ホークスとジャイアンツ。昨年シーズンオフに大補強を行い、そして今季の我が順位予想では「リーグ優勝は堅い。」と思っていた両チームが、予想に反して厳しい闘いを余儀無くされて来た。其れでも、ジャイアンツが9月4日にマジック・ナンバー「22」を点灯させて以降、比較的順調に減らして来たのに対して、ホークスはマジック・ナンバー点灯自体がずっと足踏み状態を続けた挙句、昨夜の試合にホークスが負け、2位のバファローズが勝った事で、バファローズに逆マジック・ナンバー「7」が点灯。数字を見れば、未だ未だホークスが有利なのは変わり無いが、1998年のファイターズの例も在るし、今後の展開が非常に気になる所。
ホークスと言えば、其の前身は「福岡ダイエーホークス」。1989年のシーズンオフにダイエーが運営母体となり、3回のリーグ優勝を果たすも、ダイエーの経営が悪化、自主再建を断念して産業再生機構への支援を要請する事になった為、2005年1月、ソフトバンクに経営母体が移った。
そんなダイエーが、2018年に“消滅”する事に。2007年からイオンが資本参加し、ダイエーを傘下に置いていたが、経営状態は思わしく無く、一昨日「ダイエーを2015年1月に完全子会社化した上で、2018年にも『ダイエー』という店舗名を消滅させる。」という方針を、イオンが明らかにしたのだ。
創業から半世紀以上の歴史を持つ「ダイエー」が、遂に完全消滅する。創業者・中内功氏の“拡大路線”が、余りにも過ぎたが故のダイエー凋落だが、仮に彼の代で問題が起こらなかったとしても、「ホークスを、将来的には『青山ホークス』にしたい!」と言い放った馬鹿息子が引き継いでいたら、間違い無くもっと早くに消滅していた事だろう。
今回の「ダイエー完全消滅」のニュースを受け、9月25日の西日本新聞経済電子版に「トイレが示していたダイエー再建の限界」という記事が載っていた。興味深い内容だったので、一部を抜粋する。
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「トイレが示していたダイエー再建の限界」
数ヶ月前、ヤフードームから遠くない、福岡市内の或るダイエー店舗に行った時、一寸信じられない体験をした。
衣料品売り場の階で、男性トイレを探した。女性用下着売り場の目の前。中に入ろうとすると、其の扉は、西部劇に在る様な、押したら簡単に開く、上下部分が開放された、観音開きの片方だけの物。衝立が無い為、売り場からはトイレの中が可成り見える。戸惑い乍ら、ビクビクし乍ら用を足した。基本的な改修も出来ないと言うのか。店員に「何とかなりません?」と聞くと、「済みません。」と平謝りだった-。
昨年、イオンの連結子会社になり、再建を進めていると聞いていたが、福岡市内でも可成り人口の多い、繁盛している様に見える店舗にして、此れだ。トイレ空間を充実させて集客を図る他社の商業施設と比べ、何という出遅れ。落胆というか、衝撃だった。(後略)
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凋落傾向が見られる以前から、ダイエーを利用する事は殆ど無かった。同業のイトーヨーカ堂の品揃えが概して“安くて御洒落”なのに対し、ダイエーは“安いけれど野暮ったい”という感じで、店内のディスプレーもイトーヨーカ堂の方が遥かに魅力的だったから。
「ダイエーではもう、何も買いたくない。」と思ったのは、1999年にホークスが日本一を達成した際、ダイエーで行われた“日本一達成セール”で購入したスエットが、余りに御粗末な物だったので。グレー地の其のスエットは、値段的に可成り御得な商品で、其の夜、寝る際に着たのだが、何故か咳が止まらなくなり、鼻水ジュルジュル状態に。「おかしいな。」と思い、電気を点けてベッド周りを見ると、黒い毛が一杯落ちているではないか。
スエットの裏地は黒い起毛状態となっており、其れが肌に触れる度に抜け落ち、そして飛散していたのだ。「洗濯をすれば、少しは改善されるかな?」と直ぐに洗濯するも、全く改善されない。結局、其れ以降は着る事無く、廃棄する事に。正に「安物買いの銭失い」。“日本一達成セール”ならば、「普段以上に、高品質な物を、より安く売る。」という姿勢を見せるべきなのに、「普段以上に、低品質な物を、より安く売る。」では御話にならない。「ダイエーって消費者本位では無く、儲け第一主義なんだな。」とガッカリさせられ、以降はダイエーで物を買わない様にしている。
起業時、起業者には高い志や夢が在った筈なのですが、会社が大きくなって行くに従い、利潤の追求が余りに強くなってしまい、当初の志や夢を忘れてしまい勝ち。唯、消費者の側にも「兎に角、安ければ何でも良い。」という思いも在ったりしますので、そういった思いが「価格の更なる値下げ。→品質を落としてでも、コストダウンしなければいけない。」という方向に会社を走らせてしまう面も在りましょうね。
とは言え、消費者を騙す様な姿勢は許されないし、そういった背信行為が会社を傾けてしまう事を、トップは肝に銘じないと。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。
ダイエーを利用しなくなったのは、自社ブランドを大量陳列してそれ以外は品揃えを減らしたり、自社ブランドを売るために値段を高めに設定したのが原因です。
自社ブランドの品質が良ければまだましなのですが、牛乳に水を混ぜてまさしく水増しして販売するなど、当時新聞沙汰になったほどの低品質でした。
そんな中出来たジャスコは現社長の岡田氏が初めて店長になり店舗コンセプトを『生活宝島』として、メジャーなものからまだ世間に知れてない良いものを店頭に並べて、商品を選ぶ楽しさがありました。
しかし、今のイオンはどうでしょう!
過去ダイエーがたどった道を通っているのではないのでしょうか?
自社ブランドを大量陳列し、それ以外は品揃えを減らし値段も高めに設定し、さらに偽装米や発癌性のある即席ラーメンを輸出して新聞沙汰になるところまで全く一緒です。
現社長の岡田氏は初めて店長となった時の、初心を思い出して欲しいものです。
芸能界を例に挙げると、中井貴一氏や佐藤浩市氏の様に、“偉大な親”を乗り越えた人は居る。他の世界でも同様で、要は「“後継者”が何れだけ自分自身に厳しく出来、且つ他者からの諫言にも耳を傾けれらるか。」に係って来るのだと思います。
誰しも我が子は可愛い。だからと言って、能力の無い我が子を無条件で後継者に据えるのは、其の組織を構成する他の人達を路頭に迷わせる可能性が在るという事を、トップは真剣に考えないと駄目ですね。
イオンだけでは無く、全国各地に同じ店舗が林立していますね。子供の頃、家族旅行で地方に行くと、其の地域独特の街並みが在ったのに、今では何処も同じ光景。まあ此れは、海外でも同じ事が言えるのですが。
後継者の育成というのは、何処の組織でも悩みの種でしょうね。特にカリスマ経営者が仕切っていた組織では、どうしても部下が物を言い辛い雰囲気が在り、概してイエスマン許りになってしまう。昨今、外部から全く異業種の人間をトップに呼ぶ動きが強くなっていますが、或る意味良い事なのでしょう。唯、行き過ぎてしまうと、プロパーの愛社意識が薄れてしまうだろうし、其の程度加減が大事なのでしょうが。
「主婦の店」というキャッチコピーを掲げ、1957年に中内功氏がダイエー1号店(最初はドラッグ・ストアだったんですね。)をオープンし、そしてドンドンと拡張して行った頃は、其れ迄に無い斬新さが在ったろうし、中内氏にも「流通革命を成し遂げたい。」という強い志が在ったと思います。
阪神淡路大震災時の中内氏の言動も在り、神戸市民にとってダイエーが、他地域の人よりも思い入れが強い存在で在るのも、凄く判ります。
強い志を持って店舗拡張して来た中内氏ですが、何時の頃からか「拡張」する事自体が「目的」になってしまったのではないかという気がしています。「流通分野のみならず、全ての分野にも手を広げたい。」、そんな思いが結果的には災いしてしまったのではないかと。
マヌケ様も記されている様に、後継者を育てられなかったというのも、ダイエーにとって不幸な事でした。カリスマ経営者が居る組織では、概して在る事では在りますが。
ダイエーは長い間、神戸が本拠地でした。
20年前の阪神大震災の時は、中内さんが陣頭指揮にたって神戸の復興につくされました。
ダイエー傘下の、被災地のローソンを回って、ある商品を被災者に提供、瓦礫の街にあかりを灯すように指示されたとか。
そのダイエーがなくなる。複雑です。