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「啄木鳥の『突き行動』、脳に損傷与えている可能性=研究」(2月6日、ロイター)
頭を使って連続的に木の幹を突く啄木鳥に付いて、此の「突き行動」が脳に損傷を与えている可能性が在るとの研究結果が初めて発表された。論文誌「PLOS ONE」に、2日に掲載された。
研究では、啄木鳥の一種で在るセジロコゲラと、啄木鳥で無く、木を突かない椋鳥擬科のハゴロモガラスの脳繊維を調査。其の結果、人間では神経変性疾患や頭部外傷による脳損傷と関連の在るタウ蛋白質の蓄積がセジロコゲラに見られたのに対し、ハゴロモガラスでは見られなかった。
此の研究に携わったボストン大学医学部の大学院生は「啄木鳥は脳損傷を受けていないと考えられて来たが、此の研究により逆の結果が示唆された様だ。」と述べた。
科学者等は、此のタウ蛋白質が啄木鳥の脳損傷を示す物なのか、或る種の保護作用を持つ物なのかを特定中と言う。
啄木鳥は、昆虫や樹液の餌を得たり、番い相手を呼び寄せたりする為に突き行動をしており、其の際、最大1,400Gという大きな重力加速度を受けている。人間は、60~100Gで脳震盪を起こす可能性が在るが、啄木鳥には、嘴や頭蓋骨、舌、脳と頭蓋骨の間に在る隙間等、突き行動による影響を緩和する機能が備わっている。
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啄木鳥が木を突いている映像を見る度に、「脳震盪とか起こさないのかなあ?」と不思議に思っていた。今回の研究結果により脳損傷を起こしている可能性が明らかとなった訳だが、「人間が脳震盪を起こす可能性の在る60~100Gの約14~23倍もの重力加速度を受けても、啄木鳥は脳震盪すら起こしていない。」という理由が、「啄木鳥には、嘴や頭蓋骨、舌、脳と頭蓋骨の間に在る隙間等、突き行動による影響を緩和する機能が備わっているから。」というのは、非常に勉強になった。こういう機能をもっと突き詰めれば、社会に役立つ構造体を生み出せるかも・・・と言うか、もう生み出されているのかもしれないが。