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クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で、柏木卓也(望月歩氏)という14歳の生徒が、死体となって発見される。屋上から飛び降り自殺したと見られた。
彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれた事により、マスコミの報道もヒートアップ。更に、何者かの手による殺人計画の存在が囁かれ、実際に犠牲者が続出してしまう。
事件を食い止め様ともせず、生徒達をも守ろうとしない教師達を見限り、1人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが・・・。
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3年前、ベスト・セラーとなった宮部みゆきさんの小説「ソロモンの偽証」。宮部作品とは肌合いが良く無い自分だけれど、記事でも書いた様に、此の作品は読み応えが在った。なので、今月の7日から公開となった映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」を、早速観に行って来た。
生徒役の子達は、見た事が無い顔許り。其れも其の筈で、「生徒役となる主要出演者は、オーディションによって演技経験を問わず選定され、今回の作品が初出演作となった者も少なくない。」という事だ。個人的には主役の藤野涼子役を演じた藤野涼子さんよりも、倉田まり子役の西畑澪花さんが「可愛いな。」と思った。
又、神原和彦役の板垣瑞生氏だが、「こんな綺麗な目をした子が居るんだ。」と、同性乍ら見入ってしまうイケメンさ。演技は拙いが、精進したら、相当人気が出る事だろう。
生徒役の子達は概して、演技力に乏しい面は否めないけれど、逆に其れが“今時の子達”という雰囲気を漂わせている。演技力の在るヴェテラン俳優達の存在は、生徒達の不足分を補って余り在る。
「中学生の死体が見付かり、不良グループによる殺人の可能性が出て来る。」とか「不良グループによる壮絶な暴力」等、先月発生した余りに悲惨な事件を思い浮かべてしまう。心が痛むシーンも少なく無いけれど、原作に忠実な展開は評価出来る。来月公開の「ソロモンの偽証 後篇・裁判」を、是非観たくなった。
総合評価は、星3.5個とする。