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「大学生の19%、子供望まず 大幅増加、物価高影響か」(2月3日、共同通信)
大学や大学院を2025年に卒業する見込みの学生の内、5人に1人に相当する19.2%%が「子供は欲しくない。」と考えている事が、就職情報サイトを運営するマイナビ(東京)の調査で3日、判った。2024年卒の前回調査の13.1%から、大幅に増加した。回答者は学生生活で物価高の影響を大きく受けた世代で、調査担当者は「経済面への不安が、人生観に影響を与えている可能性が在る。」とした。
「欲しくない。」と回答したのは女子が23.5%と、男子の12.1%を大きく上回った。育児休業の取得が仕事に影響する不安や、家庭での育児の分担の男女差等が要因と見られる。複数回答で男女に理由を尋ねた所、「上手く育てられる自信が無い。」(57.4%)が最多だった。次いで「自分の時間が無くなる。」(51.5%)、「経済的に不安」(51.0%)となった。
ニッセイ基礎研究所の坂田紘野研究員は、少子化に拍車が掛かれば「働き手や消費者が減り、経済全体を押し下げてしまう。」と指摘した。
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子供を望むか否かは、個々人の自由で在る。自分は子供が大好きだけれど、人によっては嫌いな人も居る事だろう。「子供が欲しくて欲しくて堪らないのに、どうしても子供を儲けられない。」という人だって居るし、「子供は欲しくない。」という考えの人が居たって、他者からどうこう言われる筋合いの話では無い。
今回の調査で、「大学や大学院を2025年に卒業する見込みの学生の5人に約1人が、『子供は欲しくない。』と回答した事実。」には、「そうだろうなあ。」という思いが在る。上記した様に、自分は子供が大好きだけれど、「経済的な状況」や「日本及び世界の未来」を考えた時、「子供が不幸になりそう。」という漠然たる不安が在るので。
こういう話を書くと、「昔はもっと貧しかったのに、問題無く子供を育てた。甘っちょろい事を言うな!」と叱られそうだが、「昔はどうこう。」という話を持ち出すのは、余り建設的では無い気がする。
例えば「洗濯機が存在せず、盥で汚れ物を洗っていた世代の人達の苦労は想像するに難く無いけれど、だからと言って洗濯機が当たり前の物として存在する世代の人達に対し、『楽し過ぎ!』と非難するのはおかしな事だし、其れを言ってしまえば、盥で汚れ物を洗っていた世代の人達よりも遥かに大昔の人達は、別の事柄を持ち出して『貴方達は、私達よりも楽をしている!』と責められるで在ろう事を受け容れなければならない。」と思うので。
少子化に歯止めがかからない状況が続きそうですね。
私個人的には日本の国土面積を考えれば、人口は現在の半分ぐらいが丁度良いとは思っているんです。
明治初期のころがそれぐらいだったかな?
江戸時代はほぼ3000万人前後で推移していたらしいですね。
閑話休題。
子供が欲しくないという事情の裏には、2通りの考え方があるように思います。
ひとつは、自分たちがリスクを負いたくない。
子供を持つことで子育てや教育費などの負担が増え、これまでのような自分たちだけの自由が持てなくなる、などなど。
もうひとつは、生まれてくる子供にリスクを負わせたくない。
少子高齢化で社会保障がますます脆弱になり、周辺諸国との軋轢で戦争が起きるかもしれない、どう考えても暗い未来しか見えてこないのに、子や孫にツケを押し付けたくない。
そんな風に考えると、ひと口に「子どもは欲しくない」と言っていても、意味合いは全く違ってきますね。
本音はどうなんでしょう?
実際はどちらも入り混じっているのかもしれませんが。
様々な統計を分析すると、我が国の人口が大幅に減少するという未来は、最早必定という感じですね。「こんなにも人口が減ってどうするんだ!!」みたいな危機感を煽り過ぎる主張も在るけれど、悠々遊様の様な御考えも在る。個人的には「或る程度、流れに委ねる事も必要ではないか。」という思いが在るし、「人口が減少したら、1世帯当たりが無理をしない範囲で、もっと広い家に住めるんじゃないかなあ。」と考えたりもして、必ずしも「人口減=悪」では無いのではないかと。
悠々遊様が書かれている「子供が欲しくないとする2通りの考え方」、前者の場合は“自己最優先型”という感じがします。「昔を持ち出しては駄目。」と偉そうに書いておき乍ら何ですが、昔の親だってそう考える人は居たと思うけれど、其れを犠牲にして迄も子育てに励み、子供が居なかったら得られなかった充足感等を得た人も凄く存在したのではないでしょうか。「自分さえ良ければ、他者の事なんかどうでも良い。」という身勝手過ぎる人が増えている様に感じられるし、此の理由での“子供要らない派”には、個人的に違和感を覚えています。と言って、そういう考え方が「絶対におかしい!」とは言いませんけれど。
同じテーマに再びお邪魔します(苦笑)。
私が日本の人口は今の半分ぐらいが丁度良いのではないかと思う根拠(?)は、江戸時代はほぼ国内での地産地消が実践できていたこと。
しかし、開国と共に国際交流が盛んになった明治期のように、現在の日本が今更鎖国できるわけもなく、さりとて現在の食糧自給率30数%はどう考えても異常、という折衷案を考えると、自給率を高め他国に依存し過ぎない、明治初期のころの人口が妥当と思えるのです。
私たち団塊の世代がすべて鬼籍に入るころには、それに近い人口になっているのかなあ・・・(笑)。
自己最優先型で子供が欲しくないという考え方は昔からあったのは確かでしょうし、それを超えるような子育ての充足感が得られることで、子供を持つことにした人たちがいたことも確かでしょうね。
またそれとは別に「自分の老後の面倒を見てもらうために」子供をつくったという自己最優先(ちゃっかり)型も結構いたりして(笑)。
ただそういうタイプ、今もいるかもしれませんが、現在では相当難しいでしょうね。
以前読んだ本によると、「江戸時代中期の“江戸”は約100万人の人口を抱え、世界一の都市だった。」とか。「当時、人口で世界2番目の都市がロンドンで、約63万人だった。」という事を考えると、江戸が人口で如何に突出した都市だったか判りますね。
近年、「江戸時代は、完全な鎖国状態では無かった。」として、歴史の教科書では「鎖国」という用語を用いなくなったりしているそうですが、“鎖国状態擬き”だったとしても、当時の日本は略自給自足状態だった訳で、そういう状態がベストでは無いにしても、ベターだったのは確か。
食料増産技術がどんなに進んだとしても、“地球に於ける食料のパイ”には限界が在り、そういう意味でも“世界的な人口減”は、必ずしも悲観すべき事態では無いのかも。