誰の話だったか忘れてしまったが、或る男性の思い出話が非常に印象に残っている。彼は子供の頃からやんちゃで、悪さをしては父親から小っ酷く怒られていた。幼少期は抱え上げられて尻を叩かれていたのだが、思春期を超えた頃には悪さに磨きが掛かった事から、ぶん殴られたりする様になり、時には父親に立ち向かって、取っ組み合いの喧嘩になる事も。取っ組み合いの喧嘩になっても、結局は父親に組み伏せられるのが落ちだったのだが、高校生の頃だったか、父親を投げ飛ばしてしまったと言う。其れ以前より父親よりも体格は良くなっていたが、何時も自分を組み伏せていた父親だったのに・・・。
投げ飛ばされた父親は、其の儘黙って部屋を出て行った。自信に満ちた姿しか見た事が無かった父親が、背中を丸めて去って行くのを目にした時、「物凄く悪い事をしてしまった。」という反省の念と共に、「心の何処かで尊敬していた父親のしょぼくれた後ろ姿が、堪らなく寂しかった。」と彼は語っていた。
7月10日、甲子園球場で行われた「タイガースvs.ドラゴンズ」戦を、自分はTV観戦していた。試合は「1対0」とタイガースが勝っている状況で9回裏、即ちドラゴンズの攻撃を迎え、マウンドには“守護神”の藤川球児が登板するが、1死から連打と四球を与えてしまい、1死満塁の大ピンチ。
結果的には後続を断ち、タイガースは「1対0」で勝利。「タイガースよ、強く在れ!」と願う身としては、タイガースの連敗が「6」で止まったのは嬉しかったのだが、大ピンチを迎えた際の藤川投手の表情がとても印象に残った。
“絶対的な守護神”と呼ばれていた頃の藤川投手とは異なり、近年は「ピンチを作っては、打たれる。」というケースが珍しくない。「大量の汗を顔から滴らせ、苦笑いを浮かべる。」という彼の姿を、ピンチで目にする事は珍しく無いのだが、此の日は其れに加えて、彼の顔は青褪めていた。
どんな大ピンチを迎えようと、青褪めた藤川投手の顔を自分は見た事が無い。仮令結果として打たれようとも、投球の際には「打てるものなら、打ってみろ!」と言わん許りに、“強気の顔”で投げ込むのが藤川投手だったのに・・・。
其の時自分は、冒頭に記した話を思い出してしまった。「歴代の抑え投手の中から、ベスト3を選べ。」と言われたならば、其の中の1人として藤川投手の名前を挙げるで在ろう程、全盛期の彼は凄かったと認めているだけに、「あんな姿は見たくなかった。」と堪らなく寂しくなってしまったのだ。
どんな選手でも、肉体は衰える。藤川投手も、其の例外では無い。だがしかし、全盛期の球威は無くなったとしても、彼には素晴らしい投球テクニックが在る筈。其れ等を駆使して、“ニュー藤川”を見せ付けて欲しい。そして仮令打たれる結果になったとしても、青褪める事無く、「打てるものなら、打ってみろ!」という姿だけは忘れないで貰いたい。
藤川がマウンドに立っている。それは私たち阪神ファンにとって勝利への序曲です。最もうれしい瞬間です。安心して見ていられました。
ところが、最近はヒヤヒヤすることが多いです。
150キロを超える高めのストレートで空振りが取れなくなりました。
私も、藤川はニュー藤川に変身してもらいたいのですが、彼の性格を考えると、スレートで三振を取れなくなると、あっさり引退しそうな気がします。そうなってもらったら困りますが、それも藤川らしいと思います。
難攻不落の抑え投手と言えば近年では、佐々木主浩投手と藤川球児投手の名前がパッと思い浮かびます。其の前で言えば、“炎のストッパー”こと津田恒実投手。
「8回を終わってジャイアンツが負けていたら、もう今日は勝てない。」と“100%”思ったのは、佐々木投手が抑えを務めていた時代のベイスターズ。彼の落差が半端じゃないフォークはバットに当てるのすら難しく、打ち崩すどころか、単打すら期待出来なかった。でも、そんな彼でも晩年は、ピンチを迎えて心此処に在らずといった表情を浮かべていた。今の藤川投手に、其の姿がオーバーラップしてしまいます。
藤川投手程キャリアを積んだ選手ならば、モデル・チェンジを図り、“ニュー藤川”として未だ未だ活躍出来ると思うんです。でも、雫石様が指摘されている様に、「彼の美学からすると、そういう姿は潔しと思っていないのではないか。」と、自分もそんな気がしています。
教師や親に平気で口ごたえしてたくらいですから。
いじめっ子にはケンカしたりもしてましたね。いじめるくらいならケンカしろ
ケンカするべしと、いうのが僕の信条でしたから。いまは違いますしおとなしくなりましたけど。
でも、このごろはやんちゃな子は
少なくなったのかな。
大津のいじめ自殺問題ではないけど
いじめられたらやられっ放し
追い詰められてそのいじめられっ子は自殺
と、いうのはさびしいですが。
藤川球児がやんちゃだったのは初耳ですね。
でも、昔の父親というのは厳格で寡黙なのが
多かったから反発もしたくなるもんですよね。また、それでいてスパルタが当たり前の時代
当時は藤川球児もいま30代から60代くらいのおとなでも、当時は子どもだったから
なおさら反発したくなるころなんですよね。
それでも成長すれば反発や反抗期は
たいていは治り成長してその道のプロや
サラリーマンになったりするんですよね。
この気持ち、大半の方はわかると、思いますが。
紛らわしい記述によって、梅吉様には誤解させてしまった様で、本当に済みません。
記事冒頭に記した人物は藤川球児選手とは全く無関係で、故に「彼がやんちゃだった。」という事では全く在りません。
虐め問題に関して、著名人が色々発言していますね。印象に残ったのは、評論家の森永卓郎氏の話でした。帰国子女だった彼は日本語が覚束無かった事や、其のルックスから、幼少期に結構な虐めに遭っていたそうです。「ウンコ」という渾名を付けられる等、辛い日々を送っていたのですが、或る日虐めっ子から虐めを受けていた際、払い除け様とした腕が偶然相手の顔に当たってしまい、結果として相手を突き倒す事になったのだとか。「其れ迄は大人しく虐めを受けるだけの森永氏が、自分に対して反抗した。」と思った相手は、其れ以降虐めをしなくなった。「難しい事とは思うけれど、何とか反抗する姿勢を見せて。」と森永氏。自分は虐めた経験(厳密に言えば、おちょくったりしていたのですが。)、そして虐められた経験(此れは、自分に明らかな非が在ったと思っています。)共に在りますが、「抵抗する。」というのは大事な要素だと思います。