の党と山本太郎となかまたち等推薦=等を破った。国政の与野党の対決構図となった選挙戦だが、小池氏が政党の枠を超えた幅広い支持を集めた。女性知事は全国で7人目、東京都では初めて。
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公示当初から各種世論調査では小池さんが一番支持されていたけれど、結果も其の通りの圧勝だった。其れだけ各種世論調査の精密さが上がっているという事なのだろうが、こうも其の結果通りになってしまうと、選挙自体の面白みが無くなってしまった気がする。昔は結構番狂わせが在り、開票結果にドキドキした物だが。
当ブログをずっと覗いて下さっている方なら御存知の事だろうが、自分は自民党が嫌いだ。と言って、何でも彼んでも自民党を否定している訳では無く、過去には評価出来る部分も少なからず在った。要は是々非々で判断し、総合的には嫌いな部分が多いという事なのだが、今の安倍政権には強い危うさを感じており、自民党は大嫌いな存在となっている。
そんな自分では在るが、今回の候補者の中で選ぶのは増田寛也氏だった。
主要3候補の中から、消去法で真っ先に外れたのは鳥越俊太郎氏。彼のキャラクターは嫌いじゃ無いけれど、都知事としては「高齢」で在る事や「健康面の不安」、そして何よりも具体的な政策が示せなかったのは致命的。
そして次に外れたのは小池百合子さん。先月の記事「“政治の劣化”を嘆く前に」で詳しく書いたけれど、彼女には抑「自身の上昇志向を満たす為、其の時々の権力者に擦り寄る等、処世術が上手いだけの人間。数々のパフォーマンスによって、自分自身を“大きく見せている”だけで、中身が薄い。」という認識しか無い。今回の立候補も「都知事になって、何かしたい。」というのでは無く、「都知事になる事が最終目標。」な気がしている。又、「『自民党都連を“仮想敵”とし、そんな強大な敵から“虐められている”可哀想な私。』を演出する事で、判官贔屓な票を掻き集める。」という下心が見え見えで、「『政策に中身が無い分、ワンフレーズ・ポリティクスや派手なパフォーマンスを多用して誤魔化す。』といった点も含め、小泉純一郎元首相が好んで用いた『劇場型政治』」の再現を試みている。」のも嫌だった。肝心な政策面でも、実現性に疑問を感じる項目が幾つか在ったし。
そうなると、積極的な支持では無いけれど、首長としての経験や現実的な政策、そして安定感から、増田寛也氏を選んだ訳だ。
小池さんが圧倒的な支持を集めた理由は幾つか在ろうが、東京都知事が2代続けて“金の問題”で辞めた事から、「女性は金に綺麗。」という判断も結構在ったと思われる。だが然し、「女性は金に綺麗。」というのが幻想に過ぎないのは、古今東西の歴史を見れば明らか。イメルダ・マルコスさんやエレナ・チャウシェスクさんなんていうのも居たし、女性が関係した金銭に関する犯罪も多く在るのだから。女性だからとか男性だからとかという切り口では無く、要は個人のパーソナリティーに起因しているのだ。
前都知事で在る舛添要一氏が辞任に追い込まれた理由を、もう一度思い返して欲しい。「常軌を逸した公私混同振り」に非難が集まった事も勿論在るが、「其れ等の疑惑に関し、どう考えても嘘としか思えない言い訳を、しらっとし続けた事。」に対する怒りも大きかった筈。詰まり今回の都知事選では、「金に綺麗。」というのと共に、「嘘を吐かない。」という基準で、投票する人間を選んだ都民が少なく無かったのではないだろうか?
そういう点で、小池さんは問題在りと思っている。片山さつきさんと並び、彼女も国会議員時代から平然と嘘を吐く事が多かったから。今回の選挙戦でも、鳥越氏から彼女の発言に関して2つの問題が示されたが、彼女はしらっと「そんな事は言ってません。」とか「事実では無い。」等と口にしていた。然し具体的な証拠(映像や書物)を示されると、「あら、言ってたみたいね。」と惚けたり、「全くの捏造です!」と言い張ったり、挙句には「何とかして下さいよ~。」と他者に科を作って誤魔化そうとしていた。
小泉純一郎元首相や安倍晋三首相の“手法”を間近で見て来た彼女故、折に触れて派手なパフォーマンスを繰り広げ、自身の支持率アップに腐心する事だろう。其の事で多少の“延命”は出来るだろうけれど、「平然と嘘を吐く。」という彼女の宿痾が、墓穴を掘る事になりそうな気がしてならない。“裏切り癖”や“底意地の悪さを感じさせる物言い”によって周りから人は離れ、無用な対立が抜き差しならなくなり、そう遠くは無い先、辞任に追い込まれるのではないだろうか。
「外国籍と日本国籍を有する者は、22歳に達する迄に、何方の国籍を選択しなければならない。」という決まりが在りますから、蓮舫議員の場合は明らかに違法行為だと思っています。又、其れ以上に、二重国籍で在るのを(恐らく)判ってい乍ら、「そうでは無い。」と言い続けていた事も問題。責められて、然るべきでしょう。
唯、「二重国籍」自体は、海外の政治家でも有していた(る)人は居て、カナダのジョン・ターナー元首相がイギリス国籍を有していたし、記憶違いで無ければイギリスのボリス・ジョンソン外相もアメリカ国籍だった筈。「例えば他国籍と日本国籍を有している政治家が首相になった場合、日本の国益に反し、他国の利益に与する政策を行う可能性が在る。」という懸念は理解出来るし、其の可能性は否定出来ないけれど、個人的に最も大事なのは「国籍云々より、其の人間自身が何処にアイデンティティーを持っているか。」ではないかと考えています。日本国籍を有していても、日本に害する言動の人間は居るし、逆に他国籍でも日本に対して深い愛情を持っている者も居る。
くどい様ですが、今回の件、蓮舫議員が責められて当然だと思っているし、彼女を擁護する気は全く無い。彼女のパーソナリティーは嫌いじゃ無いけれど、政治家としてはどうかと思っている。先日の党首討論で「神ってる」という表現を使った様に、彼女の発言には本質を突くというよりも、大衆の受けを狙ったキャッチ―な物が目立つのも、どうかと思っている。(此れは、橋下徹氏にも言えるけれど。)
唯、「女の癖に生意気だ。」という観点からの批判、其れも“尤もらしい例”を挙げての批判が少なく無いのは、個人的にどうかとも思っています。
男だからとか女だからとか、右翼だから左翼だからといった感じで、十把一絡げ的にどうこうも言いたくない。安倍政権には概して批判的な自分ですが、彼の政策を100%否定している訳では無く、(以前にも書いたけれど)評価した政策も在る。自民党には懐疑的な目を向けているけれど、嘗ては評価出来る政治家(大平正芳元首相等。)も居たし。
小池知事も同様で、彼女の発信力は間違いなく凄い。唯、蓮舫議員も彼女もそうですが、誰で在ったとしても平然と嘘を吐くのは駄目!要は、誰だからとか何処の組織だからという事では無く、是々非々で論じたいと思っています。
私は「二重国籍くらいでガタガタするな!です。
危険ならMI5(MI6ではない)みたいな本格的な防諜機関を作るべき。公案捜査庁みたく無能な機関ではなく。
へどが出るのは、他人をあげつらう時はイケイケで、自分の話になるとキョロキョロ目線が動き、「家族のプライバシー護る」と主張しながらバラエティー番組に家族で出演する。
こんな奴が主唱になるなら暗殺したれ!
だいたい「ガラスの天井?」
笑わせるな!
ヒラリーは政治家として三流で、オバマを継承すると謂いながら、オバマケア(元々は亭主のクリントンの発案だ!)の崩壊でも無抵抗!
「女だから」でなく、「無能」だから選ばれないの!!
悪いけど「女」を売りにする政治家はくたばれ! 実力で勝負せい!
偉そうな事を言っても蓮舫は法案を一つでも実現しました?
岩手県知事時代、県の借金を1.4兆円積み増したとか、視察の際にファースト・クラスを利用していたとか、色々言われてはいますが、少なくとも主要3候補の中では“増し”という感じが、増田寛也氏にはしています。地方自治体での行政経験が在るというのは非常に大きいし、又、地に足が付いているという様な安定感も。
小池百合子さん、セルフ・プロモーションの卓抜さは非常に高いけれど、では「実際に、どういう結果を残したか?」と言われれば、思い浮かばない。環境大臣時代、クール・ビズの旗振り役を務めた位か。胡散臭い組織(宗教団体や差別主義的な団体)がバックアップしているのも、非常に気になる所。
まあこの3人のどれかと友達になれと言われたら増田さんを即取り、後の方には帰ってもらいますが、実務と言う点では、かなり問題のある「日本創生会議」&「消滅可能性都市」で恐慌をきたした田舎町がトンチキな政策に奔走して、アホなことになってるのを目の当たりにしてますから、ちょっとね、という印象でした。
http://blog.revitalization.jp/?eid=810905
「政治家は特別、という特権意識は捨て去らねばならないと思います。」というのは、政治家の側としてはNGと思いますが、国民の側には「常に持たなければいけない意識。」だと思うんです。正確に言えば「我々国民の生殺与奪件を握っている、非常に強大な権力を握っている存在。」という意識ですが、そういう意識が欠如していると、“悪い意味で”「政治家だって人間。責めるの可哀想。」と、厳しく言動をチェックする事を怠り、挙句には国を傾かせる事にも繋がると思うからです。
人間が介在している以上、政治には「政局」というドラスティックな面を有するのは否定しないのですが、小泉純一郎氏が首相になって以降“主流”になってしまった、「物事を深く考える事無く、表層的な部分だけで面白おかしく反応する。」という“劇場型政治”は、個人的に決して良い事とは思えないんです。「政治」という物に対し、多くの国民の「関心」を惹き付けたという点は評価出来ても、其の「関心」というのが「煽情的な関心」という面が主ならば、政治は良い方向に進んでいるとは、どうしても思えないし。
唯、「小池には、安倍首相との距離感よりも、国民との距離感を大切にして欲しいですね。」という点に関しては、全くの同感です。
つまり、個性は個性として認めるものの、地位が首長のヴェールを作る最大の要因であると思います。舛添が引き摺り下ろされた課程などを観るにつけても、せこい小役人としての顔が、徐々に露呈するだけでした。だから、指導者とは、ヴェールがあった上で、それをどのように指導と処世に生かせるか、という事でもあると思います。橋下徹は、その意味では、本音と破壊によって聖域を破壊しようとしましたが、それも、ヒールヒーローとしてのヴェールであったと思います。
政治にノーサイドはありませんので、敵となれば、最後まで立ち塞がり、その力が尽きても、小泉の政敵であった、野中のように、細々と復帰をする事すらあります。それは、政局にもよるのでしょうが、都知事とは、立派に政局を作り出せる、重鎮なので、自民党とのバランスは、小池にとっては、実は何より重要であり、自民党の支持者の多くは、小池に投票したとみられています。だから、これは、革新が後退して、保守と改革による、与党のお下の内ゲバでもあると思います。小池には、安倍首相との距離感よりも、国民との距離感を大切にして欲しいですね。
自分が「小池さんを“政治家”として受け容れ難い最大の理由」は、記事でも書いた様に「保身の為なら、平然と嘘を吐く。」という点です。
誤解しないで欲しいのですが、「政治家たる者、一切嘘を吐いてはいけない。」なんて言う積りは在りません。国益を損ねるケース等、政治家は嘘を吐かなければいけない場合も在ると思っています。然し、例えば今回のケースで言えば、鳥越氏に対する“病み上がり発言”なんぞは別に“差別発言”と自分は感じないし、「言ってない。」なんて嘘を吐く必要性は全く無かった。「差別的な意味合いで言った訳では無いけれど、そう感じさせてしまったら申し訳無い。」と言えば済む話。なのに、ああだこうだ言い逃れをした挙句、「あら、言ってたみたいね。」とすっ呆ける。こういう「詰まらない事で、平然と嘘を吐く。」というのが彼女には以前から目立つんです。「詰まらない事で、平然と嘘を吐く。」という政治家は、国民に対しても平然と嘘を吐き捲る事でしょう。そういう積み重ねが、結局は国民の信頼を失うだけでは無く、政治を停滞させる事に繋がる。
昔から「男性」とか「女性」といった部分を前面に打ち出して来るタイプが苦手で、そういう意味でも小池さんは好きじゃ無いですね。政治家もそうですが、「能力が在る人間が選ばれたら、其れが結果的には男性だったとか、女性だった。」というのは良いのだけれど、「男性だからとか女性だからというのを前面に押し出して、其れが故に選ばれる。」というのは、個人的にどうかと思っています。
「社会の中で、女性の活躍の場がもっと広がれば良い。」とは思っていますが、「女性」を売りにして伸し上がって行くのは本末転倒。野田聖子さんみたいなのは好感が持てますが、都合が悪くなると科を作って媚びる様な小池さんの遣り口は、「所詮女性は・・・。」と不興を買うし、結果的に能力の在る女性迄もがそういう目で見られてしまう事を憂います。
「安倍政権の別働隊として、政権には歩み寄ると思います。」、此れは全く同感。政権維持の為には何でもする安倍首相だけに、巷間囁かれている様に「小池都知事が大阪維新の会とくっ付いた後、改憲への推進役として利用する。」のは充分在り得る。
話は全く違うのですが、今回の選挙結果で印象に残ったのは、山口敏夫氏と桜井誠氏に付いて。
嘗ては政界で其れなりの存在感を示していた山口氏ですが、今回の得票数は僅か「15,986票」。隔世の感が在りました。
又、極端な差別主義で知られる“在特会”の元会長・桜井氏は、泡まつ候補の1人という扱いでしたが、得票数は「114,171票」。想像していた以上の得票数で、排他主義&差別主義が世界に広がりを見せる中、我が国も例外では無い事を改めて感じさせられた。
都知事の資質については、早々と辞任するか、長命となるかは分かりません。小泉流といいますか、対話と圧力を存分に駆使して、上手く処世して行きそうな印象はありますが、議会をやり玉に挙げて、代わりに、都の官僚機構気質には阿る、という、自民党流を踏襲する人材に過ぎない、という事はあると思います。安倍政権の別働隊として、政権には歩み寄ると思います。つまり、小池自身の対自民の関係修正の道具として、都知事の地位は利用され、都政が左右される、という事にもなり兼ねないと思います。
外遊も派手なものが好まれそうですね。舛添のように嫌われて居ない事は、小池の生命線でしょうね。自民党を割った事も、よく似ていますね。そして、それに圧勝する、という、どこまで計算付くなのでしょうか。社会的少数者に対する憐憫の情が無ければ、ダイバーシティの考えは脱胎すると思いますので、マイノリティを擁護する、というウルトラCはあるのでしょうか。高支持率に支えられている初動こそが、ウォッチの為所だと思います。