睡眠障害

覚醒状態から眠りに入る迄の間を「入眠」と呼ぶそうだが、「入眠時及び睡眠時に、何等かの異常が在る状態。」を指す「睡眠障害」は、可成り広く知られる様になったとは思う。唯、睡眠障害が一般的には以下の如く「４つに分類」されている事は、そんなに知られていないのではないだろうか。斯く言う自分も、今回初めて知った。

 

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【睡眠障害の分類】

 

①　睡眠異常

睡眠自体が疾患で在る物を指す。不眠症、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、睡眠相後退症候群等。

 

②　睡眠時随伴症

睡眠中に見られる異常な行動。夜驚症、夜尿症、睡眠麻痺、周期性四肢運動、睡眠関連摂食障害等。

 

③　内科・精神科的睡眠障害

精神病や不安障害、鬱病等に伴う不眠や過眠。

 

④　其の他

未だ分類が正確に為されていない、短時間睡眠者や長時間睡眠者等。

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「睡眠障害」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、①の「睡眠異常」の様に思う。不眠症や睡眠時無呼吸症候群は特に、睡眠異常の典型的なケースとして認識されているのではなかろうか。逆に寝小便（夜尿症）や金縛り（睡眠麻痺）が睡眠異常の範疇というのは、自分にとって意外な事実だった。

 

「睡眠時無呼吸症候群が原因で、昼間に猛烈な睡魔に襲われて眠り込んでしまい、其の結果として大きな事故を起こしてしまった。」というニュースを、近年はちょこちょこ見聞する様になった。昔からそういったケースは在ったのだろうけれど、「居眠りによる事故」として処理されていた事なのだろう。「睡眠障害を有しているから、事故を起こしても仕方無い。」という事に全くならないのは言う迄も無いが、「治療すべき病気の１つとして、睡眠障害が存在している。」という認識が広くされる様になったのは良い事だと思う。

 

７月８日付けのスポニチを読んでいたら、コラム欄に興味深い話が載っていた。斎藤隆投手が所属している「ミルウォーキー・ブルワーズ」にザック・ブラダック氏（２３歳）という左腕の救援投手が居り、彼は５月初めに睡眠障害で故障者リスト（ＤＬ）入りしたと言う。睡眠障害が理由でＤＬ入りしたというのは、１３０年を超えるＭＬＢでも初の出来事なのだそうだ。

 

今季２２試合に登板し、防御率「３．７８」という記録を残しているブラダック投手は「チームが心が広く、此の病気の事を理解してくれて感謝している。此の状態でプロとして、務めを果たすのは難しかった。今後、同じ苦しみを抱える選手も出て来ると思う。良い前例を作る事が出来た。」とのコメントを出している。

 

或る時期から突然、球速が５キロ以上落ちた為、詳しい検査をした事から「疲労による睡眠障害」が関係していると判明したそうだ。彼は６月からメジャー復帰を果たしたが、同月１６日にマイナー落ちしてしまった。何度も遅刻を繰り返したペナルティーという事だが、「此の遅刻が睡眠障害と何れ程の関係が在るかは判っていない。」と記事は記している。

 

「遅刻」と「睡眠障害」という２つのキーワードで思い出すのは、元タイガースの亀山努選手。１塁への果敢なヘッドスライディング等、闘志溢れるプレーで多くのタイガース・ファンの心を鷲掴みにした選手だった。（甘いマスクの彼は、新庄剛志選手と共に「亀新コンビ」として人気を博していたっけ。彼のスリムな体型も今は昔で・・・。）そんな彼が２８歳の若さで現役引退しなければならなくなった原因は幾つか在ろうが、「尋常では無い遅刻回数」というのも大きかったと言われている。「目覚まし時計を同時に１０個以上仕掛け、鳴らしたのに遅刻した。」という報道を当時目にして、「此れは酷いなあ。」と思ったものだが、後になって「睡眠障害（彼の場合は睡眠時無呼吸症候群。）が原因だったのではないか？」との記事を目にして、「そうだったんだ。」と。時代が違ったならば彼も、「一旦は故障者リストに載せて、睡眠障害の治療に専念させる。」という対応が取られたのかもしれない。