今から71年前の1945年、デトロイト・タイガースとワールド・シリーズを闘う事になったシカゴ・カブス。2勝1敗とカブスのリードで迎えた第4戦を、カブスの熱狂的なファンで在るビリー・サイアニス氏は、山羊を連れて試合が行われる球場「リグレー・フィールド」にて観戦し様とした所、山羊の匂いを理由に入場を拒否された。「其れ迄は、山羊の分の入場券を購入すれば、一緒に観戦出来ていた。」事から、激怒したビリーは「リグレー・フィールドに山羊の入場が許される迄、カブスは2度とワールド・シリーズに勝てない。」と言い放ち、球場を後にしたと言う。以降、カブスはワールド・チャンピオンどころか、ワールド・シリーズにも進出出来なかった事から、人々は「“ビリー・ゴートの呪い”の所為だ。」と噂する様になった。
今季、其のカブスはワールド・シリーズに進出した。対戦相手はクリーブランド・インディアンスで、第6戦を終えて3勝3敗。昨日行われた第7戦に勝利したチームが、ワールド・チャンピオンになるという状況。白熱した試合展開だったが、「8対7」で勝利したカブスがワールド・チャンピオンに輝いた。此の瞬間、71年前に掛けられた“ビリー・ゴートの呪い”は解けた訳だ。
「~の呪い」と言えば、メジャーでは“バンビーノの呪い”というのも有名だった。1920年、ボストン・レッドソックスに掛けられた呪いだが、此の呪いも84年後の2004年に解けた。
日本球界で有名なのは、何と言っても“カーネル・サンダースの呪い”だろう。1985年、タイガースに掛けられたとされる呪いだ。此の年のタイガースは、圧倒的な強さで日本シリーズを勝ち抜いた。余りにも強かった事から、以降、日本一に輝けないもどかしさが野球ファンには在り、“カーネル・サンダースの呪い”というのが殊更喧伝されて来たのだろう。
“カーネル・サンダースの呪い”が掛けられてから、31年が過ぎ去った。そろそろタイガースも、此の呪いを解いて欲しい。