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「『老化細胞』を癌免疫療法の手法で除去 マウス実験で成功」(11月12日、NHK)
「年齢を重ねる毎に溜まり、体の機能の低下に関わるとされる『老化細胞』を、癌の免疫療法と同じ方法で取り除く事に、マウスの実験で成功した。」と東京大学等の研究グループが発表し、「老化に伴う病気の治療の研究に繋がるのではないか。」と期待されています。
研究結果は東京大学医科学研究所の中西真教授等のグループが、科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。
老化細胞は年齢を重ねる中で、分裂しなくなった細胞で、通常は免疫によって取り除かれます。
唯、一部は免疫を逃れて蓄積する事が知られていて、研究グループはマウスの老化細胞では、免疫の攻撃にブレーキを掛ける役割を果たす「PD-L1」という蛋白質が、凡そ10%の細胞で見られる事を突き止めました。
そして、年老いたマウスに此の蛋白質の働きを止める抗体を投与すると、免疫が活性化され、老化細胞が凡そ3分の1に減った他、握力が1.5倍程度になる等、老化に伴う症状の改善も確認出来たという事です。
此の抗体は、4年前にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授の研究を元に、癌免疫療法の薬「オプジーボ」として実用化されています。
研究グループは「老化に伴う病気の治療の研究にも繋がる成果だ。」としていて、中西教授は「今後、人での効果も調べられる様、検討して行きたい。」と話しています。
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飽く迄も“マウス実験による結果”で在り、人に対しても同じ様な結果が出るかは判らない。又、老化細胞が減ったとはいえ、「凡そ3分の1。」という事で在り、完全除去出来た訳では無い。だから、手放しで喜べるニュースでは無いが・・・。
とは言え、早老症等、老化に伴う病気への治療に光が見えて来た事は確かで、今後の研究に期待したい。