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或る街の中心部から3,095人もの住民が突如“消失”してしまうという事件が発生した。それ以降、その地域は「開発保留地区」と呼ばれる事に。今では消失した人々があたかも存在しているかの様に、残された人々がその街で日々の生活を送っている。しかし消失から10年目を迎えた今年、街は大きな変化を迎えようとしていた。
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「『日常社会』の中に『非日常社会』を然りげ無く滑り込ませ、独特の世界観を作り上げて行く。」というのは、作家・三崎亜記氏が自家薬籠中の物とする所だが、彼が3年前に著した小説「失われた町」もそんな一つ。この「失われた町」の続編で在る「刻まれない明日」を読んだ。
10年前、3,095人の住民が消失した地域で、一人だけ取り残された女性が登場人物の一人。しかし彼女には、その時の記憶が残っていない。他に登場するのは「近しい者が消失し、街に取り残された人々」で在る。表面的には“あの事件”を忘れたかの様な人々も、消失した者からの様々な“メッセージ”に未だ心を揺り動かされ続けている現実。「ずっと大切な人。でも、何時かは忘れなくてはいけない人。」という矛盾を抱えて生きる者達が、新たな出逢いによってそれぞれの決断を下して行くというストーリー。
一気には読み進められなかった。少し読んでは止め、又、少し読んでは止めといった感じで、速読派の自分としては読破する迄時間を要した。「失われた町」でも感じた様に、用語や描写のディテールに凝り過ぎた余り、ストーリーの流れ自体が悪くなってしまっている様に思う。結末も在り来りで、妙味を感じ得ない。
総合評価は「非常にガッカリ。」の星2つ。
或る街の中心部から3,095人もの住民が突如“消失”してしまうという事件が発生した。それ以降、その地域は「開発保留地区」と呼ばれる事に。今では消失した人々があたかも存在しているかの様に、残された人々がその街で日々の生活を送っている。しかし消失から10年目を迎えた今年、街は大きな変化を迎えようとしていた。
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「『日常社会』の中に『非日常社会』を然りげ無く滑り込ませ、独特の世界観を作り上げて行く。」というのは、作家・三崎亜記氏が自家薬籠中の物とする所だが、彼が3年前に著した小説「失われた町」もそんな一つ。この「失われた町」の続編で在る「刻まれない明日」を読んだ。
10年前、3,095人の住民が消失した地域で、一人だけ取り残された女性が登場人物の一人。しかし彼女には、その時の記憶が残っていない。他に登場するのは「近しい者が消失し、街に取り残された人々」で在る。表面的には“あの事件”を忘れたかの様な人々も、消失した者からの様々な“メッセージ”に未だ心を揺り動かされ続けている現実。「ずっと大切な人。でも、何時かは忘れなくてはいけない人。」という矛盾を抱えて生きる者達が、新たな出逢いによってそれぞれの決断を下して行くというストーリー。
一気には読み進められなかった。少し読んでは止め、又、少し読んでは止めといった感じで、速読派の自分としては読破する迄時間を要した。「失われた町」でも感じた様に、用語や描写のディテールに凝り過ぎた余り、ストーリーの流れ自体が悪くなってしまっている様に思う。結末も在り来りで、妙味を感じ得ない。
総合評価は「非常にガッカリ。」の星2つ。