先月28日にリーグ優勝を果たし、16日からのCSのファイナル・ステージに備える我がジャイアンツ。対戦相手が何処になるかは未だ判らないが、タイガースにしてもベイスターズにしても非常に手強いチームなので、ジャイアンツに与えられた「1勝のアドヴァンテージ」は「在って無きが如し。」と言って良いだろう。楽しみな思いが在る一方で、不安も可成り在る。
“不安”と言えば、「来季のジャイアンツは、一体どうなるんだろう?」というのが在る。「今季オフ、主力選手達の“流出”が噂されている。」からだ。「以前より言われていた“岡本和真選手のメジャー挑戦”が今季オフ、ポスティング・システムを使って果たされるのでは?」というのに加え、国内FA権を獲得した大城卓三選手及び高梨雄平投手にも他チームへの移籍の可能性が指摘されている。」というのは、多くのジャイアンツ・ファンが気にしている所だろう。
リード面等で少なからずの不満を感じている大城選手だが、彼が抜けてしまった事で出来る“穴”は決して小さく無いだろう。況してや“打の大軸”たる岡本選手、そして中継ぎとして大活躍してくれた高梨投手が抜けてしまったら、ジャイアンツの戦力が大幅ダウン・・・と言うか、致命傷となってしまうのは確実。
そんな不安を抱えていたら、昨日、菅野智之投手が「今季オフ、海外FA権を行使して、メジャー移籍を目指す。」事を明らかにした。「4年前、ポスティング・システムでメジャー移籍を目指したが、契約合意に到らなかった。」という過去を有する菅野投手だが、今季は「リーグ・トップの15勝目」を上げる等、“エース復活”を印象付けた。来年で「35歳」となる事から、「年齢を考えると、メジャーで活躍出来るかなあ?」という思いも在るが、「“打の大軸”の岡本選手に続いて、“投の大軸”の菅野投手迄抜けてしまったら、来季のジャイアンツはボロボロになってしまう。」という危機感が。
其れにしても、「猫も杓子もメジャー挑戦!」というのが昨今の流れ。「更なる“高み”を目指したい。」というプロ選手の思いは理解出来るが、中村紀洋氏や山口俊氏、筒香嘉智選手等の様に、申し訳無いが「メジャーで、働き場所を得られなかった者。」も少なく無いし、何よりも「日本球界から姿を消してしまう。」のは寂しい。ジャイアンツで言えば、エースの戸郷翔征投手も、「来季オフには、ポスティング・システムでメジャー移籍するのでは?」と言われているし、日本球界の“空洞化”が懸念される。
「ダルビッシュ有投手や大谷翔平投手、有原航平投手、上沢直之投手等の主力が次々と抜けて、一時的に低迷はしたものの、今季は大躍進したファイターズ。」の様に、「抜けた穴が大きくても、其の穴を埋め合わせる選手が現れるし、メジャー挑戦する選手が増えても、日本球界は大丈夫。」と言う人も居るが・・・。
ちょっと日本で実績をあげるとだれでもアメリカに行きたがる。嘆かわしいことです。だいたいが、アメリカのプロ野球をメジャーとか大リーグというのが気にくいません。だったら、日本はマイナーで小リーグなんですか?ワールドシリーズなんていってますがアメリカシリーズでしょう。
野球の実力は日本の方が上なことがWBCで証明されたでしょう。日本の選手がアメリカに行くと祝福してるコミッショナーがおりましたが、アホか。大谷がいってたでしょう「あこがれるのをやめよう」
アメリカの選手が日本のプロ野球にあこがれてくるよう日本のプロ野球関係者はもっと努力しなければいけません。
以前にも書いたのですが、「自分が子供の頃、日米野球と言えば、物見遊山で来ている様なメジャー選手が少なく無かったけれど、そんな連中を相手にしても、日本のチームは歯が立たなかった。」という現実が在りました。其れを考えると、"少なくとも"総合力では互角以上に闘える様になったのは、夢の様な感が在ります。
総合力では互角以上に闘える様になったものの、選手個々で言えば、"抜きん出た選手数”は未だ未だメジャーが上かも知れない。でも、少なくとも大谷翔平選手が言った様に、「憧れるのは止めましょう。」というのは、全く空言では無い事を、もっと日本選手には理解して貰いたい。
制度としてきちんと存在はしているものの、個人的にはポスティング・システムは"邪道"だと思っています。一方、FA制度は"正道"と思っていますので、「海外FA権を行使して、メジャーに移籍する。」としている菅野智之投手は堂々と行使すれば良いし、移籍したらしたで頑張って欲しいとは思っています。
唯、此れは飽く迄も私見ですが、メジャー移籍するからには"相当な覚悟"を持って欲しい。「取り敢えずメジャーに移籍したけれど、結果が出せなかったから、仕方無く日本球界に戻って来た。」という感じで、しらっと日本球界に戻って来る様なスタンスは、少なくとも自分の"美学"には合わない。
猫も杓子もという感じでメジャー挑戦を口にする風潮には、どうしても抵抗を覚える。だが、そんな彼等に対し、敢えて理解を示すとしたら、「"日本球界の息苦しさ"というのが在るのかな?」と。昔よりは格段に薄くなっているのかも知れないけれど、其れでも未だ"悪い意味での"体育会系気質"、もっと言ってしまうと"縦社会気質"が残っている日本球界。チームの"組閣人事"を見ても、個々の能力よりも"学閥"や"御友達"というのが優先されているケースは珍しく無く、原政権の末期は其れがチーム瓦解の要因となった。そういう部分を嫌い、「自由にプレー出来るから。」という事でメジャー挑戦をする
選手も居るのかなあ。とは言え、実際には"アジア選手差別"等、別の"不自由さ"が厳として存在している様ですが。
又、御金の問題というのも、正直在るでしょうね。今季の年俸は4億円とも言われる菅野智之投手ですが、今季の大活躍により5億円以上に上がるのではないかともされています。でも、メジャー移籍が決まれば、「2年総額3,000万ドル(約43億5,000万円)プラス出来高払い等、好条件を提示する球団も在るのでは?」という話も在ります。
そして、何よりも大きいのは「メジャーの年金制度」。此れは、明日の記事で詳しく書く予定ですが、元々脆弱だった"日本球界の年金制度"も、2012年に運用難で廃止されており(今回、調べていて、廃止されていたのを初めて知りました。)、選手達が老後に不安を感じるのは否めない。一方、メジャーの場合は"一定条件"を満たせば、手厚い年金が期待出来る。こういう違いも、メジャー挑戦に拍車を掛けているのかも知れません。
「メジャーも日本球界も、同じ野球で在る事には変わり無い。」と言われる。でも、本当にそうなのか?基本的な戦術も違うし、何よりも(良い悪いは別にして)"ファン個々のメンタリティ‐"が違うと思うんです。少なくとも自分は、子供の頃よりずっと見聞して来た日本の野球が大好きだし、そういう意味でも「猫も杓子もメジャー挑戦!」という風潮には、どうしても抵抗を覚えてしまう。