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桜宮中学1年生の曾根崎薫は、世界的なゲーム理論学者・曾根崎伸一郎を父に持つ少年。おたくの域に達する程に歴史には精通しているが、その他の教科はサッパリ、特に英語は大の苦手という彼が、“ズル”をして受験した潜在能力試験で全国1位の成績を収めてしまった事から、名門・東城大学の医学部で医学の研究をする羽目になってしまう。
「日本一の天才少年」という称号を得て、医学生と中学生の両立を求められる日々。自身の能力の無さに悩みつつ、大人のエゴで“持ち上げられる”事に喜びを感じたりも。そんな彼が或る日、レティノブラストーマ(網膜芽細胞腫)に関してノーベル医学賞受賞級の大発見をしてしまい、大騒ぎに・・・。
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現役の医師で在り作家でも在る海堂尊氏の作品「医学のたまご」は、一人の少年を中心に巻き起こった大騒動をコミカルに描いている。「チームバチスタの栄光」に「ナイチンゲールの沈黙」、「螺鈿迷宮」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「ブラックペアン1988」等、架空都市・桜宮市の医療現場を舞台にした作品を次々と発表して来た海堂氏だが、今回の作品もやはり桜宮市が舞台。「医学」という学問を巡り、「ドロドロした思惑を持つ大人達」と「純粋に医学を極めたいとする大人達」の狭間で翻弄される少年の姿に、現役医師だからこそのブラック・ユーモアを感じる。
海堂氏の過去の作品に関連する人や出来事があちこちに鏤められており、思わずニヤッとしてしまう訳だが、正直言ってストーリーの中盤辺り迄はかったるい展開。“悪い意味での”ジュヴナイル臭に辟易とさせられたからだが、これが中盤を越えた辺りからガラッと面白くなる。医療現場の崩壊等、海堂氏がこれ迄ずっと訴え続けていた問題点が、この作品でもさらっと指摘されているし、「読ませる内容」というのは相変わらずだ。
中盤迄のかったるさが減点対象で、総合評価としては星3つとしたい。
桜宮中学1年生の曾根崎薫は、世界的なゲーム理論学者・曾根崎伸一郎を父に持つ少年。おたくの域に達する程に歴史には精通しているが、その他の教科はサッパリ、特に英語は大の苦手という彼が、“ズル”をして受験した潜在能力試験で全国1位の成績を収めてしまった事から、名門・東城大学の医学部で医学の研究をする羽目になってしまう。
「日本一の天才少年」という称号を得て、医学生と中学生の両立を求められる日々。自身の能力の無さに悩みつつ、大人のエゴで“持ち上げられる”事に喜びを感じたりも。そんな彼が或る日、レティノブラストーマ(網膜芽細胞腫)に関してノーベル医学賞受賞級の大発見をしてしまい、大騒ぎに・・・。
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現役の医師で在り作家でも在る海堂尊氏の作品「医学のたまご」は、一人の少年を中心に巻き起こった大騒動をコミカルに描いている。「チームバチスタの栄光」に「ナイチンゲールの沈黙」、「螺鈿迷宮」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「ブラックペアン1988」等、架空都市・桜宮市の医療現場を舞台にした作品を次々と発表して来た海堂氏だが、今回の作品もやはり桜宮市が舞台。「医学」という学問を巡り、「ドロドロした思惑を持つ大人達」と「純粋に医学を極めたいとする大人達」の狭間で翻弄される少年の姿に、現役医師だからこそのブラック・ユーモアを感じる。
海堂氏の過去の作品に関連する人や出来事があちこちに鏤められており、思わずニヤッとしてしまう訳だが、正直言ってストーリーの中盤辺り迄はかったるい展開。“悪い意味での”ジュヴナイル臭に辟易とさせられたからだが、これが中盤を越えた辺りからガラッと面白くなる。医療現場の崩壊等、海堂氏がこれ迄ずっと訴え続けていた問題点が、この作品でもさらっと指摘されているし、「読ませる内容」というのは相変わらずだ。
中盤迄のかったるさが減点対象で、総合評価としては星3つとしたい。
