其の作品が刊行されると、書店でのカウントダウンの様子がニュース番組で報じられたりと、大イヴェント状態となる村上春樹氏。“出版不況”と言われる中、刊行された作品が爆発的に売れるのだから、本当に凄い作家だと思う。
そして、彼に関する別の大イヴェントと言えば、此の時期に「今年こそ、村上春樹氏がノーベル文学賞を受賞するのは確実。」と大々的に報道される事。一昨年辺りから「巷の予想では、圧倒的な一番人気。」と言われ続けているが、今年も又、残念乍ら受賞とはならなかった。
ノーベル文学賞の受賞者発表から間も無い時間、帰宅中の車内で聞いていたラジオ番組では、受賞を祝おうとする人達が集まった場所(書店だったか?)からの生中継がされていたが、「発表前はNHKを始めとして、多くのマスコミが押し寄せ、大賑わいを見せていたが、村上氏の“落選”が決まるや否や、蜘蛛の子を散らす様に人が居なくなってしまった。」と、現場のレポーターが苦笑交じりに告げていたのには、思わず笑ってしまった。「熱し易く、冷め易い国民性。」を表している。
村上作品で読了したのは、「1Q84」と「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」だけ。村上作品のファンには申し訳無いけれど、其れ等のレヴューで記した様に、自分と村上作品との“相性”は余り良く無い様だ。
でも、日本のみならず世界中に、多くのファンを抱える作家(当ブログをちょこちょこ覗いて下さっているマヌケ様も、村上作品のファンだし。*1)で在るのだから、其の才能はノーベル文学賞を受賞してもおかしくないと思うし、遠からず受賞する事になるのではなかろうか。
*1 マヌケ様の場合、村上は村上でも「春樹氏」では無く、「龍氏」のファンなのだとか。失礼致しました。
マヌケ様は、村上龍氏のファンだったのですね。勘違いしておりました。済みません。早速、記事を訂正させて貰います。
どんな賞でも、様々な柵が在ったりするもの。芥川賞や直木賞も例外では無く、選考委員の好き嫌い、其れも作品自体に対してでは無く、候補になっている作家に対してというケースも在るというのですから、「何だなかあ。」と思ってしまいます。
ノーベル賞も、そういった柵が零では無いのでしょうが、とは言え「彼奴が嫌いだから、受賞はさせない!」みたいな狭量さは余り無いだろうし、そういう意味ではノーベル文学賞の候補に挙がるって事だけでも、本当に凄いですね。