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「ペット・ブームの陰、増える障害犬・・・無理な交配で」(10月4日、読売新聞)
ペット・ブームの陰で障害を抱えた飼い犬が増えている。
人気種は需要に応じる為に近親間の交配を繰り返す等する為で、動物病院では椎間板ヘルニアやアトピー性皮膚炎といった病気の犬の診察が此の5、6年で急増していると言う。日本畜犬遺伝性疾患協会=本部・麻布大(神奈川県相模原市)=は、「障害犬の事をもっと広く知って欲しい。」としている。
福岡市城南区の博多人形師、津志田孟さん(68歳)、直美さん(59歳)夫妻が飼う雌のダルメシアン「イブ」は、耳が聞こえない。丁度10年前、生後1~2ヶ月の時にペット・ショップで購入した直後に障害に気付いた。傍で掃除機を掛けても全く反応しなかったからだ。
交換して貰う事も考えたが、保健所に引き渡され殺されるかもしれないと思い、飼い続ける事に。イブに手の動きを覚えさせ、パーは「待て。」、其の儘手を下げると「御座り。」、グーは「駄目。」、床を叩くと此方を向く。
性格は大人しく、津志田さんの孫を背中に乗せたり、一緒に飼っている猫の体調が悪いと体を舐めたりと、すっかり家族の一員だ。「人間の顔を見て求められている事を考えている様だ。」と孟さん。直美さんも「家族に幸せをくれた。」と感謝している。
しかし、こうした幸せな犬ばかりではない。2008年度、保健所等に持ち込まれた犬は全国で約11万3,000頭。内約8万2,000頭が殺処分された。此の内障害犬の数は把握出来ていないが、日本畜犬遺伝性疾患協会等によると、珍しい毛色や特長を出す為に父犬と娘犬を交配させたり、知識の無い飼い主が安易に妊娠させたりして多種多様な遺伝病が広がっていると言う。
広島市のNPO法人「犬猫みなしご救援隊」代表で、動物病院看護師の中谷百合さん(48歳)は、「安易な交配で生まれた売り物にならない障害犬を、嘘の理由で保健所に持ち込む繁殖家や飼い主も居る。」と語る。
同協会は「遺伝病を避ける為の法規制を急ぐべきだ。」と指摘している。
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以前にも書いたとは思うが、新宿の某ペット・ショップの前を通る度に憤りを感じていた。人通りが結構在る狭い路地奥に在る其の店は、店頭でガラス・ケースに入れられた子犬を陳列しているのだが、兎に角ガラス・ケース自体が小さく、子犬達が身動き出来るスペースが非常に狭い。小忠実にケアをしていない様で、床は糞尿に塗れ、飲み水が全く無い時すら在った。人通りが結構在るので子犬達はストレスが溜まるのか、毛が一部抜け落ちている事も。申し訳程度の日除けしか無いので、「夏は直射日光が差し込むのではないか?」と心配したりもした。此の店の事を犬好きの知り合いに話した所、何人かは存在を知っていたので、“悪い意味で”有名なペット・ショップなのかもしれない。新宿に行かなくなって大分になるので、此の店が今も在るのかどうかは知らないけれど、こういう「犬を単なる売り物としか考えていないペット・ショップ」は一軒でも多くクローズして欲しい。
少しずつ改善されて来てはいる様だが、ペット業界は未だ未だ野放し状態に在る様に思う。犬の健康面を第一に考えた繁殖や販売が徹底されているとは到底言えず、「売れさえすれば良い。」という思いが優先されている様に感じる。以前、チェーン店展開している某大手ペット・ショップに行った際、「此の犬はXXという障害を持っていますので、大幅に値引きして販売しています。」との表示がされた大型犬が販売されていた。そういった表示をするだけ良心的と言えなくも無いけれど、平均的な販売額の半額程度で売られているのには、少々違和感を覚えた。と言うのも、其の障害は素人の自分ですら「完治する事が無い上に、定期的に病院で診察&治療を受けなければいけない。」事が判る物で、詰り「飼い主と成る人間は、長期に亘る決して安くない医療費を負担させられる。」のが明々白々な訳だ。ペット・ショップが其の大型犬にどれだけ費用を注ぎ込んだのかは知らないけれど、飼い主に重い費用負担をさせるので在れば、無料で譲り渡す位の心遣いが在っても良いのではないだろうか?「御金を払って迄障害犬を買おうとする人ならば、ずっと大事に育ててくれるだろう。無料で譲り渡したら、転売目的の人間が出て来るかもしれないし。」というペット・ショップの思いも在るのかもしれないけれど、「売れれば良い。」的な思いを個人的には強く感じてしまう。
買う側の人間にも、責められる点は在るだろう。以前の記事「『可哀想だ、ハハ、もうしょうがねえ、ヘヘ。』って・・・ふざけるな!!」でも紹介したが、“屑”としか思えない飼い主も居るから。ペットは使い捨ての玩具じゃ無く、命在る生き物なのだ。一生大事に飼い続ける覚悟の無い人間は、絶対にペットを飼ってはいけない。
海外では「其の需要を確認してから繁殖家が繁殖を行い、生まれて来た子犬を其の人に売る。」というシステムを確立している国が結構在るのだとか。「ガラス・ケースの中に押し込められた子犬が、ずらっと陳列されている。」なんていう我が国のスタイルは、「虐待」と感じる外国人も少なくないと言う。「売れ残った子犬は、提携している獣医に依頼して殺処分する。」なんて話も良く耳にするし、何とか法規制で野放し状態を改善して欲しい。
「ペット・ブームの陰、増える障害犬・・・無理な交配で」(10月4日、読売新聞)
ペット・ブームの陰で障害を抱えた飼い犬が増えている。
人気種は需要に応じる為に近親間の交配を繰り返す等する為で、動物病院では椎間板ヘルニアやアトピー性皮膚炎といった病気の犬の診察が此の5、6年で急増していると言う。日本畜犬遺伝性疾患協会=本部・麻布大(神奈川県相模原市)=は、「障害犬の事をもっと広く知って欲しい。」としている。
福岡市城南区の博多人形師、津志田孟さん(68歳)、直美さん(59歳)夫妻が飼う雌のダルメシアン「イブ」は、耳が聞こえない。丁度10年前、生後1~2ヶ月の時にペット・ショップで購入した直後に障害に気付いた。傍で掃除機を掛けても全く反応しなかったからだ。
交換して貰う事も考えたが、保健所に引き渡され殺されるかもしれないと思い、飼い続ける事に。イブに手の動きを覚えさせ、パーは「待て。」、其の儘手を下げると「御座り。」、グーは「駄目。」、床を叩くと此方を向く。
性格は大人しく、津志田さんの孫を背中に乗せたり、一緒に飼っている猫の体調が悪いと体を舐めたりと、すっかり家族の一員だ。「人間の顔を見て求められている事を考えている様だ。」と孟さん。直美さんも「家族に幸せをくれた。」と感謝している。
しかし、こうした幸せな犬ばかりではない。2008年度、保健所等に持ち込まれた犬は全国で約11万3,000頭。内約8万2,000頭が殺処分された。此の内障害犬の数は把握出来ていないが、日本畜犬遺伝性疾患協会等によると、珍しい毛色や特長を出す為に父犬と娘犬を交配させたり、知識の無い飼い主が安易に妊娠させたりして多種多様な遺伝病が広がっていると言う。
広島市のNPO法人「犬猫みなしご救援隊」代表で、動物病院看護師の中谷百合さん(48歳)は、「安易な交配で生まれた売り物にならない障害犬を、嘘の理由で保健所に持ち込む繁殖家や飼い主も居る。」と語る。
同協会は「遺伝病を避ける為の法規制を急ぐべきだ。」と指摘している。
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以前にも書いたとは思うが、新宿の某ペット・ショップの前を通る度に憤りを感じていた。人通りが結構在る狭い路地奥に在る其の店は、店頭でガラス・ケースに入れられた子犬を陳列しているのだが、兎に角ガラス・ケース自体が小さく、子犬達が身動き出来るスペースが非常に狭い。小忠実にケアをしていない様で、床は糞尿に塗れ、飲み水が全く無い時すら在った。人通りが結構在るので子犬達はストレスが溜まるのか、毛が一部抜け落ちている事も。申し訳程度の日除けしか無いので、「夏は直射日光が差し込むのではないか?」と心配したりもした。此の店の事を犬好きの知り合いに話した所、何人かは存在を知っていたので、“悪い意味で”有名なペット・ショップなのかもしれない。新宿に行かなくなって大分になるので、此の店が今も在るのかどうかは知らないけれど、こういう「犬を単なる売り物としか考えていないペット・ショップ」は一軒でも多くクローズして欲しい。
少しずつ改善されて来てはいる様だが、ペット業界は未だ未だ野放し状態に在る様に思う。犬の健康面を第一に考えた繁殖や販売が徹底されているとは到底言えず、「売れさえすれば良い。」という思いが優先されている様に感じる。以前、チェーン店展開している某大手ペット・ショップに行った際、「此の犬はXXという障害を持っていますので、大幅に値引きして販売しています。」との表示がされた大型犬が販売されていた。そういった表示をするだけ良心的と言えなくも無いけれど、平均的な販売額の半額程度で売られているのには、少々違和感を覚えた。と言うのも、其の障害は素人の自分ですら「完治する事が無い上に、定期的に病院で診察&治療を受けなければいけない。」事が判る物で、詰り「飼い主と成る人間は、長期に亘る決して安くない医療費を負担させられる。」のが明々白々な訳だ。ペット・ショップが其の大型犬にどれだけ費用を注ぎ込んだのかは知らないけれど、飼い主に重い費用負担をさせるので在れば、無料で譲り渡す位の心遣いが在っても良いのではないだろうか?「御金を払って迄障害犬を買おうとする人ならば、ずっと大事に育ててくれるだろう。無料で譲り渡したら、転売目的の人間が出て来るかもしれないし。」というペット・ショップの思いも在るのかもしれないけれど、「売れれば良い。」的な思いを個人的には強く感じてしまう。
買う側の人間にも、責められる点は在るだろう。以前の記事「『可哀想だ、ハハ、もうしょうがねえ、ヘヘ。』って・・・ふざけるな!!」でも紹介したが、“屑”としか思えない飼い主も居るから。ペットは使い捨ての玩具じゃ無く、命在る生き物なのだ。一生大事に飼い続ける覚悟の無い人間は、絶対にペットを飼ってはいけない。
海外では「其の需要を確認してから繁殖家が繁殖を行い、生まれて来た子犬を其の人に売る。」というシステムを確立している国が結構在るのだとか。「ガラス・ケースの中に押し込められた子犬が、ずらっと陳列されている。」なんていう我が国のスタイルは、「虐待」と感じる外国人も少なくないと言う。「売れ残った子犬は、提携している獣医に依頼して殺処分する。」なんて話も良く耳にするし、何とか法規制で野放し状態を改善して欲しい。