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他者にその存在さえ知られない罪を
完全犯罪と呼ぶ
では
他者にその存在さえ知られない恋は
完全恋愛と呼ばれるべきか?
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「本格ミステリベスト10」及び「このミステリーがすごい!」では3位、そして「週刊文春ミステリーベスト10」では6位と、昨年度のミステリー・ベスト10に軒並み顔を出していた「完全恋愛」。著者名は「牧薩次」となっているが、その正体は「鉄腕アトム」や「サザエさん」等のアニメの脚本を多く手掛け、ミステリー作家としても「迷犬ルパン・シリーズ」等を世に送り出した辻真先(つじまさき)氏で在る。「つじまさき」をアナグラムで「まきさつじ」とした訳だが、彼程の大御所が別名で作品を著す“冒険心”には恐れ入るし、又、それがこれだけ高い評価を得たというのは素晴らしい事。
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我が国洋画界の巨匠・柳楽糺(なぎらただす)、本名「本庄究」(ほんじょうきわむ)が主人公。太平洋戦争末期の1945年、両親と妹を空襲で失った中学2年の彼は、東京から父の実兄・坂上隼夫が住む福島の温泉地・刀掛(かたなかけ)へと疎開。
やがて日本は敗戦を迎え、進駐軍が日本を支配する事に。隼夫の営む旅館「刀掛本館」は「平和本館」と名前を変え、進駐軍将校相手の保養所となる。そして或る日、近くの河原で進駐軍の大尉の刺殺体が発見されるが、素行不良の彼は平和本館の常連客だった。彼を刺し殺した凶器は消失していたが、事件は一応の解決を見る事に。
時は流れて1968年、或る男が一人の女性の殺害を予告する。そして福島の山村に在る筈のナイフが時空を超えて、西表島に居る女性の胸を突き刺す。予告殺人が完成した瞬間だった。
更に時は流れた1986年、バブル景気の始まったとされるこの年に、「東京にいる筈の犯人が、同時に福島にも出現していた。」という不可思議な事件が発生。
3つの完全犯罪の犯人は?そして、そのトリックは?
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1945年に中学2年だった究が、2007年に75歳で亡くなる迄を描いたこの作品、史実や類似の事件を思い起こさせる話が記されていたりと、読者を惹き付けるストーリー展開で、流石ベテラン作家だけの事は在る。唯、謎解きに関しては「やられた!」と唸る点が在る一方で、早い段階から見破る事が出来た点も在ったりと、フィフティーフィフティーの出来栄えといった感じ。
又、「純愛」とも言える切ない展開が、最後の最後でガラッと崩れてしまった様に感じられたのは、非常に勿体無い気が。個人的には、最後迄切なさを感じさせる展開で在って欲しかった。
読み応えの在る作品なのは確かだが、上記した不満点も在ったりで、総合評価は星3.5個としたい。
他者にその存在さえ知られない罪を
完全犯罪と呼ぶ
では
他者にその存在さえ知られない恋は
完全恋愛と呼ばれるべきか?
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「本格ミステリベスト10」及び「このミステリーがすごい!」では3位、そして「週刊文春ミステリーベスト10」では6位と、昨年度のミステリー・ベスト10に軒並み顔を出していた「完全恋愛」。著者名は「牧薩次」となっているが、その正体は「鉄腕アトム」や「サザエさん」等のアニメの脚本を多く手掛け、ミステリー作家としても「迷犬ルパン・シリーズ」等を世に送り出した辻真先(つじまさき)氏で在る。「つじまさき」をアナグラムで「まきさつじ」とした訳だが、彼程の大御所が別名で作品を著す“冒険心”には恐れ入るし、又、それがこれだけ高い評価を得たというのは素晴らしい事。
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我が国洋画界の巨匠・柳楽糺(なぎらただす)、本名「本庄究」(ほんじょうきわむ)が主人公。太平洋戦争末期の1945年、両親と妹を空襲で失った中学2年の彼は、東京から父の実兄・坂上隼夫が住む福島の温泉地・刀掛(かたなかけ)へと疎開。
やがて日本は敗戦を迎え、進駐軍が日本を支配する事に。隼夫の営む旅館「刀掛本館」は「平和本館」と名前を変え、進駐軍将校相手の保養所となる。そして或る日、近くの河原で進駐軍の大尉の刺殺体が発見されるが、素行不良の彼は平和本館の常連客だった。彼を刺し殺した凶器は消失していたが、事件は一応の解決を見る事に。
時は流れて1968年、或る男が一人の女性の殺害を予告する。そして福島の山村に在る筈のナイフが時空を超えて、西表島に居る女性の胸を突き刺す。予告殺人が完成した瞬間だった。
更に時は流れた1986年、バブル景気の始まったとされるこの年に、「東京にいる筈の犯人が、同時に福島にも出現していた。」という不可思議な事件が発生。
3つの完全犯罪の犯人は?そして、そのトリックは?
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1945年に中学2年だった究が、2007年に75歳で亡くなる迄を描いたこの作品、史実や類似の事件を思い起こさせる話が記されていたりと、読者を惹き付けるストーリー展開で、流石ベテラン作家だけの事は在る。唯、謎解きに関しては「やられた!」と唸る点が在る一方で、早い段階から見破る事が出来た点も在ったりと、フィフティーフィフティーの出来栄えといった感じ。
又、「純愛」とも言える切ない展開が、最後の最後でガラッと崩れてしまった様に感じられたのは、非常に勿体無い気が。個人的には、最後迄切なさを感じさせる展開で在って欲しかった。
読み応えの在る作品なのは確かだが、上記した不満点も在ったりで、総合評価は星3.5個としたい。
>他者にその存在さえ知られない罪を
>完全犯罪と呼ぶ
>では
>他者にその存在さえ知られない恋は
>完全恋愛と呼ばれるべきか?
そもそも犯罪ってあってはならない、バレたらおしまい(犯罪を犯したほうの立場で)という前提での「完全」が犯罪の前につくから、恋愛は別に他人に知られても問題ないので、同様の完全論は当てはまらないかなぁ~ もし言い換えるなら「完全不倫」「完全浮気」とかいかがでしょうか
「恋愛」って概念が人によっては様々在るんでしょうね。個人的には受け付けないけれど、人によっては「不倫」も「純愛」と捉える人が居るだろうし。そもそも「他者にその存在を知られない恋」というのも、その「他者」に「恋愛対象」が含まれるか否かによっても捉え方が違うかと。ストーカーなんかは、このケースに入るんでしょうが。
その番組、自分も見ました。記憶違いで無ければ「なでしこ隊」(http://wwwz.fujitv.co.jp/nadeshiko/index2.html)の女性でしたよね。残された手紙、そして女性の言葉の端々から、御互いに信頼し合った「純愛」が感じられ、グッと来る物が在りました。