ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

給与の電子マネー払い

2021年04月22日 | 時事ネタ関連

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「『1単位で現金化を。』厚労省デジタル給与払いに条件」(4月19日、朝日新聞

「○○ペイ」といった電子マネー口座に会社が給与を直接振り込む事を認めるかを巡り、厚生労働省は19日、「デジタル払い」を担う事業者に求める条件案を、労使の委員等で作る審議会に示した。金融庁と厚労省による「2階建て」の規制で安全性を確保する狙いだが、監督能力を心配する声も上がった。  

労働基準法では、給与は現金で全額払うのが原則とされ、銀行等の口座に振り込むのは、労働者の同意を得た場合の例外とされる。  

政府は電子マネー口座も例外に加える方針だが、安全性への懸念も大きい。其の給与の振込先に出来るのは、資金決済法に基づく金融庁の規制に加え、厚労省が求める条件も満たした資金移動業者に限るアイデアが示された。  

厚労省は先ず電子マネー口座への振り込みも働き手の同意が前提とした。其の上で、(1)破綻しても、直ぐ保証する仕組みが在る。(2)不正による損失が、補償される仕組みが在る。(3)現金の受け取りや口座への資金移動が、1円単位で出来る。(4)業務や財務の状況を適時に、厚労相へ報告出来る体制が在る。(5)確実に払える技術力や社会的信用が在る。といった条件を求めた。  

だが、労働者側の委員から、厚労省のチェック能力に付いて「(業者から提出される)書類を形式的に確認するだけで無く、実効性をどう確保するのか?」と疑問の声が上がった。資金移動業者は利用者の購買履歴を知る可能性も在る事から、個人情報の厳しい管理を求める意見も出た。  

経営者側の委員も、「電子マネー口座の上限額に達して、給与が全額振り込め無い等のエラーが起きた場合、労基法に触れる可能性が在る。」為、「使用者側に、責任が問われない事を明確に。」と注文した。  

政府は元々、給与のデジタル払いに付いて、2020年度中の実現を目指していた。だが、電子決済サーヴィス「ドコモ口座」を使った不正引き出し問題が昨秋発覚する等し、議論が遅れた。厚労省は2021年度の出来る限り早期に実現を目指すとしたが、正確には見通せていない。
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“給与の電子マネー払い”に付いて仕組みが今一つ良く判らなかったので、色々調べてみた。此方に詳しく纏められていたので引用させて貰う。

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給与の電子マネー払い:銀行口座を介さずに、給与をスマホ決済アプリ等で受け取れる様にする仕組み。スマホ決済サーヴィス等を提供する資金移動業者が発行する「ペイロール・カード」に企業が給与を振り込み、其のペイロール・カードをスマホ決済サーヴィスと連携させる事で、従業員側は電子マネーで給与を受け取る事が出来る様になる。
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そして、給与の電子マネー払いに関するメリットデメリットに付いても調べた所、次の点が挙げられる様だ。

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「給与の電子マネー払いに関するメリットとデメリット」

メリット:経営者側からすれば“振込手数料”を、そして労働者側からすれば“銀行口座から御金を引き出す際の手数料を負担しなくて済み、双方経費削減出来る。銀行口座が無くても、給与を受け取れる。多様な働き方に対応出来る。等。

デメリット:資金移動業者が倒産してしまった場合、資金をどう保全するかが、未だ不透明。災害時等、引き下ろしが出来なくなる可能性。マネー・ロンダリングが増加する可能性。等。
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2020年電子決済サーヴィス不正引き出し事件」が発覚したのは、僅か7ヶ月前の事。電子マネーを利用したマネー・ロンダリングも増えていると聞く。給与もが電子マネー払いになってしまうと、“御金の持つ重み”が益々 ファジーになって行く様で、“現金派”の自分としては何とも言えない不安覚える

DX」を政権の重要課題に掲げている菅義偉首相としては、「兎に角何でも彼んでもデジタル化する事在りき。(政権維持の為の実績作り)」で前のめりとなり、デメリットを軽んじている様な気がする。


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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2021-04-23 17:06:53
こんにちは
そのうち年金も電子マネーで、という事になるのでしょうか。
ひところ、現金は落としたり盗まれたりするから、電子マネーの方が安全、と、しきりにテレビCMを流していましたが、電子マネーは口座ごとハッキングされて根こそぎ持っていかれる危険性は無いのかな。
現金盗難と違ってネットを利用した知能犯なら、痕跡を追跡できないかもしれないし、ことお金に関してはデジタル化の方がリスクが高いと思うのは、知識のない高齢者の僻みかな(苦笑)。
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>悠々遊様 (giants-55)
2021-04-23 21:33:01
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

1968年12月10日に発生した「3億円事件」は、前代未聞の事件と言って良いでしょう。今では億単位の宝籤等が発売されており、金額的な驚きはそんなでも無いけれど、当時の「3億円」といったら、庶民にとって想像を絶する高額だった筈。又、そんな大金を奪い乍ら、誰をも傷付けなかった(金を奪われた銀行も、結局は保険で救済されたし。)というのは、言い方は悪いけれど“天晴れさ”を感じさせる部分も在ったし。色んな意味で、前代未聞の事件。

現金奪取と言えば「3億円事件」を思い出してしまうのですが、犯人は捕まらなかったとはいえ、多くの“痕跡”を残している。でも、電子マネーの場合は、遣り方が周到で在れば、持って行かれる金額も凄い事になるだろうし、痕跡を残さない事だって、自分も「出来るのではないか。」という懸念が在ります。

所謂“年金改革”と称する物を行い、「此れで、年金は100年間大丈夫。」と大見得を切った政府。でも、数年でシステムの危うさが露呈。莫大な血税を投入し、住基ネットなるシステムを立ち上げるも、殆ど活用される事無く、実質的に廃止状態。其れに変わって、再び莫大な血税を投入し、マイ・ナンバー制度を導入するも、上手く行っているとは言い難い。そんな事を繰り返している政府ですから、電子マネーを安直に広め様としている事に、とても不安を覚えます。
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