ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

加齢臭

2008年03月09日 | 其の他
週刊朝日の3月7日号から、2つの記事を取り上げたい。


① 弱い者虐め (「4年間で100件以上も! 東急電鉄が訴訟乱発の理由」より)

今年1月、従業員10人の小さな会社に一通の封筒が郵送された。「被告はその営業上の施設、又は活動に於いて「TOKYU」、「tokyu」という表示を使用してはならない。」と、東急電鉄がその会社を訴えた訴状で、併せて240万円の損害賠償も求めていたとか。訴えられた会社の名前は「藤久建設(とうきゅうけんせつ)」(宮城県石巻市)。自社のホームページのアドレス等で会社名のローマ字読みで在る「tokyu」を使用していた事が、東急の系列会社を思わせる為、「使用を止めろ。」との事。これに対して同社の伊藤秀樹社長(45歳)は、「『藤久』は創業者で在る父の名前『伊“藤久”信』から取った物で、もう40年も使っている。東急と間違えられた事なんて一度も無い。地域密着でコツコツ遣って来たのに、何故訴えられるのか?」と反論。

東急電鉄秘書・広報部に訴訟の経緯を尋ねると、「『TOKYU』等の当社が所有するブランドは、東急が長年かけて培って来た大切な財産で在ると考えており。第三者によるブランドの無断使用や、御客様に誤解を与える様な表示・行為に対しては、厳格に対処しております。」との回答が文書で在り、そして同様のケースは訴訟にならない物も含め、この4年間で100件超在ります。とも記されていたそうだ。実際に西日本に在る従業員10人程度の会社は、「(所在地の)地名の頭文字から取って何十年も使っていた社名だったが、いきなり訴えられて表記を改めざるを得なかった。」とも。

伊藤社長は東急の主張が認められるなら、大企業と同じ名前の中小企業はローマ字表記を使えなくなる。これでは弱い者虐めだ。一寸の虫にも五分の魂が在る事を見せてやりたい。」と、徹底的に闘う姿勢を見せているという。

元記事でも触れられていたが、現在の「高知東生(たかち・のぼる)」氏はデビュー当時に「高知東急(たかち・のぼる)」と名乗っていたものの、「高知県に東急が進出したと誤解される。」と東急電鉄側が訴え、泣く泣く芸名を今の「東生」に変更した事件が在った。「デビュー年齢が遅かった“高知”県出身の彼が、“急”いで“東”(東京)に上れる様に。」との願いを込めて付けた「東急」という芸名が、東急電鉄側の逆鱗に触れた訳だ。当時このニュースを見聞し、「東急電鉄も大人気無いなあ。」と思ったものだが、今回は一層その思いが強い。


② 加齢臭(「暖簾ひじ鉄」:「車内の加齢臭」より)

当ブログでは過去に何度か紹介している、脚本家・内舘牧子さんの連載コラム「暖簾にひじ鉄」。先頃、内舘さんを含めて男女10人程で夕食会を開催した際、話題は「車内の加齢臭」で盛り上がったそうだ。

「この頃、タクシーに乗ると車内の加齢臭が凄くて、閉口しませんか?」と一人が切り出した。「恐らく、この夕食会にタクシーで来て、その臭いに閉口した直後だったのかもしれない。」と内舘さんは記しているが、この発言を受けて全員が「閉口します。」、「この所、しょっちゅうです。」と口を揃え、そして各自が発言し出したという。「私は窓を開け続けています。走っている間ずっと。」、「でも、運転手さんに『暖房が入ってるんで閉めてくれますか?』って言われる事が在るんですよ。まさか、『車内の加齢臭が酷くて。』とは言えないし。」、「私は『一寸気分が悪くて。』とだけ言って、全開にしてます。」、「私は車内に片足を入れた時、臭かったら『忘れ物しました。済みません。』って降りますね。」、「僕は窓を開けても耐えられない時が在って、流石に途中で降りました。」。

タクシー内の加齢臭、運転手又は乗客のどちらか一方のせいではないだろうと内舘さんは指摘。めっきりタクシーに乗る機会が無くなった自分故、実際の所は良く判らない。唯言えるのは、自分が好ましく思わない臭いというのは非常に気になる物で在るという事。

そして「臭い」に関連して、内舘さんは「若い男性の体臭」に言及している。

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若い人の場合、特に若い男達は加齢臭では無く「体臭」が強いが、日本の若い男達の体臭は、少なくともこの25年間で非常に薄くなったと思う。

私が高校生の頃、昭和40年代初めだが、あの頃の少年達の体臭は凄まじかった。例えば体育の授業が3時間目に在ると、4時間目の教室には入れたものでは無い。十代の少年の汗と体が発する臭気は、窓を開けようが鼻が曲がりそうだった。私は体育後の物理を担当する教師が、「青春の臭いとしか言いようが無いな。」と廊下で時間稼ぎをしていた事を今も鮮明に覚えている。

その後、私は武蔵野美大に入り、ラグビー部のマネージャーになった。部室は体臭で噎せ返っていたし、選手もつくづく「青春の匂い」だった。

そして、昭和50年代後半迄、私は三菱重工業のヨット部員だった。江の島ヨットハーバーのロッカールームはそれは臭かったし、焼けた肌や髪の匂いと体臭と潮の香が濃厚に混じり、選手達が後ろから来るだけで判った程だ。

あれから25年が経った今、東北大の相撲部道場は臭くない。東北学院大の道場もだ。夏には東大立教大と合同合宿を張るのだが、合宿所の万年床の部屋も然程臭くない。現役の女子マネージャー等からすれば、恐らく「臭い」だろう。しかし、昭和40年代、50年代の若い男の強烈な体臭を知っている私としては、こんな物は臭気の内に入らない。

インターカレッジを始め、大きな学生相撲大会では全国の各大学の選手と会う。話もするし、ウォーミングアップ山稽古を傍で眺めたりもする。が、強烈な体臭の選手が思い浮かばない。汗水漬くの彼等が後ろから来ても、臭気で察知は出来ない。
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確かに最近の若い子、特に野郎から強烈な体臭を感じる事が少なくなった。自分なぞは「結構体臭が強い。」と自覚していたので、若い頃から制汗剤を脇に塗ったりとかなり気を遣っていた。しかし、それでも少なからず己が体臭を感じたし、周りの野郎も同様。今時の若い野郎から強烈な体臭を感じなくなったのは、全般的にシャワーをこまめに浴びたりと“御洒落”になったからだろうと思っていたのだが、内舘さんはそれ“も”理由として挙げた上で、若い人の酒量と喫煙が減り、加えてドカ食いしなくなった事が在る様に思えてならない。と記している。合宿所に肉やチーズを差し入れても残る事が在るし、昭和40年代の様にガツガツとかっ食らう事はまず無い。肉食は体臭を強くするそうだし、酒や煙草は加齢臭の一因になると聞く。今の若い人達は、その意味からも臭気を作り難い体になっているのかもしれない。無論、私の知る限りに於いてで在る。と。

「加齢臭」が全く他人事には感じられない自分としては、色々考えさせられる内容だった。

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6 コメント

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Unknown (ゆうじ)
2008-03-09 01:42:00
どもお久しぶりです

ブログの方にもご挨拶ありがとうございます

そのブログも引越し完了で
ご挨拶がてら
新しいアドレスはこちらです
http://yujis-lietruthlie.laff.jp/blog/blog.html

版権といえばMIXIももめてるらしいですね

後以前から不思議だったのは
あんなにも版権にうるさいディ○ニーが
マイティマウスを認めてるのはなぜなんでしょう?

ちなみにこれですww
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&lr=&resnum=0&q=%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wi
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不思議 (ハムぞー)
2008-03-09 10:51:34
東北の藤久建設の「tokyu」まで
東急が主張するのが?です。

東急の線路も無い地域で40年も
やってきてるのに
何をいまさら、という感覚でしょうね。

ミ○キーの親元が絵の使用にうるさいのも
有名ですが、それとは又ワケが違うような。
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匂いに敏感でエレベーターがっ (マヌケ)
2008-03-09 12:24:13
エレベーターで二日酔いの人や強い香水の人、体臭の強い人がいると呼吸を止めることがあります。 うちは7階なので、もたない場合もありますが。 あと、うちの社屋にテナントで入居している企業にインドの方がたくさんおられ、独特のにおいがすることがあります。 それからランチにマックを買ってエレベーターに載っている人があると、とてもこもりますね。 においには敏感な方でして、お客さんと話をしている時でも相手の方の口臭や体臭が気になってしまい、時々顔に出てることもあると思います。 学生時代かサラリーマン開始時代、タクティクスというメンズのフレグランスがはやりまして、これを香らせると女の子が寄ってくるということで、大量に香らせたバカ男が社内でもおりましたね。 おばさん社員の中にもシャネルが数十メートル先から漂ってくる方がおられて同僚数人で同じエレベーターに乗り合わせた時は一人は呼吸困難を起こし、私は窒息寸前まで息を止めていました。 「まちがいなく、これは毒、毒だ・・・」などと降りたエレベーターホールで新鮮な空気を吸いながら「は~っ、助かった」と。 「何してるんだね君たち?」と不思議な顔で社長から声をかけられたなあ。 
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>マヌケ様 (giants-55)
2008-03-09 12:45:45
書き込み有難う御座いました。

人の好みは千差万別ですよね。匂いという分野に関しては、特に個人の好き嫌いがハッキリしているのではないでしょうか。学生の頃、混雑した電車に乗っていて一番嫌だったのが、御菓子の如く強烈に甘い香りを発するポマード?の臭い。概して“脂ギッシュ”なおじさんが付けていましたが、移動中ずっとその臭いを嗅がなければいけないのには閉口させられました。

香水と言えば学生時代に付き合っていた彼女から、当時流行っていたエゴイストという香水を貰った事が在ります。確か成分には麝香が含まれていたのではないかと記憶していますが、その商品名の如く強烈な“自己主張”をする香水で、付けるのに躊躇したもの。結局は彼女と会う時だけ付け、それ以外は付けませんでしたね。個人的には柑橘系の香りが好きです。
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Unknown (tak)
2008-03-09 18:08:10
正直内舘さんの身体から発せられる加齢臭ってのはいったいどうなのと小一時間問いつめ。。。
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>tak様 (giants-55)
2008-03-09 22:14:57
書き込み有難う御座いました。

内舘女史の“オイニー”ですか。正直言って余り想像したくもないのですが、「ウルトラQ」に登場した海底原人ラゴン(http://www.geocities.jp/kindanhm/ragon.html)の様なオイニーがする様な・・・。
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