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「セ・リーグは29日に開幕延期 4月3日迄デー・ゲーム」(3月19日、スポニチ)
プロ野球セ・リーグは19日、東京都内で臨時理事会を開き、東日本大震災の影響を考慮して、当初の25日の公式戦開幕を29日に延期する事を決めた。東京電力と東北電力管内の試合を4月3日迄はデー・ゲームで行い、5日以降の両管内のナイターを「減灯ナイター」として節電に努める。
当初予定の開幕3連戦、巨人-横浜(東京ドーム)等を、レギュラー・シーズンの最後に回す。
此の他に「(1)レギュラー・シーズンの延長戦を実施せず9回打ち切り。」、「(2)東京、東北電力管内では夏場も可能な限りデー・ゲームでの開催を検討。」、「(3)被災地対策や観客、選手、球場の安全確保や節電問題等に対処する為セ、パ合同での震災対策会議の設置。」を決めた。
リーグは「ファンの皆様へ」と題した文書で「選手の真剣なプレーを御見せし乍ら復興を全力で支援したい、という気持ちに変わりは在りません。」とし、節電配慮の開催へ理解を求めた。
開幕カードは「横浜-ヤクルト(横浜)」、「阪神-中日(京セラドーム大阪)」、「広島-巨人(マツダスタジアム)」となった。
日本野球機構(NPB)は17日にセは予定通り25日に開幕すると発表した。しかし、18日に文部科学省からナイター開催を自粛するよう異例の要請を受け、対応を協議していた。
17日の記者会見でプロ野球の加藤良三コミッショナーは、監督官庁、政府の指示には従う意向を示していた。
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16日の記事「宗教団体は誰の為に存在しているのか?」でチラッと書かせて貰ったが、「3月25日のセ&パ同時開幕は取り止め、延期した方が良い。」というのが個人的な考えだった。パ・リーグは開幕を4月12日に延期する事を決めたが、セ・リーグは3月25日に固執。しかしセ・リーグの姿勢は世論の猛反発を招いた上、文科省からの要請が出た事も在り、止むを得ず「4日間の延期」という事になったのだろう。
「こういう時期だからこそ、全国民を励ます意味でも予定通り開催した方が良い。」という意見は、全く判らないでは無い。昨日のTV番組でビートたけし氏が「今回の地震発生以降、下痢が止まらなくて薬を飲んでいる。」といった発言をしていたが、余りにも悲惨&不安なニュースを連日見聞していると、精神的&肉体的に変調を来たしてしまう人も少なくないと思う。被災された方々の事を思えば、此の程度で泣き言を言ってしまうのは申し訳無いのだけれど、事実は事実として「ほんの一時でも、気分転換を図りたい。」と思ってしまうのも致し方無い事だろう。「プロ野球の開催で、一時でも『現実の辛さ』から逃避したい。」と考える人が居ても、自分は其の人を責められない。
昨日、街中を歩いてみたら、ゲーム・センターやパチンコ店が営業していた。店内の明かりを落とす等の配慮がされていたけれど、「こんな時期に営業しているんだ。」と一瞬不謹慎にも思えたのだが、でも「ゲーム・センターやパチンコ店が営業を取り止める事で、其処に従事している人達は経済的なダメージを被るんだよなあ。」と思い直した。プロ野球の開催延期で経済的なダメージを被る関係者は少なくないだろうし、「大地震で大きな被害を受けたけれど、こんなにも早くプロ野球開催出来たのだから、日本は大丈夫だな。」と海外諸国に感じさせ、経済復興の足掛かりにさせるという面も無くは無い。
でも矢張り「観客等の安全確保や不安定な交通事情を考慮する。」と、開幕は延期した方が良い。輪番停電で多くの国民が我慢している中、杲々と照明を付けてのナイターというのは違和感を覚えるし、折角定着しつつ在る「節電意識」が、ナイターの実施で緩んでしまわないかとの懸念も在る。「多くの選手達が、早期開幕に疑問を感じている。」と言うし、そんな状況下では彼等に100%のプレーを求めるのも酷だ。
「大きな余震発生の可能性も考慮し、開催は4月中旬辺りが良いのではないか。」という思いは在るけれど、開催場所や開催方法(本来は「白黒付く迄試合延長派」の自分だけれど、今シーズンに関しては「延長を行わず、9回で打ち切り。」というのも当然に思う。)を一定配慮した上で「3月29日の開催」を決めたのならば、「此の形で行くしかないかなあ。」という気もする。経済を少しでも盛り返させられれば、其れによって税収は増えるだろうし、延いては被災者の方々への国家的支援がより多く出来るかもしれないから。
「気持ちに寄り添おうとする」ということは、確かに物質的には何かを生み出す訳でも何でもありません。けれども、だから一笑に付してしまっていい、ことなのだろうか本当に、と思うのです。
イースタンリーグは昨日開幕しましたが、スポーツ紙によれば、ファイターズのあるコーチが「別世界過ぎて被災地の人には見せられない光景だ」と言っていたそうです。
昭和天皇崩御の際、TVは此の件に関する番組一色でした。「昭和天皇の事“だけ”を考えない人間は非国民だ!」的な雰囲気が世の中に漂い、其の事に何とも言えない息苦しさを感じた人も少なくなかった筈で、だからこそレンタル・ショップを訪れる人が多かったのではないかと。
未曾有の大災害を受け、全国民が一致団結しなければならない状況なのは事実。でも、だからと言って「四六時中被災者を思い、其れ以外の事に気を向ける人間は不謹慎だ!」とか、「経済活動を最優先にしろ!」といった、余りに極端な思考もどうかと思っています。「被災者の今」を思い遣る一方で、彼等をより手厚く救済する意味でも「経済活動の活性化」にも目を向けなければならない。要は「其のバランス感覚」が重要でしょう。
輪番停電等により、被災者では無い我々は「非日常的な生活」を強いられている。でも被災者達は、我々の比では無い「非日常的な生活」を強いられている訳で、“或る程度”の我慢を我々は甘受しないといけないでしょうね。
セの開幕延期は1カード分だけ、「延期しろと言われたから仕方なくやりました」感がありありです。当面はデーゲームといった調整すらも出来ないのでしょうか。そもそも開幕時期ではなくやる場所や時間帯が問題となっているのに、それを理解していないお偉方が多いのには失望しかありません。
・元々来月の同時開幕で他球団がまとまりかけていたところを、一球団どころか「たった一人」のゴリ押しでひっくり返した印象が依然強い
・観客や周辺地域に一切弊害が及ばないという具体的なデータがない
・ナイター「解禁」日の東京ドームで集客力の高い巨人―阪神戦が組まれている
・官公庁やお客様センターが閉まっている(=直接文句が言えない)休日に発表した
実際にはまっとうな理由があるのかもしれませんが、少なくとも上記のような「疑い深い人に邪推される」要素は十分で、これに対する十分な説明がまったく果たされていないと感じています。
今後、需要の増える夏場には都内でも停電に踏み切るという話もあり、依然「非常事態」は続いていると感じております。
私も応援するチーム(YB)のプレーを見たいのはやまやまですが、このような危機管理意識の弱い組織の試合を安全に観戦できるとは思えないため、しばらくセの試合には足を運ばないことになりそうです。
上で青空百景様へのレスでも書かせて貰いましたが、「『不謹慎』という言葉を前面に押し立て、何でもかんでも自粛。」という考え方には疑問を持っております。被災地の復興を後押しする為には「莫大な資金」が必要なのは事実で、其の為にも「冷え込みに冷え込んでしまった経済」を一日も早く活性化させる必要は在るでしょう。
唯、現状を鑑みた場合、「直ちにプロ野球の試合を行う。」というのは、諸々の面で無理が在ると考えざるを得ない。近年は割合まともな方向性を打ち出していたと思う我がジャイアンツが、今回は「おかしな旗振り役」となってしまったのが残念でならない。
電力供給は綱渡りだし、電車も一部運休が続いていますし、福島原発も終息にはほど遠い状況です。
こんな状態で、選手も意気が上がらないでしょうし、帰りの電車が運休したら、また帰宅難民が溢れるでしょう。
私は個人的には、もっと開催を遅らせるべきだと思います。1か月くらい後の4月下旬で十分だと思います。
経済活動云々という声もありますが、その分閉幕が後ろへズレるだけなら、大した影響ではないでしょう。星野監督も、「シーズン終了が12月になったって構わない」と言ってるそうですし。
大相撲は、八百長問題だけで春場所を中止しました。巡業も中止。それこそ大相撲関係の経済活動は大打撃です(代替開催もないわけですし)。それでも受け入れたわけですから。
仮に、プロ野球関係の経済活動が何割かマイナスになったとしても、こんな未曾有の大災害では仕方ないでしょう。地震でドーム球場がぶっ壊れなかっただけでも幸いなのですから。
昨日、日テレ系の番組では無かったと思いますが(笑)、阪神淡路大震災で被災した人達に行った「プロ野球の開幕を遅らせるべきか否か?」というアンケートの結果を報じていました。個人的に可成り意外だったのは、「遅らせる必要は無い。」という答えが結構在った事。「辛い状態を、少しでも忘れたいから。」という理由が散見されたと記憶しています。
唯、未だに小さくない余震が続いている中、観客の安全を考えたら、早くても「4月中旬」辺り迄の延期がベターかもしれません。勿論、電力供給の不安定さも要因としては大きいですし。
阪神大震災体験者には多いでしょうね
自分も名古屋より西でやる分には構わないのではないかという考えだったのですが、ただしダウンスケールしなければ開催できない面は多々あるだろう。今はそれすらも言いにくい。もし自分がブログやツイッターなんかやっていたら本当に苦痛だったと思う。
巨人、ヤクルト、横浜だけ限定でシビアに考えて1:ダウンスケールして開催する・2:そのままのスケールで開催して反感を買う・3:開催しないの三つを今実行して、2は短期的に利益を得られるが中長期的には損をする、かなあ。1だったらやらないほうがいいぐらいなもなあ。
他の球団は地域事情がまた違うように思う。
やりたければ臨機応変に大井川より西の球状を借りればよいのだが、準備期間があまりになさすぎるのでしょう。
「野球選手の本分とは何なのか?『開幕を大幅に延期して、野球選手達を被災者のヴォランティア活動に従事させるべき。』とか、『こんな状況下で、呑気に野球をしていて良いのか?』といった意見も在るだろうけれど、『では果たして野球選手達が被災地に行って、被災者達の為に100%働けるのか?』となると、其れは其れで疑問を感じる。野球選手の本分は必死でプレーする事により、見ている人達に『元気』を与える事ではないかと思う。規定通りに開催するというのはどうかと思うけれど、安全対策や節電対策等を充分に図った上で、(一定期間遅らせる事も含めて)開催した方が良いと思う。」。或るプロ野球OBが、こんな趣旨の発言をされていました。
セ・リーグが「予定通りの開催」を明らかにした際、多くの批判が起こった背景には「安全対策や節電対策等が充分図られている様には感じられず、経営者としての論理が余りにも色濃く感じられた事に加え、ナベツネの傲岸不遜な物言いが火に油を注いだ。」様に感じています。
昔に比べたら人気は下がったかもしれないけれど、それでも我が国ではプロ野球の影響力は大きい。開幕日を延期するにせよ、何時かは開幕を迎える訳で、其の際には募金活動を積極的に行うと同時に、興行収益の一部を募金する等して、被災地の支援に回して貰いたいです。
Jリーグの実行委員会の会議では、
「もし、デーゲームで試合を行なったとしても、計画停電で信号が止まった交差点で試合の観戦に向かっている人が事故を起こした際、誰が責任を取るのか?」
という意見が出されたのだそうです。セ・リーグの関係者にこんな発想はないでしょうね。もっとも、悪く言うと、Jの経営幹部には役所の地域振興関連の部署に携わっていた人もいるそうなので、役人的な事無かれ主義と受け取れなくもないのですが。
僕の趣味のマラソンについても、世界陸上代表の選考レースが相次いで中止になっています。これは自粛ということではなく、大規模な大会では警察や自衛隊の協力が不可欠であることが関係しているせいだと思います。西日本の小規模な大会は予定通り実施している大会も少なくないようです。
セ・リーグの決定に少なからずの国民が疑問を感じたのは、「大衆娯楽の担い手としての主張」というのでは無く、「経営者としての主張」としか感じ得なかったからではないかと思うのです。「大衆娯楽の担い手」としての意識が強ければ、一番に考えるべきは「国民の存在」。安全面で在ったり、有形無形の負担で在ったり、気持ちの問題で在ったりと、そういった事柄を軽視して、算盤勘定に走り過ぎたのが非難される大きな要因でしょうね。