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「義援金集め、募金箱透明なら額14倍 宮城学院女子大生調査」(12月7日、河北新報)
街頭等で募金を呼び掛ける際に、募金箱や服装を一工夫する事で集まる額に差が出た事が、宮城学院女子大(仙台市)心理行動科学科の1年生グループが取り組んだ調査研究の結果に表れた。
東日本大震災の義援金を寄付する心理行動に迫ったグループが、10月中旬に行われた大学祭で、様々な浄財の集め方を試し、募金人数や金額への影響を分析した。
透明と半透明の募金箱で比べると、募金額は透明4,140円、不透明297円で大きな差が出た。透明な箱に千円札が投じられた後から、1人当たりの募金額が増えた。
募金箱近くに岩手県大槌町の被災前、被災後の写真を其れ其れ置いた所、被災後の方が人数、金額共増えた。男性は被災後、女性は被災前の方が人数は多かった。
義援金を募る女子学生の服装別では、アニメ・キャラクターに仮装した時が、ワンピース等の私服姿や揃いのTシャツ姿に比べ、10~20代の男性を中心に人数が増加。平均金額は私服姿102円、仮装66円、Tシャツ姿51円と差が見られた。
此れ等の結果は、青葉区のアエル2階アトリウムで11月23日、同大の1年生53人が取り組んだ調査研究の発表展示会「ココロサイコロ2012」で紹介された。
発表した若林区の菊地佑香さん(19歳)は「持続的な被災地支援に募金活動は有効。多くの人に協力して貰うのか、多くの金額を集めるのか募金の目的別により、呼び掛け方を工夫すると効果的だ。」と強調した。
展示会は今年で5回目。写真を撮られる時にピースサインする人の割合を調べた無意識行動の研究、介護職員へのヒアリング調査から分析した支援する側の心理研究等の発表も行われた。
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昨日の昼過ぎ、ふと上空を眺めたら、所謂“地震雲”を2つ発見。立ち上るタイプで、明け方に起きた地震で目を覚まさせられた事も在り、「大きな地震が起きなければ良いけれど。」と少々の不安を感じていたのだが・・・。
昨日の夕方に起きた地震、久々に大きな揺れで、尚且つ揺れている時間も長かったので、ぞっとさせられた。幸いにして大きな被害は出なかった様だが、東日本大震災の余震が未だ続いているというのは、本当に頭の痛い事。
「直ぐに、全ての原発を止めるべき!」という主張には「非現実的」という事で同意出来ないけれど、地震大国の我が国で「ずっと原発を稼働し続けるべきだ。」という主張には、もっと同意出来ない。「ずっと原発を稼働し続けるべきだ。」という主張の多くには「原発稼働在りき。」という思考が透けて見え、其れは「既得権益死守」という欲望にリンクしている様に感じるから。「原発を止める事で被る被害」と「原発がダメージを受けた事で被る被害」を、金銭面や人的な面等、様々な角度から、広く検証して貰いたい。
話を元に戻すが、東日本大震災の被災者に対する義援金額は、今年に入って可成り減っていると聞く。「人の記憶は薄れ易い。」という事なのだろうけれど、未だに不安な日々を送っている被災者が多い中、何とか義援金が増大して欲しいもの。
今回の女子大生達の調査、「心理学」という観点からすると、興味深い内容だ。「透明な募金箱と半透明な募金箱で生じた差」は、虚栄心が大きく影響しているのだろう。透明な募金箱の中に高額な貨幣が見えると、「少額を入れたら、吝嗇な人と思われそう。」という思いが出て、高額な貨幣を入れなければいけない気持ちになるだろうし。
「(被災地の)被災前の写真と被災後の写真を置いた場合の差」で言えば、「被災後の悲惨な現実を目の当たりにした方が、募金額は増えるだろうな。」と想像するので、此れも結果には納得。唯、「募金人数」で言えば、「男性は被災後、女性は被災前の写真の方が多かった。」というのは、どういう心理の違いから来る物なのだろうか?
「義援金を募る女子大生の服装による差」、此の結果も納得。アニメ・キャラの仮装だと若い層には受けるだろうが、其れ以上の年代の人だと「不真面目だ!」と、強い拒否反応が出るケースが多いだろうから。
心理学の観点からは興味深い内容だけれど、「義援金とは抑、『個々人の自発的な善意』から供されるのが望ましい。」と思っている。だから「心理的なテクニックを駆使して、義援金額をアップさせる。」というのには正直抵抗を覚えなくも無いけれど、被災者達の事を思えば、「結果良ければ全て良し。」と割り切るべきなのかもしれない。