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美容クリニックに勤める医師の橘久乃(たちばな ひさの)は、久し振りに訪ねて来た幼馴染みから、「痩せたい。」という相談を受ける。カウンセリングをしていると、小学校時代の同級生・横網八重子(よこあみ やえこ)の思い出話になった。幼馴染み曰く、八重子には娘が居て、其の娘は、高校2年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツが散撒かれた部屋で亡くなっているのが見付かったと言う。母が揚げるドーナツが大好物で、其れが激太りの原因とも言われていた。元々明るく、運動神経も良かったという其の少女は、何故死を選んだのか?
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湊かなえさんの小説「カケラ」を読了。当ブログをずっと覗いて下さっている人ならば御存知と思うが、自分は湊作品に厳しい評価を付ける事が非常に多い。彼女のデビュー作「告白」はストーリー的に評価出来る部分が在ったし、以降、彼女の作品は売れているので、「そんなに売れているなら、読んでみようか。」と何度も思っては、実際に読んで「今回も駄目だったなあ。」と裏切られた思いの繰り返し。
「文章が稚拙で冗長な上、ストーリー展開がワンパターン。」、「人の描き方が非常に浅く、魅力が全く感じられない。」、「設定や展開が御都合主義で、白けてしまう。」、「早い段階で、“結末”が読めてしまう。」等と色々理由は在るが、一番がっかりしてしまうのは「デビュー作『告白』の成功から抜け切れない。」という点。変化を試みた様な作品も在るけれど、基本的には「文体も含め、『告白』の焼き直しの様な作品許り。」としか思えないのだ。
今回の「カケラ」も「早い段階で、“結末”が読めてしまう。」という事は無かったけれど、其れ以外は上記した“がっかりポイント”が含まれている上、“1人ノリツッコミ”の様な文章が多いのは、非常に煩わしい。ストーリー的にも「何だ其れ!?」と思ってしまうし、湊作品のファンには申し訳無いけれど、「読む価値無し。」というのが自分の感想。
総合評価は、星1.5個とする。