中国を初めて訪れたのは、今から24年前の1993年だった。プライヴェート旅行でだったが、天安門広場で金髪&パンク・ファッションの若い中国人男性を見掛けた時は、「中国でも、こういう格好をしている若者が居るんだなあ。」と驚いた。流石に天安門広場では人民服姿の人は見掛けなかったが、裏通りに入るとチラホラ見掛けられ、何か安心した記憶が在る。
で、当時の北京で他に印象に残っているのは、交通マナーが非常に悪かった事。車がビュンビュンと道路を走る中、大量の自転車が車の間を縫う様に走り回っていた。彼等は信号なんか殆ど守っておらず、歩行者は横断歩道以外の場所を、タイミングを見計らって向こう側に渡るという感じ。「こんな状況じゃあ、交通事故の被害者は多いんだろうな。」と思ったもの。
彼から24年経ったが、中国では交通マナーが相変わらず悪い様だ。昨日のTV番組で報じられていたのだが、「高速道路内を子供達が集団で渡ろうとし、1人が車に撥ねられる。」なんて場面が登場し、「日本じゃあ考えられないなあ。」と驚いてしまった。
「信号を守らない。」という人が多く見受けられる様で、政府は色々対策を打っているのだけれど、其の対策というのが矢張り「日本じゃあ考えられないなあ。」という物許り。
交差点前の歩道に自動改札の様な物が設置され、信号が青にならないと交差点を渡れないという措置が、湖北省では取られているのだとか。交通マナーの悪い彼の国では、こんな事をしても平然と乗り越えて行くだろうし、何よりも交差点以外の場所を、交通ルールを守らないで渡って行きそうだ。
江西省では、「信号を守らないで横断した所を警察官に見付かったら、其の場で拡声器を使い、『もう信号無視はしません!』と100回言わされる罰が科されている。」のだそうだ。「宿題をして来なかった生徒は罰として、水の入ったバケツを両手に持たされた状態で、廊下に立たされた。」という事が昔は在ったけれど、そんな事を思い出させる光景。
それに比べ日本人は良くも悪くも、お上からのお達しには概ね従順というお国柄なんでしょう。
でもそれって昔からだったのでしょうかね?
中国の交通マナーの悪さに関しては、“今の日本”では考えられないレヴェル。でも、自分が子供だった頃を思い返すと、横断歩道を渡らなかったり、信号無視して横断する人は少なからず居ましたね。でも、月日を経る毎に交通マナーは改善されて行った。子供の頃に交通教育を施して行く環境が、現状を作り上げて行ったのかもしれません。
ところが最近問題なのは、自転車のマナーの悪さです。
定められた区間以外は、歩道を通行してはいけないはずなのに、狭い歩道を歩行者すれすれに走ったり、法改正で道路の路側帯は左側通行厳守で、右側は道交法違反なのに、右側路側帯を走ったり。
この程度はまだマシな方で、最近では赤信号を平気で突っ切る自転車が増えています。この間など、正面の信号が赤に変わったのに、猛スピードで走り越えた自転車がいました。青信号で発進しようとした車の方が呆れて見送っていました。
もう一つ、これは私の体験ですが、ガード下の通路を歩いていると、いきなりドスンと衝撃が。中年女性運転の自転車がぶつかったのです。スピードが出てたようで、数歩前につんのめったほどです。
ところがその女性、「あ、すみません」と言ったきり、そのまま走って行きました。「怪我はありませんか」ぐらい訊ねるべきでしょう。私もつい「待ちなさい!」と怒鳴ると、さらにスピードを上げて走り去りました。
幸い、服は汚れましたがどこも怪我はありませんでしたが、これがもしお年寄りだったら転倒して大怪我、最悪死に至ったかもしれません。ゾッとします。
自転車に関する限り、交通マナーの悪さでは、日本は中国に近づいているような気がします。大きな事故が起きないうちに、学校とか警察で、自転車運転マナー講習を義務つける等の方策を採るべきではないでしょうか。
ところで上の本文にある
>「信号を守らないで横断した所を警察官に見付かったら、其の場で拡声器を使い、『もう信号無視はしません!』と100回言わされる罰が科されている。」
というのは面白いですね。日本でもこんな罰を与えてはどうでしょうか。結構効き目がある気がしますね。
確かに自転車利用者のマナーの悪さは、最近良く見聞しますね。自分の兄弟も坂道を歩いていた際、後ろから猛スピードで走って来た自転車が直ぐ傍を通り過ぎ、冷っとした経験が在ると言っていました。
幼少期、交通安全教室では“歩行者としての安全マナー”を学ぶ我が国。だからこそ、歩行者としてのマナーは悪く無いけれど、教わっていない“自転車利用者としてのマナー”に関しては、全体的に良いと言えない。「“上から教育された事”はきちんと守るけれど、“上から教育されなかった事”は駄目。」というので在れば、情け無いですね。