ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

政権浮揚の効果無し!?

2023年02月21日 | 政治関連

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国民栄誉賞日本内閣総理大臣表彰の1つ。賞は1977年8月に定められた「国民栄誉賞表彰規定」に基づいて授与され、当時の福田赳夫首相により創設された。「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える事に顕著業績が在った者に付いて、其の栄誉讃える事。」が、国民栄誉賞の創設目的とされる。受賞者第1号は「通算本塁打世界記録を更新した王貞治選手。」で、現在26人と1団体が受賞。(2023年2月21日時点)している。
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国民栄誉賞に付いては、創設当初から色々指摘されていた。授与基準が非常に曖昧というのは尤もで、個人的には「長谷川町子さんが授与されているなら(彼女が授与された事自体は、「おかしい。」と思っていない。)、同じ漫画家手塚治虫氏が授与されていないのは理解出来ない。」とずっと思っている。漫画文化を国内外に広めた功績計り知れず、「結局、『手塚氏の思想は、自民党にとって好ましくないから。』という判断から、授与の検討すらされなかった理由なんだろうな。」と考えている。

又、「此の人が授与されるのは、全く理解出来ないなあ。」と思ってしまうケースも。「権威が大好きで、様々な“勲章”が欲しくて堪らず、関係各所働き掛けをする一方で、授与時期近辺のスケジュールを記者会見のにずっと空けている。」と噂されていた人物なんぞは、個人的に非常に疑問。国民栄誉賞授与後の記者会見で、「こんな大きな賞を私なんかが戴いて、本当に良いのでしょうか?」みたいなコメントを出していたが、「空々しいなあ・・・。」という思いしか無かった。

又、『国民栄誉賞の授与。→国民の間に明るさを生み出す。→内閣支持率上昇が期待出来る。』という“政権浮揚目論見”が、時の政権から強く感じられる。というのも、ずっと指摘されて来た事。「授与基準が非常に曖昧。」だからこそ、時の政権が支持率を上げたいと考えた時、「政権に対して“従順”な人物の中から、良さそうなのを“見繕っ”て、国民栄誉賞を授与し様。そうすれば、支持率が上がる。」という発想が出て来る気がするのだ。

内閣支持率が低迷し続けている岸田文雄内閣。「車椅子テニス第一人者で、先月引退を発表した国枝慎吾氏に、国民栄誉賞授与を検討している。」という話が出ているのも、「授与によって、政権浮揚に繋げたい。」という目論見がとは言えないだろう。

では、「国民栄誉賞授与によって、本当に内閣支持率は上昇して来たのか?」を検証したのが、記事「栄誉賞、政権浮揚に効果無し? 岸田内閣、車椅子テニスの国枝さんに授与検討」(2月19日、時事通信)だ。2000年以降に国民栄誉賞が授与されたケースを調べた物だが、以下の通り。

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「2000年以降の国民栄誉賞受賞者と政権支持率の変化」

高橋尚子さん
 受賞年月日:2000年10月30日
 当時の首相:森喜朗首相
 授与前後の支持率変化:23.1%→18.0%(-5.1%)

遠藤実
 受賞年月日:2009年1月23日
 当時の首相:麻生太郎首相
 授与前後の支持率変化:17.8%→16.4%(-1.4%)

森光子さん
 受賞年月日:2009年7月1日
 当時の首相:麻生太郎首相
 授与前後の支持率変化:24.1%→16.3%(-7.8%)

森繁久彌
 受賞年月日:2009年12月22日
 当時の首相:鳩山由紀夫首相
 授与前後の支持率変化:46.8%→47.1%(+0.3%)

2011 FIFA 女子ワールド・カップ 日本女子代表 
 受賞年月日:2011年8月18日
 当時の首相:菅直人首相
 授与前後の支持率変化:13.3%→辞任

吉田沙保里さん
 受賞年月日:2012年11月7日
 当時の首相:野田佳彦首相
 授与前後の支持率変化:23.4%→17.3%(-6.1%)

大鵬幸喜
 受賞年月日:2013年2月25日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:61.4%→61.4%(変化無し)

長嶋茂雄
 受賞年月日:2013年5月5日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:62.1%→60.0%(-1.9%)

松井秀喜
 受賞年月日:2013年5月5日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:62.1%→60.0%(-1.9%)

伊調馨さん
 受賞年月日:2016年10月20日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:49.4%→51.0%(+1.6%)

羽生善治
 受賞年月日:2018年2月13日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:48.7%→39.3%(-9.4%)

井山裕太
 受賞年月日:2018年2月13日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:48.7%→39.3%(-9.4%)

羽生結弦
 受賞年月日:2018年7月2日
 当時の首相:安倍晋三首相
 授与前後の支持率変化:35.5%→37.0%(+1.5%)
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合計11回の授与(長嶋氏&松井氏、そして羽生氏&井山氏は同時授与の為)で、授与後に内閣支持率が上昇したのは3回だけ其れ微増。一方、6回は下がっているそうだ。そうなると、結論としては「国民栄誉賞を授与しても、政権浮揚の効果は無し。」と言っても良いだろう。


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