ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「水族館の殺人」

2014年09月25日 | 書籍関連

2012年、小説体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞した青崎有吾氏。当時、明治大学に在学中だった彼は、“鮎川哲也賞史上初の平成生まれの受賞者”となった。ロジカル推理を基本とした作風から、彼は“平成のエラリー・クイーン”とも呼ばれている。

 

今回読了した「水族館の殺人」は、「体育館の殺人」で文壇デビューした彼にとって、第2作目に当たる奥付を見ると「2013年8月16日 初版」となっているから、刊行されたのは1年以上前の事。

 

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夏休みも中盤に突入し、風ヶ丘高校新聞部の面々は、「風ヶ丘タイムズ」の取材で市内の穴場水族館横浜丸美水族館」に繰り出した。館内を館長・西ノ洲雅彦(にしのす まさひこ)の案内で取材していると、檸檬鮫の巨大水槽の前で、驚愕シーンを目撃。水槽内に海豚の飼育員・雨宮茂(あめみや しげる)が落下し、檸檬鮫に喰い付かれてしまったのだ。

 

駆け付けた神奈川県警の仙堂(せんどう)と袴田優作(はかまだ ゆうさく)が、関係者に事情聴取して行くと、全ての容疑者強固アリバイが・・・。

 

仙堂と袴田は仕方無く、袴田の妹・柚乃(ゆの)に連絡を取った。彼のアニメオタクの駄目人間・裏染天馬(うらぞめ てんま)を呼び出して貰うに。

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風ヶ丘高校内の“開かずの部室”に住み着き変人中の変人なのだけれど、抜群の推理力を有する裏染天馬が、「体育館の殺人」に続いて謎を解く。彼の隠された過去が少しづつ明らかになって行くというのも、「水族館の殺人」の売りだろう。

 

「人の名前が、中々覚えられない。」というのが、自分の欠点の1つ。特に外国人の名前を覚えるのが苦手で、其れに海外のミステリーは積極的に読む気がしない。(アーサー・コナン・ドイル氏とアガサ・クリスティー女史の作品は例外だが。)だから、登場人物が多く、尚且つ容疑者が11人も居る「水族館の殺人」は、登場人物の名前と其の設定を覚えるのが一苦労だった。

 

又、ロジカルな推理を基本とした作風という事から、謎解きの面で「ん、どういう事?」と何度か読み返さないと理解出来ない所も在り、其の点でも読了に時間を要した。

 

そういう難儀さは在ったものの、謎解きで「そういう事だったのか!」という驚きが幾つも在り、高い評価は与えられる。、何度も何度も読み返したのだが、天馬が謎解きをする場面で、1つだけ“誤り”が在る様に思え、其れが残念。348の「まず犯人は十時五十分以降」という部分がそうで、此れは「九時五十分以降」が正しいと思う。自分が読んだのは上記した様に「初版」なので、もしかしたら以降の「」では訂正されているのかもしれないが・・・。

 

謎解きの面が判り難い事に加え、誤記思しき点が在る事をマイナス要素としても、総合評価として星3.5個は与えられる内容。


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