当ブログをしばしば覗いて下さっているやま様が、御自身のブログ「やまの日々是平穏」内で「社員活性化のセミナー」という記事を書かれている。「会社と仕事の在り方」に付いて書かれたものなのだが、先日読んだ「週刊朝日(2月25日号)」に載っていた或る記事を同時に思い浮かべてしまった。その記事のタイトルは、「人力舎 超脱力経営の美学」。
お笑いに興味が無い人間でも、吉本興業の名前は知っているだろう。今や関西のみならず日本のお笑い界を牛耳る芸能プロダクションの雄。「吉本芸人無くして、バラエティー番組は存在し得ず。」というのが、TV界の現状だろう。第二次お笑いブーム(人によっては、第三次お笑いブームとも称されるが。)の今、巨大芸能プロダクションの吉本と互角に渡り合いながら、関東の中堅芸能プロダクションの一つがお笑い界を下支えしている。その芸能プロダクションの名前が人力舎。
嘗て、人力舎の名前はディープなお笑いファンの間では知られていたものの、一般の認知度は極めて低かったと言える。お笑い大好き人間の自分なので、このプロダクションの名前は知っていた。それでも、古くはマルセ太郎やゆーとぴあが所属し、最近では光浦靖子が在籍しているプロダクションというレベルの知識しかなかった。ところが、今やドランクドラゴンやアンジャッシュ、アンタッチャブル、おぎやはぎに北陽といった当代お笑い界の人気者を多く抱える存在となっている。
今回の記事を読んでいて初めて知ったのだが、嘗てこのプロダクションには柄本明率いる劇団東京乾電池や大竹まことのシティボーイズ、竹中直人、マギー司郎、そしてヒロミのB21スペシャル等が在籍していたという事。これだけの顔触れを所属させていながら、都心に自社ビルを構える大手プロダクションになるでもなく、青梅街道沿いの小さな雑居ビルに事務所を構える中堅プロダクションである現実が面白くも在り、不思議な所。それもこれも、一代でこのプロダクションを築き上げた玉川善治社長の経営美学が、大きく影響しているとも言える。
この手の記事は多分に提灯持ち的な部分も在るので、話半分で読むとしても、この社長の経営美学は非常に変わっていると言える。何しろ、自ら苦心惨憺してスカウトして芸も売り上げも一流の域に育て上げた芸人を、惜しげもなく独立させてしまうからだ。
古くより、所属タレントがプロダクションから独立する際には、大揉めに揉めるケースが殆ど。独立するタレントが有名であればある程、その独立は当該プロダクションの存亡の危機にも直結し兼ねず、易々とは独立を認めないのがプロダクションのスタンス。円満独立と報じられるケースでは、多額の移籍金がプロダクション側に支払われるのが常。強行して独立に踏み切ったタレントが長期に亘って芸能界から”干される”ケースも少なくない。昔で言えば森進一や沢田研二、田原俊彦(本人の暴言による部分も大きいが。)等が、最近では鈴木あみがこのケースに当たると言える。
そういった”業界の常識”に反して、人力舎では社長自らが独立を促すのだという。シティボーイズで言えば在籍10年で、B21スペシャルは8年で独立を促したのだとか。勿論、闇雲に独立を認めている訳ではなく、12ヶ月間連続で月間の売り上げが1千万円を超える事、本人が同意すれば担当マネージャーも道連れにして倍額の給料を払う事が条件という。
玉川社長の持論が面白い。
「無名の新人を育てて、如何にして売り込むかが人力舎のビジネスの主眼で在り、僕の最大の楽しみでも在る訳。精魂込めて人作りをしている自負心から言いたい事を自由に言わせて貰いながら、誰に諂う事もしたくない。会社が成長すると創業者でも勝手が利かなくなるし、僕にとって芸能プロダクションは家内工業が在るべき姿で、焼き鳥屋のオヤジ感覚の経営者で居たいんだよね。」
「うちでは大きな仕事をする時、言い出しっぺ(の社員)に社長の特権を与える。マネージャーを全員使っても良い。失敗しても僕が責任を取れる範囲でゴーサイン出す訳だけど、結局、仕事を遊んでしまおうという事。遊びなら失敗して当たり前だから、くよくよしない。それで飯が食えれば言う事無いじゃない。」
実に達観した言葉だ。浮世離れした考え方と一笑に付されてもおかしくないし、全てのビジネスにこの考え方が通じるとも思ってはいない。でも、この経営美学で結果を出しているのも事実だし、「会社と仕事の在り方」や「人材育成」という観点で、自分は魅力を感じてしまうのも本当の所だ。
お笑いに興味が無い人間でも、吉本興業の名前は知っているだろう。今や関西のみならず日本のお笑い界を牛耳る芸能プロダクションの雄。「吉本芸人無くして、バラエティー番組は存在し得ず。」というのが、TV界の現状だろう。第二次お笑いブーム(人によっては、第三次お笑いブームとも称されるが。)の今、巨大芸能プロダクションの吉本と互角に渡り合いながら、関東の中堅芸能プロダクションの一つがお笑い界を下支えしている。その芸能プロダクションの名前が人力舎。
嘗て、人力舎の名前はディープなお笑いファンの間では知られていたものの、一般の認知度は極めて低かったと言える。お笑い大好き人間の自分なので、このプロダクションの名前は知っていた。それでも、古くはマルセ太郎やゆーとぴあが所属し、最近では光浦靖子が在籍しているプロダクションというレベルの知識しかなかった。ところが、今やドランクドラゴンやアンジャッシュ、アンタッチャブル、おぎやはぎに北陽といった当代お笑い界の人気者を多く抱える存在となっている。
今回の記事を読んでいて初めて知ったのだが、嘗てこのプロダクションには柄本明率いる劇団東京乾電池や大竹まことのシティボーイズ、竹中直人、マギー司郎、そしてヒロミのB21スペシャル等が在籍していたという事。これだけの顔触れを所属させていながら、都心に自社ビルを構える大手プロダクションになるでもなく、青梅街道沿いの小さな雑居ビルに事務所を構える中堅プロダクションである現実が面白くも在り、不思議な所。それもこれも、一代でこのプロダクションを築き上げた玉川善治社長の経営美学が、大きく影響しているとも言える。
この手の記事は多分に提灯持ち的な部分も在るので、話半分で読むとしても、この社長の経営美学は非常に変わっていると言える。何しろ、自ら苦心惨憺してスカウトして芸も売り上げも一流の域に育て上げた芸人を、惜しげもなく独立させてしまうからだ。
古くより、所属タレントがプロダクションから独立する際には、大揉めに揉めるケースが殆ど。独立するタレントが有名であればある程、その独立は当該プロダクションの存亡の危機にも直結し兼ねず、易々とは独立を認めないのがプロダクションのスタンス。円満独立と報じられるケースでは、多額の移籍金がプロダクション側に支払われるのが常。強行して独立に踏み切ったタレントが長期に亘って芸能界から”干される”ケースも少なくない。昔で言えば森進一や沢田研二、田原俊彦(本人の暴言による部分も大きいが。)等が、最近では鈴木あみがこのケースに当たると言える。
そういった”業界の常識”に反して、人力舎では社長自らが独立を促すのだという。シティボーイズで言えば在籍10年で、B21スペシャルは8年で独立を促したのだとか。勿論、闇雲に独立を認めている訳ではなく、12ヶ月間連続で月間の売り上げが1千万円を超える事、本人が同意すれば担当マネージャーも道連れにして倍額の給料を払う事が条件という。
玉川社長の持論が面白い。
「無名の新人を育てて、如何にして売り込むかが人力舎のビジネスの主眼で在り、僕の最大の楽しみでも在る訳。精魂込めて人作りをしている自負心から言いたい事を自由に言わせて貰いながら、誰に諂う事もしたくない。会社が成長すると創業者でも勝手が利かなくなるし、僕にとって芸能プロダクションは家内工業が在るべき姿で、焼き鳥屋のオヤジ感覚の経営者で居たいんだよね。」
「うちでは大きな仕事をする時、言い出しっぺ(の社員)に社長の特権を与える。マネージャーを全員使っても良い。失敗しても僕が責任を取れる範囲でゴーサイン出す訳だけど、結局、仕事を遊んでしまおうという事。遊びなら失敗して当たり前だから、くよくよしない。それで飯が食えれば言う事無いじゃない。」
実に達観した言葉だ。浮世離れした考え方と一笑に付されてもおかしくないし、全てのビジネスにこの考え方が通じるとも思ってはいない。でも、この経営美学で結果を出しているのも事実だし、「会社と仕事の在り方」や「人材育成」という観点で、自分は魅力を感じてしまうのも本当の所だ。
昔から人力舎自体は知っていましたが、かなりの有名人を輩出していることは知りませんでした。
少々、古いですが金谷ヒデユキかな?ギター片手に毒舌を吐く波多陽区の走り(境すすむまでさかのぼりそうですがw)の芸人さんが好きでした。
この社長さんの下で働くのは正直大変だと思いますが、この社長さんの下で働くことを後悔することは無いかなと思います。
確か人力舎の「養成所」は1年で芽が出なければ強制卒業とかいう仕組みになっていたハズ。しかも「講師」がバンバン生徒に干渉しまくっていました。
ドランクドラゴン、アンジャッシュ、アンタッチャブル、おぎやはぎに北陽。
皆さんどことなく昔のビシバあたりの雰囲気「上手い芝居でシュールな空気」をかもし出しているのはこの「干渉」のせいかもしれませんね。