ミステリー関連の年間ブック・ランキングで、自分が注目しているのは「本格ミステリ・ベスト10」(発行元:原書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(発行元:文藝春秋)、そして「このミステリーがすごい!」(発行元:宝島社)の3つ。先日発表された「2019本格ミステリ・ベスト10【国内編】」と「2018週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」に続き、「このミステリーがすごい!2019年版」が発表となった。
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「このミステリーがすごい!2019年版【国内編】」
2位: 「ベルリンは晴れているか」(著者:深緑野分さん)
5位: 「宝島 ~HERO’s ISLAND~」(著者:真藤順丈氏)
10位:「火のないところに煙は」(著者:芦沢央さん) / 「グラスバードは還らない」(著者:市川憂人氏)
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閑話休題。
「3億円事件」発生から丁度50年目の日という事で、昨日は「“忘れられない未解決事件”のトップ10」という記事を書いたが、今、「3億円事件」に関する或る本が注目を集めている。其の本のタイトルは「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」で、先日上梓された許り。
「3億円事件」の犯人を名乗る白田なる人物が、小説投稿サイト「小説家になろう」に独白を投稿し、大きな話題となった事から、今回の上梓に到った。「嘘だ!」、「嘘にしては、内容にリアリティーを感じる。」等、様々な意見が飛び交っている様だ。
興味が在り、書店で「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」を手に取ってみた。考えが古いのかも知れないが、「“犯罪者”が上梓した本に、金を払うのは気が進まない。」ので、パラパラと立ち読みする事に。読んだのは、全部で20頁程。全体の約8分の1にしか過ぎないので、其れだけでどうこう言ってしまうのは乱暴では在るのだけれど、読んだ範囲内での感想を書いてみる。
「何故、今になって犯人と名乗り出たのか?」に付いては、「妻が亡くなった事で、息子に初めて『自分が3億円事件の犯人で在るという事。』を告白した所、『罪を償う意味で、犯行に関して明らかにした方が良い。』と言われたから。」だとか。白田氏自身、体調に不安が在る様で、自分が生きている内に明らかにし様と思い立ったと言う。
個人的な印象を言えば、「白田氏=『3億円事件』の犯人」というのは疑わしい気がする。
「“読み手を非常に意識した文章”というのが、“普通のおっちゃん”が書いた物とは感じられなかった。」し、「具体的に書かれている様で、善く善く読むと“曖昧さを残している部分”が散見される。」のも引っ掛かる。
又、贖罪の意味で書いたという割には、奪った金の使い道等、今回の本の中で触れられなかった事柄に付いては、「後日談として発表したいと思っている。」としていて、「更なる印税を得たいだけなのでは?」と感じてしまったし。
「真実は、本人のみぞ知る。」で在るが・・・。
それもそのはず、第九回山田風太郎賞受賞を取っています。
ホントは、冒険小説だと思ってました。^_^;
「宝島 ~HERO’s ISLAND~」、粗筋を読んで「面白そうだな。」と感じ、“読まなければリスト”に入れております。何しろ読みたい本がてんこ盛りなので、実際に読むのは先になりそうですが、読んだ際には此方で取り上げる予定です。
今後とも何卒宜しく御願い致します。