世の中には、“決して忘れてはいけない事”というのが在る。過去に何度か書いたけれど、「阪神・淡路大震災」や「東日本大震災」、「日本航空123便墜落事故」等は、無念の内に亡くなられた多くの人達の思いを癒す意味でも、決して忘れてはいけないと思っている。
此れ又、過去に何度も書いているが、「6年前、当時の野田佳彦首相が『消費税アップで国民に負担を求める以上、国会議員も自らの身を切らなければいけないと思う。次の国会会期内(2013年1月28日~6月26日)に、議員定数の大幅削減を含む抜本改革案を纏める事を約束してくれるなら、衆議院解散に踏み切って良い。』と当時野党だった自民党の安倍晋三総裁に申し入れた所、安倍総裁は公の場で了承した。」という事実も、絶対に忘れてはいけない。
“国民との約束”でも在るのに、6年経っても全く約束は果たされていない。(2016年に衆議院議員定数が「10減」されたのは、裁判所から「衆院選の“一票の格差”是正」を過去に何度も何度も求められ続け、此れ以上逃げ切れなかった為で在り、6年前の約束とは関係無い。)公約には無い“自分の趣味”に関しては、次々と強引に推し進める一方、国民との約束を全く果たそうとはしない安倍首相。嘘を平然と吐く体質は、こういう所にも現れている。
国会議員による不祥事が繰り返される度に怒りを表したり、政治のゴタゴタを「野党が駄目だからだ。」の一言で片付ける人達は少なく無い。でも、そういう不祥事をきちんと記憶し、改めさせ様とし続けている人は、果たして何れだけ居るだろうか?6年前の国民との約束も同様で、国会議員達にとって不都合な事は直ぐに忘れてしまう国民が少なく無いからこそ、国会議員達は遣りたい放題して同じ様な不祥事が繰り返されたり、約束が守られないのだ。「政治が悪い!」というのは、結局の所「国民が一番悪い!」という事。
昨日行われた「南北首脳会談」は、日本でも大々的に取り上げられた。2000年&2007年に続き、今回で3度目となる南北首脳会談だが、「北朝鮮の指導者が初めて軍事境界線を徒歩で越え、韓国側に足を踏み入れたという“演出”。」を含め、マス・メディアが大騒ぎするのは判らないでも無いけれど、もう少し冷静に報じた方が良いと思う。「今回の南北首脳会談で、一気に平和が訪れる。」といった論調は、個人的にどうかと考えているので。
今回の出来事が良い方向に向かってくれるのは望む所だけれど、過去2度の南北首脳会談で出された共同宣言は、北朝鮮によって反故にされている事実を忘れてはいけない。
そして何よりも、「最高指導者たる金正恩氏が過去に、叔父・張成沢氏や兄・金正男氏を含め、自分の立場を少しでも危うくすると考える存在を次々と、大量に“惨殺”して来た。」事実を忘れてはいけないだろう。何れだけ親しみ易さをアピールした所で、彼が考えているのは「保身」だけなのだから。
チャイナスクールやコリアは、ネット右翼と同じような蔑称でもあり続けて来たと思いますが、日本がアメリカの隷下から脱却して、自立した外交を取るに従い、そうした、国際的な価値観や道理に通じた人材というのは、重宝されるのではないでしょうか。
要するに、アメリカを前提として、外交や国家戦略を考えるのではなく、かつての日本がとったような親アジア的な、「保守の多元主義」の選択も取られるようになるべきだと思います。
北朝鮮の粛清については、国家体制が違うといいますか、元首の権力が絶大だからこそ、可能であった蛮行だと思います。階級社会を掲げる中朝と、平等社会の日本ですが、武士のような選ばれた政治エリートの確保と育成によって、元首の交代がない彼らと「長いレース」が出来るような環境とシステムを整えていくべきだと思います。
良い悪いは別にして、中国の外交戦略というのは実に強かだと思います。「A国と友好的な遣り取りをする一方で、A国と対立していたり、中国自体と対立しているB国と密かに交渉する。」、要は中国にとって最も実利が得られる外交戦略を常に心掛けている。
アメリカ追随型の外交戦略というのは、実際の所「戦略でも何でも無い。」と思うし、中国的な狡猾さを少しは見習うべきだとも。飽く迄も「少しは」で在り、そういうのが全面的に出過ぎてしまうと、各国から相手にされなくなってしまいますが。
人としてのトランプ大統領は大嫌いだし、彼の言動に共感する事は皆無に等しい。でも、仮に今回の南北首脳会談、そして来るべき米朝首脳会談により、真の意味での平和が導かれたとしたら、トランプ大統領の“傍若無人な言動”が北朝鮮に変化を与えたとも言え、そうなるとアメリカのメディアが書いている様に「ノーベル平和賞受賞の可能性が出て来る。」という、考えられなかった事態も。色んな意味で好きだったオバマ前大統領は“正攻法の外交”を行っていたけれど、其れでは北朝鮮問題は解決しなかった事を考えると、実に複雑な思いになります。